「|x2−3x−18|=x+k|x2−3x−18|=x+kが実数解をもつときのkの値の範囲を実数解の個数ごとに場合分けをして答えよ。」
この方程式は連立方程式
{y=|x2−3x−18|y=x+k
からできたものと考え、この2関数のグラフから共有点の個数を調べてみます。
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図1 y=|x2−3x−18|とy=x+k |
y=|x2−3x−18|のグラフは、絶対値の中のx2−3x−18を因数分解すると(x+3)(x−6)になるため、x軸との共有点は(−3,0),(6,0)であることがわかります。また、下に凸の放物線であるため−3<x<6の範囲においてx2−3x−18<0となります。
しかし、|x2−3x−18|≧0であるため−3<x<6のとき|x2−3x−18|=−(x2−3x−18)となります。したがって、
このグラフは図1の青線となります。
しかし、|x2−3x−18|≧0であるため−3<x<6のとき|x2−3x−18|=−(x2−3x−18)となります。したがって、
y=|x2−3x−18|⇔{y=x2−3−18(x≦−3,6≦x)y=−(x2−3x−18)=−x2+3x+18(−3<x<6)
となります。このグラフは図1の青線となります。
y=xを平行移動、すなわちy切片となるy=x+kのkの値を変化させてy=|x2−3x−18|との共有点の個数を見ていくと、
y=x+kが(6,0)を通るとき、すなわち
このときのy=x+kのグラフは図1の緑線です。
y=x+kが(6,0)を通るとき、すなわち
0=6+kk=−6
のとき、共有点は1個。このときのy=x+kのグラフは図1の緑線です。
kが(a)より小さくなる、すなわちk<−6のとき共有点は0個。
このときy=x+kのグラフは右下のドット柄の範囲にあります。
y=x+kが(−3,0)を通るとき、すなわち
このときy=x+kのグラフは図1の(−3,0)を通る方のオレンジ線です。
0=−3+kk=3
のとき、共有点は3個。このときy=x+kのグラフは図1の(−3,0)を通る方のオレンジ線です。
kが(a)と(b)の間、すなわち−6<k<3のとき共有点は2個。
このときy=x+kのグラフは図1右下の青い縞柄の範囲にあります。
y=x+kがy=−x2+3x+18 (−3<x<6)と接するとき共有点は3個。
このときのkの値は、共有点を求める連立方程式
{y=−x2+3x+18y=x+k
よりx2−2x−18+k=0が得られるので、判別式をもちいて
D=(−2)2−4⋅1⋅(−18+k)=76−4k
2次関数と1次関数が接するときD=0を調べれば良いので
D=76−4k=0k=19
であることがわかります。このとき、y=x+kのグラフは図1左上のオレンジ線です。
kが(b)と(c)の間、すなわち3<k<19のとき共有点は4個。
このときy=x+kのグラフは図1の赤い横縞柄の範囲にあります。
kが(c)より大きいとき、すなわちk>19のとき共有点は2個。
このときy=x+kのグラフは図1左上の青い縞柄の範囲にあります。
共有点の個数はそれぞれのkの値のときの実数解の個数となるため以上をまとめると
となります。
- 実数解が0個のときk<−6
- 実数解が1個のときk=−6
- 実数解が2個のとき−6<k<3,19<k
- 実数解が3個のときk=3,19
- 実数解が4個のとき3<k<19
求める答えは実数解をもつときのkの値の範囲なので、実数解が0個のときを除いたものが答えとなります。
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