Processing math: 100%
横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2022年2月14日

平方完成するには

 平方完成とは、2次式ax^2+bx+ca(x+p)^2+qという2乗の項と定数項の和の形に変形することをいいます。


平方完成の手順は
  1. x^2+2px部分を見つけてpを求める
  2. p^2を付け足して取り除く
  3. (x+p)^2をつくる
の3工程です。
2次式2x^2-5x+2を例として平方完成をしてみます。

1. x^2+2px部分を見つけてpを求める

 x^2+2pxは、(x+p)^2を展開したx^2+2px+p^2の定数項p^2を除いた部分となります。
これはx^2の項とxの項の和なので、例の2次式においては2x^2-5x部分のこととなります。
x^2の項の係数を1にしたいので、該当部分を括弧でくくってx^2の項の係数をくくり出します。
\begin{align*}2x^2-5x+2&=(2x^2-5x)+2\\[0.5em]&=2\left(x^2-\frac{5}{2}x\right)+2\end{align*}
括弧内のx^2-\dfrac{5}{2}xx^2+2pxを比較すると2p=-\dfrac{5}{2}であることがわかるので、p=-\dfrac{5}{4}と求められます。
pの値はx^2の項の係数をくくり出した後のxの項の\dfrac{1}{2}倍となります。

2. p^2部分を付け足して取り除く

 括弧で括ったx^2+2px部分にp^2部分を付け加え、同時にp^2部分を引いて取り除きます。
\begin{align*}2\mathbf{\left(x^2-\frac{5}{2}x\right)}+2&=2\mathbf{\left[\left\{x^2-\frac{5}{2}x\textcolor{red}{+\left(-\frac{5}{4}\right)^2}\right\}\textcolor{blue}{-\left(-\frac{5}{4}\right)^2}\right]}+2\end{align*}
赤く示した部分がp^2を付け加えている部分、青く示した部分がp^2を取り除いている部分です。これらは互いに打ち消し合うので、この変形前と式のもつ性質は変化していません。
3.へ進む前にx^2+2px+p^2部分を残したまま整理しておきます。
\begin{align*}&2\left[\left\{x^2-\frac{5}{2}x+\left(-\frac{5}{4}\right)^2\right\}-\left(-\frac{5}{4}\right)^2\right]+2\\[0.5em]=&2\left\{x^2-\frac{5}{2}x+\left(-\frac{5}{4}\right)^2\right\}-2\left(-\frac{5}{4}\right)^2+2\\[0.5em]=&2\left\{x^2-\frac{5}{2}x+\left(-\frac{5}{4}\right)^2\right\}-\frac{25}{8}+2\\[0.5em]=&2\left\{x^2-\frac{5}{2}x+\left(-\frac{5}{4}\right)^2\right\}-\frac{9}{8}\end{align*}

3. (x+p)^2をつくる

 x^2+2px+p^2部分は(x+p)^2の形に因数分解できます。
2\left\{x^2-\frac{5}{2}x+\left(-\frac{5}{4}\right)^2\right\}-\frac{9}{8}=2\left(x-\frac{5}{4}\right)^2-\frac{9}{8}
これが2x^2-5x+2を平方完成した形となります。

 任意の2次式ax^2+bx+ca,b,c:定数、a\neq0)を同様の手順で平方完成すると以下のようになります。
\begin{align*}ax^2+bx+c&=a\left(x^2+\frac{b}{a}x\right)+c\\[0.5em]&=a\left[\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}-\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right]+c\\[0.5em]&=a\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}-a\left(\frac{b}{2a}\right)^2+c\\[0.5em]&=a\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}-\frac{b^2}{4a}+c\\[0.5em]&=a\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}-\frac{b^2-4ac}{4a}\\[0.5em]&=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a}\end{align*}
これが平方完成の公式となります。
(2024/6)内容を修正しました。
Share:
share
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

PR

blogmura_pvcount
ブログランキング・にほんブログ村へ