「$|x^2-3x-18|=x+k$が実数解をもつときの$k$の値の範囲を実数解の個数ごとに場合分けをして答えよ。」
以前の記事ではグラフを利用して解きましたが、今度はグラフを利用しないで解いてみます。
絶対値記号を外したときの結果で場合分けすると、
\begin{align*}x^2-3x-18=(x+3)(x-6)<0\\ すなわち-3<x<6のとき\\ |x^2-3x-18|&=-(x^2-3x-18)=-x^2+3x+18\\ \\ x^2-3x-18=(x+3)(x-6)\geqq0\\ すなわちx\leqq-3,6\leqq xのとき\\ |x^2-3x-18|&=x^2-3x-18\end{align*}
となるので、それぞれの場合について実数解の個数を調べます。
$-3<x<6$のとき
\begin{align*}-x^2+3x+18&=x+k\\ \\ x^2-2x-18+k&=0\end{align*}
解の公式より
\begin{align*}x&=1\pm\sqrt{(-1)^2-(-18+k)}\\ \\ &=1\pm\sqrt{19-k}\end{align*}
ここで$-3<x<6$より、小さい方の解が存在するための条件は
\[-3<1-\sqrt{19-k}<6\]
であるから、$k$について解くと
\begin{align*}-4<&-\sqrt{19-k}<5\\ \\ -5<&\sqrt{19-k}<4\end{align*}
$\sqrt{19-k}\geqq0$なので、
\begin{align*}0\leqq&\sqrt{19-k}<4\\ \\ 3<&k\leqq19\end{align*}
となります。
また、大きい方の解が存在するための条件は
\[-3<1+\sqrt{19-k}<6\]
であるから、同様にして
\begin{align*}-4<&\sqrt{19-k}<5\\ \\ 0\leqq&\sqrt{19-k}<5\\ \\ -6<&k\leqq19\end{align*}
以上より、$-3<x<6$における方程式の実数解の個数は
- $k\leqq-6$のとき、実数解0個
- $-6<k\leqq3$のとき、大きい方の解のみ存在するため実数解1個
- $3<k<19$のとき、異なる2解が存在するため実数解2個
- $k=19$のとき、重解となるため実数解1個
- $k>19$のとき、実数解0個
の5通りがあります。
$x\leqq-3,6\leqq x$のとき
\begin{align*}x^2-3x-18&=x+k\\ \\ x^2-4x-18-k&=0\end{align*}
解の公式より
\begin{align*}x&=2\pm\sqrt{(-2)^2-(-18-k)}\\ \\ &=2\pm\sqrt{22+k}\end{align*}
ここで$x\leqq-3,6\leqq x$より、小さい方の解が存在するための条件は
\[2-\sqrt{22+k}\leqq-3\]
であるから、($x^2-3-18=0$より、小さい方の解は$x=-3$周辺に存在します)$k$について解くと
\begin{align*}-\sqrt{22+k}&\leqq-5\\ \\ \sqrt{22+k}&\geqq5\\ \\ \sqrt{22+k}&\geqq5\\ \\ k&\geqq3\end{align*}
となります。
また、大きい方の解が存在するための条件は
\[6\leqq2+\sqrt{22+k}\]
であるから、($x^2-3-18=0$より、大きい方の解は$x=6$周辺に存在します)同様にして
\begin{align*}4&\leqq\sqrt{22+k}\\ \\ k&\geqq-6\end{align*}
以上より、$x\leqq-3,6\leqq x$における方程式の実数解の個数は
- $k<-6$のとき、実数解0個
- $-6\leqq k<3$のとき、大きい方の解のみ存在するため実数解1個
- $k\geqq3$のとき、異なる2解が存在するため実数解2個
の3通りがあります。
それぞれの$x$の値の範囲における実数解の個数がわかったので、これを$k$の値の範囲で整理して方程式の実数解の個数をまとめます。
- $k<-6$のとき、実数解0個
- $k=-6$のとき、$x\leqq-3,6\leqq x$において実数解が1個存在する
- $-6<k<3$のとき、$-3<x<6$において実数解1個、$x\leqq-3,6\leqq x$において実数解1個の計2個存在する
- $k=3$のとき、$-3<x<6$において実数解1個、$x\leqq-3,6\leqq x$において実数解2個の計3個存在する
- $3<k<19$のとき、$-3<x<6$において実数解2個、$x\leqq-3,6\leqq x$において実数解2個の計4個存在する
- $k=19$のとき、$-3<x<6$において実数解1個、$x\leqq-3,6\leqq x$において実数解2個の計3個存在する
- $k>19$のとき、$x\leqq-3,6\leqq x$において実数解が2個存在する
の7通りに分けることができます。
問題は実数解をもつときの$k$の値の範囲なので、$k<-6$を除いた6通りが答えとなります。
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