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2022年7月24日

絶対値のある2次方程式の実数解の個数(グラフ不使用)

|x^2-3x-18|=x+kが実数解をもつときのkの値の範囲を実数解の個数ごとに場合分けをして答えよ。」

 以前の記事ではグラフを利用して解きましたが、今度はグラフを利用しないで解いてみます。

 絶対値記号を外したときの結果で場合分けすると、
\begin{align*}x^2-3x-18=(x+3)(x-6)<0\\ すなわち-3<x<6のとき\\ |x^2-3x-18|&=-(x^2-3x-18)=-x^2+3x+18\\ \\ x^2-3x-18=(x+3)(x-6)\geqq0\\ すなわちx\leqq-3,6\leqq xのとき\\ |x^2-3x-18|&=x^2-3x-18\end{align*}


となるので、それぞれの場合について実数解の個数を調べます。

-3<x<6のとき

\begin{align*}-x^2+3x+18&=x+k\\ \\ x^2-2x-18+k&=0\end{align*}
解の公式より
\begin{align*}x&=1\pm\sqrt{(-1)^2-(-18+k)}\\ \\ &=1\pm\sqrt{19-k}\end{align*}
ここで-3<x<6より、小さい方の解が存在するための条件は
-3<1-\sqrt{19-k}<6
であるから、kについて解くと
\begin{align*}-4<&-\sqrt{19-k}<5\\ \\ -5<&\sqrt{19-k}<4\end{align*}
\sqrt{19-k}\geqq0なので、
\begin{align*}0\leqq&\sqrt{19-k}<4\\ \\ 3<&k\leqq19\end{align*}
となります。
また、大きい方の解が存在するための条件は
-3<1+\sqrt{19-k}<6
であるから、同様にして
\begin{align*}-4<&\sqrt{19-k}<5\\ \\ 0\leqq&\sqrt{19-k}<5\\ \\ -6<&k\leqq19\end{align*}
以上より、-3<x<6における方程式の実数解の個数は
  • k\leqq-6のとき、実数解0個
  • -6<k\leqq3のとき、大きい方の解のみ存在するため実数解1個
  • 3<k<19のとき、異なる2解が存在するため実数解2個
  • k=19のとき、重解となるため実数解1個
  • k>19のとき、実数解0個
の5通りがあります。

x\leqq-3,6\leqq xのとき

\begin{align*}x^2-3x-18&=x+k\\ \\ x^2-4x-18-k&=0\end{align*}
解の公式より
\begin{align*}x&=2\pm\sqrt{(-2)^2-(-18-k)}\\ \\ &=2\pm\sqrt{22+k}\end{align*}
ここでx\leqq-3,6\leqq xより、小さい方の解が存在するための条件は
2-\sqrt{22+k}\leqq-3
であるから、(x^2-3-18=0より、小さい方の解はx=-3周辺に存在します)kについて解くと
\begin{align*}-\sqrt{22+k}&\leqq-5\\ \\ \sqrt{22+k}&\geqq5\\ \\ \sqrt{22+k}&\geqq5\\ \\ k&\geqq3\end{align*}
となります。
また、大きい方の解が存在するための条件は
6\leqq2+\sqrt{22+k}
であるから、(x^2-3-18=0より、大きい方の解はx=6周辺に存在します)同様にして
\begin{align*}4&\leqq\sqrt{22+k}\\ \\ k&\geqq-6\end{align*}
以上より、x\leqq-3,6\leqq xにおける方程式の実数解の個数は
  • k<-6のとき、実数解0個
  • -6\leqq k<3のとき、大きい方の解のみ存在するため実数解1個
  • k\geqq3のとき、異なる2解が存在するため実数解2個
の3通りがあります。

 それぞれのxの値の範囲における実数解の個数がわかったので、これをkの値の範囲で整理して方程式の実数解の個数をまとめます。
  • k<-6のとき、実数解0個
  • k=-6のとき、x\leqq-3,6\leqq xにおいて実数解が1個存在する
  • -6<k<3のとき、-3<x<6において実数解1個、x\leqq-3,6\leqq xにおいて実数解1個の計2個存在する
  • k=3のとき、-3<x<6において実数解1個、x\leqq-3,6\leqq xにおいて実数解2個の計3個存在する
  • 3<k<19のとき、-3<x<6において実数解2個、x\leqq-3,6\leqq xにおいて実数解2個の計4個存在する
  • k=19のとき、-3<x<6において実数解1個、x\leqq-3,6\leqq xにおいて実数解2個の計3個存在する
  • k>19のとき、x\leqq-3,6\leqq xにおいて実数解が2個存在する
の7通りに分けることができます。

問題は実数解をもつときのkの値の範囲なので、k<-6を除いた6通りが答えとなります。

関連:絶対値のある2次方程式の実数解の個数

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