三角関数のsinθ,cosθ,tanθの値をどうやって出すのでしょうか?
まずは、直角三角形をもちいて三角比が導き出せるようにします。
直角三角形を使って三角比を考えるとき、直角が右下、着目する角
θが左下になるように配置してください。すると、上の図のように斜辺は右肩上がりの線になります。
こうすることでsinθ,cosθ,tanθとの関係がわかりやすくなります。
上図の
△ABCにおいて斜辺
ABの長さを
r、角
θの隣接辺
BCの長さを
x、角
θの対辺
ACの長さを
yとします。
すると
sinθ,cosθ,tanθはそれぞれ以下のようになります。
sinθ=yrcosθ=xrtanθ=yx
それぞれある辺の長さを基準とした他の1辺の長さの割合となっています。
sinθは斜辺を基準にしたときの角θの対辺の割合、cosθは斜辺を基準にしたときの角θの隣接辺の割合、tanθは角θの隣接辺を基準にしたときの角θの対辺の割合です。
特に斜辺の長さが
1の直角三角形においては
sinθは隣接辺の長さ、
cosθは対辺の長さとしてそのまま現れます。
すると、
tanθは
tanθ=yx=sinθcosθ
と表せます。これは
sinθ,cosθ,tanθの相互関係の1つです。
sinθ,cosθ,tanθの値はどれも直角三角形の2辺の長さの比の値を表したものなので、これらは三角比と呼ばれています。
そして、θの値に応じて三角比を出すsinθ,cosθ,tanθのことを三角関数といいます。
次は代表的な三角比を見ていきます。
45°−45°−90°の直角三角形
1つ目は内角が45°−45°−90°の直角二等辺三角形の三角比です。
この三角形からは
θ=45°のときの三角比がわかります。
3辺の比は
1:1:√2、すなわち
x=1,y=1,r=√2なので
sin45°=1√2=√22cos45°=1√2=√22tan45°=11=1
この三角比は斜辺以外の2辺の長さが等しいのでsinθとcosθは等しくなります。また、tanθは1になります。
45°−45°−90°の直角二等辺三角形の内角と三角比は正方形と三平方の定理より導かれます。
30°−60°−90°の直角三角形
2つ目は30°−60°−90°の直角三角形の三角比です。
この三角形からはθ=30°とθ=60°のときの三角比がわかります。
θ=30°のときは3辺の比は
√3:1:2で
x=√3,y=1,r=2となるので
sin30°=√32cos30°=12tan30°=1√3=√33
となります。
θ=60°のときは直角三角形の向きを変えて
x=1,y=√3,r=2となるので、
sin60°=12cos60°=√32tan60°=√31=√3
直角三角形の向きを変えたのでθ=30°のときと比較するとsinθとcosθの値が入れ替わり、tanθの値が逆数になっています。
30°−60°−90°の直角三角形の内角と三角比は正三角形と三平方の定理より導かれます。
これらの直角三角形の斜辺の比の数を
1にすると、上でも触れたように
x,yにあたる辺の長さがそれぞれ
cosθ,sinθの値となります。
上の3つの直角三角形が三角比の見取り図なので、θ=30°,45°,60°のときの三角比を考えるときはこれらの直角三角形を思い浮かべてみてください。