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2022年7月20日

2次関数の異なる2接線の交点の座標を求める

「2次関数$y=x^2+4x+7$の$x=-5$と$x=2$における接線の交点の座標を求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいでしょうか?

 任意の2次関数$y=ax^2+bx+c$の$x=p$と$x=q$における接線の交点の座標について考えます。

2次関数上の接点の座標はそれぞれ$(p,ap^2+bp+c),\ (q,aq^2+bq+c)$、2次関数の導関数は$f'(x)=2ax+b$なので、
$x=p$における接線の方程式は
\begin{align*}y&=(2ap+b)(x-p)+ap^2+bp+c\\[0.5em]&=(2ap+b)x-ap^2+c\end{align*}
$x=q$における接線の方程式は
\begin{align*}y&=(2aq+b)(x-q)+aq^2+bq+c\\[0.5em]&=(2aq+b)x-aq^2+c\end{align*}
これら2接線の交点を求めるには連立して
\[\left\{\begin{aligned}y&=(2ap+b)x-ap^2+c&\cdots(a)\\[0.5em]y&=(2aq+b)x-aq^2+c&\cdots(b)\end{aligned}\right.\]
これを解くと
\begin{align*}(2ap+b)x-ap^2+c&=(2aq+b)x-aq^2+c\\[0.5em]\{(2ap+b)-(2aq+b)\}x&=ap^2-aq^2\\[0.5em](2ap-2aq)x&=a(p^2-q^2)\\[0.5em]2a(p-q)x&=a(p-q)(p+q)\\[0.5em]x&=\frac{p+q}{2}\end{align*}
$x=\dfrac{p+q}{2}$を(a)に代入すると
\begin{align*}y&=(2ap+b)\frac{p+q}{2}-ap^2+c\\[0.5em]&=apq+\frac{b(p+q)}{2}+c\end{align*}
となるから、交点の座標は$\left(\dfrac{p+q}{2},apq+\dfrac{b(p+q)}{2}+c\right)$となります。

 ここで最も着目したいのは2次関数の異なる2つの接線の交点が常に接点のx座標の中間にあることです。
これを知っていれば、1つの接線の方程式からy座標も求めることができます。

2次関数$y=x^2+4x+7$の接点の1つは$(2,19)$、導関数は$y'=2x+4$なので、$x=2$における接線の方程式は
\begin{align*}y&=(2\cdot2+4)(x-2)+19\\[0.5em]&=8x+3&\cdots(1)\end{align*}
となります。
$x=-5$における接線との交点のx座標は
\[x=\frac{-5+2}{2}=-\frac{3}{2}\]
であるから、これを(1)に代入すると
\begin{align*}y&=8\cdot\left(-\frac{3}{2}\right)+3\\[0.5em]&=-9\end{align*}
したがって、交点の座標は$\left(-\dfrac{3}{2},-9\right)$であるとわかります。
交点のy座標$y=apq+\dfrac{b(p+q)}{2}+c$からも
\begin{align*}y&=-5\cdot2+\frac{4(-5+2)}{2}+7\\[0.5em]&=-9\end{align*}
と求まります。

 もちろん任意の2次関数から接線の交点を求めたときと同様の手順で計算しても求めることができます。
2次関数$y=x^2+4x+7$のもう1つの接点は$(-5,12)$で、この接点における接線の方程式は
\begin{align*}y&=\{2(-5)+4\}(x+5)+12\\[0.5em]&=-6x-18&\cdots(2)\end{align*}
(1)と(2)を連立して解くと
\begin{align*}8x+3&=-6x-18\\[0.5em]14x&=-21\\[0.5em]x&=-\frac{3}{2}\\[1.5em]y&=-6\cdot\left(-\frac{3}{2}\right)-18\\[0.5em]&=-9\end{align*}
したがって、交点の座標は$\left(-\dfrac{3}{2},-9\right)$
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