対数とは、べき乗の指数に着目した数のことです。
また、ab=Mab=Mからb=logaMb=logaMへ変形することを対数をとるといいます。
対数のaaを底、MMを真数と呼びます。
底がa>0a>0のとき真数はab=M>0ab=M>0となります。これを真数条件と呼びます。
べき乗と対数の関係を掛け算で例えるとa×b=Ma×b=Mとなるときの因数bbを求める計算M÷aM÷aに相当しますが、対数は数の一種であるので割り算より分数MaMaのほうがより適切でしょう。
こういった関係であるので、
a×Ma=Ma×Ma=M
と書けるように
alogaM=MalogaM=M
と書くことができます。
対数の計算法則には
logaM+logaN=logaMNlogaM−logaN=logaMNplogaM=logaMplogaM=lognMlognalogaM+logaN=logaMNlogaM−logaN=logaMNplogaM=logaMplogaM=lognMlogna(a)(b)(c)(d)
があり、これらがなぜ成り立つのかについて考えます。
(a)対数の和
またab=M,ac=Nab=M,ac=Nとおけばab+c=MNab+c=MNとなり、それぞれ対数をとればb=logaM,c=logaN,b+c=logaMNb=logaM,c=logaN,b+c=logaMNと書けるので
logaM+logaN=logaMNlogaM+logaN=logaMN
が成り立ちます。
(b)対数の差
またab=M,ac=Nab=M,ac=Nとおけばab−c=MNab−c=MNとなり、それぞれ対数をとればb=logaM,c=logaN,b−c=logaMNb=logaM,c=logaN,b−c=logaMNと書けるので
logaM−logaN=logaMNlogaM−logaN=logaMN
が成り立ちます。
(c)対数の実数倍
(ab)p(ab)pは指数の計算法則よりapbapbとなります。
ab=Mab=Mとおけば(ab)p=abp=Mp(ab)p=abp=Mpとなり、それぞれ対数をとればb=logaM,bp=logaMpb=logaM,bp=logaMpと書けるので
plogaM=logaMpplogaM=logaMp
が成り立ちます。
また、ab=M,a=ncab=M,a=ncであるとするとab=(nc)b=nbc=Mab=(nc)b=nbc=Mより、logncM=b,lognM=bcであるから
logncM=1clognM
が成り立ちます。
(d)対数の商
ac=Nは両辺を1/c乗するとa=N1c ⋯(∗)となります。
ab=Mに(∗)を代入すると
(N1c)b=Nbc=M
真ん中の辺と右辺の対数をとると
bc=logNM
ab=Mと(∗)の両辺の対数をとるとそれぞれb=logaM,1c=logNaとなるので
b⋅1c=logaM⋅logNa=logNMlogaM=logNMlogNa
が成り立ちます。これを底の変換公式といいます。
また、これを利用して
logab=logbblogba=1logba
という関係が成り立ちます。
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