三角形の合同、あるいは相似を調べるには、角と辺の関係に着目します。
この記事では、特に三角形の角に着目して、合同条件・相似条件にはどのようなものがあるかを見ていきます。
まずは、合同について。
合同条件
角の1つに着目する
合同な三角形とは、回転させたり裏返したりした上で重ね合わせるとピッタリ重なる三角形の組のことを指します。
では、1つの角だけがピッタリ重なっている時、合同な三角形であることを示すのに他にどのような条件が必要でしょうか?
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図1 1つの角が等しくても辺の長さが違うと… |
1組の角が等しい2つの三角形のその角を重ねても、隣接する2組の辺が等しくなければピッタリ重なることはありません。
1つの角が等しく、隣接する2組の辺がそれぞれ等しい時、残るもう1つの辺の組の端が重なる、すなわちもう1つの辺の組も等しくなるため2つの三角形はピッタリ重なり合同であることが示されます。
このことから「2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい」という合同条件が導かれます。
2組の角に着目する
2組の角が等しい三角形を考えた時、まず2つの角に共通する辺について考えなければなりません。
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図2 2組の角が等しくても共通する辺の長さが違うと… |
共通する辺の長さが等しくなければ、2つの角の組が同時にピッタリ重なることができず合同ではなくなります。
そして2組の角が等しく共通する辺の長さが等しい時、残る2組の辺は重なり同じ位置で交わる、すなわち2組の辺も等しくなるため2つの三角形はピッタリ重なり合同であることが示されます。
このことから、「1組の辺とその両端の角の組がそれぞれ等しい」という合同条件が導かれます。
3組の角に着目する
3組の角が等しい三角形を考える前に2角が等しい三角形について再び考えてみると、2角の大きさが定まっているなら内角の和が180度で一定である以上、残る1つの角の大きさは自動的に決まります。
すなわち、2組の角が等しいとわかった時点ですべての角の組が等しいことが確定します。
このことから、「1組の辺とその両端の2組の角がそれぞれ等しい」は「1組の辺と2組の角がそれぞれ等しい」に拡張することができます。
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図3 1組の辺が等しく、かつ2組の角が等しい |
図3のように「1組の辺と2組の角がそれぞれ等しい」という条件には3通りの組み合わせがあります。
A.は2組の角に着目したときの「1組の辺とその両端の2組の角がそれぞれ等しい」と同じもので、B.とC.は拡張されたことで追加された組み合わせです。
前述の通り、2組の角が等しいことがわかった時点ですべての角の組が等しいことが確定するので、A., B., C.はすべて「1組の辺とその両端の角の組がそれぞれ等しい」が成立しています。
そしてどの角にも着目しない場合、合同であるとはすべての辺が同時に重なることができるということなので、すなわち「3組の辺がそれぞれ等しい」ことが合同条件となります。
相似条件
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図4 合同な図形を組み合わせると… |
図4のように合同な三角形を4つ組み合わせると、3組の角が等しくすべての辺が2倍の三角形ができあがります。相似は拡大・縮小をしてピッタリ重ねることができる図形の組のことなので元の三角形と組み合わせてできた三角形は相似であるということになります。また、拡大・縮小したときの割合を相似比と呼びます。
相似であることは、合同条件の「辺が等しい」を「辺の比が等しい」に変更することで示すことができます。
したがって、「2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい」、「(1組の辺の比がa:bで)2組の角がそれぞれ等しい」、「3組の辺の比がすべて等しい」が相似条件となります。
「2組の角がそれぞれ等しい」、つまり「すべての角の組がそれぞれ等しい」はそれだけで相似であることを示すことができますが、辺の比がわからなければ相似比を知ることはできません。なので、相似比含め相似であることを証明する場合は、辺の比を明らかにしなければなりません。
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https://p-suugaku.blogspot.com/2021/09/goudou-souji-jouken.html三角形の内角で見る合同条件・相似条件