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2022年2月26日

三角関数の読み方 ①三角比の読み方

 三角関数の$\sinθ,\cosθ,\tanθ$の値をどうやって出すのでしょうか?
まずは、直角三角形をもちいて三角比が導き出せるようにします。


直角三角形の内角θと斜辺r、隣接辺x、対辺y
 直角三角形を使って三角比を考えるとき、直角が右下、着目する角$θ$が左下になるように配置してください。すると、上の図のように斜辺は右肩上がりの線になります。
こうすることで$\sinθ,\cosθ,\tanθ$との関係がわかりやすくなります。
 上図の$△ABC$において斜辺$AB$の長さを$r$、角$θ$の隣接辺$BC$の長さを$x$、角$θ$の対辺$AC$の長さを$y$とします。
すると$\sinθ,\cosθ,\tanθ$はそれぞれ以下のようになります。
\begin{align*}\sinθ&=\frac{y}{r}\\[1em]\cosθ&=\frac{x}{r}\\[1em]\tanθ&=\frac{y}{x}\end{align*}

それぞれある辺の長さを基準とした他の1辺の長さの割合となっています。
$\sinθ$は斜辺を基準にしたときの角$θ$の対辺の割合、$\cosθ$は斜辺を基準にしたときの角$θ$の隣接辺の割合、$\tanθ$は角$θ$の隣接辺を基準にしたときの角$θ$の対辺の割合です。

斜辺の長さが1の直角三角形の他の2辺の長さ
特に斜辺の長さが$1$の直角三角形においては$\sinθ$は隣接辺の長さ、$\cosθ$は対辺の長さとしてそのまま現れます。
すると、$\tanθ$は
\[\tan\theta=\frac{y}{x}=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\]
と表せます。これは$\sinθ,\cosθ,\tanθ$の相互関係の1つです。

$\sinθ,\cosθ,\tanθ$の値はどれも直角三角形の2辺の長さの比の値を表したものなので、これらは三角比と呼ばれています。
そして、$θ$の値に応じて三角比を出す$\sinθ,\cosθ,\tanθ$のことを三角関数といいます。


 次は代表的な三角比を見ていきます。

$45°-45°-90°$の直角三角形

 1つ目は内角が$45°-45°-90°$の直角二等辺三角形の三角比です。
45°-45°-90°の直角二等辺三角形
この三角形からは$θ=45°$のときの三角比がわかります。
3辺の比は$1:1:\sqrt{2}$、すなわち$x=1,y=1,r=\sqrt{2}$なので
\begin{align*}\sin45°&=\frac{1}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}}{2}\\[1em]\cos45°&=\frac{1}{\sqrt{2}}=\frac{\sqrt{2}}{2}\\[1em]\tan45°&=\frac{1}{1}=1\end{align*}
この三角比は斜辺以外の2辺の長さが等しいので$\sinθ$と$\cosθ$は等しくなります。また、$\tanθ$は$1$になります。
正方形に対角線1本を引いてできるのが45°-45°-90°の直角三角形
$45°-45°-90°$の直角二等辺三角形の内角と三角比は正方形と三平方の定理より導かれます。

$30°-60°-90°$の直角三角形

 2つ目は$30°-60°-90°$の直角三角形の三角比です。
この三角形からは$θ=30°$と$θ=60°$のときの三角比がわかります。
30°-60°-90°の直角三角形
$θ=30°$のときは3辺の比は$\sqrt{3}:1:2$で$x=\sqrt{3},y=1,r=2$となるので
\begin{align*}\sin30°&=\frac{\sqrt{3}}{2}\\[1em]\cos30°&=\frac{1}{2}\\[1em]\tan30°&=\frac{1}{\sqrt{3}}=\frac{\sqrt{3}}{3}\end{align*}
となります。

30°-60°-90°の直角三角形2
$θ=60°$のときは直角三角形の向きを変えて$x=1,y=\sqrt{3},r=2$となるので、
\begin{align*}\sin60°&=\frac{1}{2}\\[1em]\cos60°&=\frac{\sqrt{3}}{2}\\[1em]\tan60°&=\frac{\sqrt{3}}{1}=\sqrt{3}\end{align*}
直角三角形の向きを変えたので$θ=30°$のときと比較すると$\sinθ$と$\cosθ$の値が入れ替わり、$\tanθ$の値が逆数になっています。
正三角形の1つの頂点から対辺へ垂線をおろしてできるのが30°-60°-90°の直角三角形
$30°-60°-90°$の直角三角形の内角と三角比は正三角形と三平方の定理より導かれます。

斜辺の長さを基準としたときの他の2辺の長さの割合
 これらの直角三角形の斜辺の比の数を$1$にすると、上でも触れたように$x,y$にあたる辺の長さがそれぞれ$\cosθ,\sinθ$の値となります。

上の3つの直角三角形が三角比の見取り図なので、$θ=30°,45°,60°$のときの三角比を考えるときはこれらの直角三角形を思い浮かべてみてください。


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