(底辺)×(高さ)÷2
で表されるように、底辺と高さという2つの長さがわからないと求められません。
しかし、三角形の中には1辺の長さが分かれば面積が求められるものが存在します。
それはどんな三角形なのか3つの例を見ていきます。
直角二等辺三角形は、1つの角が直角であり、かつ直角を作る2つの辺の長さが等しい三角形のことです。
直角を作っている2辺がそのまま底辺と高さになり、長さが等しいので、斜辺以外の辺の長さがわかれば面積を求めることができます。
図2 斜辺と高さの関係 |
また、斜辺の長さしかわかっていない場合は三角比から求めることもできますが、直角から斜辺に対して垂線を下ろすと合同な2つの直角二等辺三角形ができるので、斜辺を底辺としたときの斜辺の長さと高さの関係は2:1になります。なので、斜辺の長さしかわかっていない場合でも面積も求めることができます。
その他、以下のような正方形を描くと1辺の長さが斜辺と同じになり、直角二等辺三角形の面積は正方形の4分の1であることからこのような方法でも面積を求めることができます。
図3 直角二等辺三角形の斜辺を1辺とする正方形 |
2. 直角三角形
それは鋭角の1つが60°(or 30°)である直角三角形です。3辺の長さの比は$1:2:\sqrt{3}$であるので、どれか1つでも辺の長さがわかれば面積を求めることができます。
また、この直角三角形は正三角形を半分に切ったものなので、正三角形の面積を求めるときにも利用することができます。
3. 底角が75°の二等辺三角形
図5 底角が75°の二等辺三角形 |
底角が75°の二等辺三角形は一見1辺だけわかっても高さを知ることはできないように思えます。
図6 二等辺三角形に垂線を下ろす |
しかし、底角の1つから対辺に垂線を下ろすと頂角は30°なので前述の直角三角形ができます。
垂線と等辺の長さは1:2となるため、等辺の長さがわかればそれを底辺としたときの高さを知ることができ、これらから面積を求めることができます。
以上が、1辺の長さがわかれば面積が求められる三角形の例です。これらの三角形を見ると直角二等辺三角形や鋭角の1つが30°の直角三角形の性質を利用したものばかりであることがわかります。
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