実数a,bについて
|a+b|^2=(a+b)^2
という式が成り立ちます。しかし、複素数a+biの場合だと
|a+bi|^2=(a+bi)(a-bi)
となります。
|a+b|^2=(a+b)^2が成立するのは、
\begin{align*}a+b<0のとき\\ |a+b|&=-(a+b)\\[1.5em]a+b\geqq0のとき\\
|a+b|&=a+b\end{align*}
より
\begin{align*}a+b<0のとき\\
|a+b|^2&=\left\{-(a+b)\right\}^2\\[0.5em]&=(a+b)^2\\[1.5em]a+b\geqq0のとき\\
|a+b|^2&=(a+b)^2\end{align*}
となり、実数a+bの正負で場合分けしても同じ結果を得るためです。
|a+bi|を実数と同様に場合分けしようとした場合、b=0のときa+biは実数なので場合分けができて結果成り立つことがわかります。しかしb\neq0のときa+biは虚数となり、虚数には大きさがない、すなわち虚数を0未満か0以上かで場合分けすることができないので、実数と同じ方法はとれなくなります。
では複素数の絶対値|a+bi|はどうやって求めるのかというと、これは複素数平面で定義されています。
実部aと虚部bは実軸、虚軸それぞれにおける座標となるので、座標平面でいうところの(a,b)の点が複素数a+biの複素数平面における位置となります。
そして原点からa+biまでの距離が複素数の絶対値|a+bi|となります。実数の絶対値は実数直線における0点からの距離なので、これを拡張したものです。
したがって、三平方の定理を利用して
|a+bi|^2=a^2+b^2
で求めることができます。
ここで、
\begin{align*}(a+bi)^2&=a^2+2abi+b^2i^2\\[0.5em]&=a^2-b^2+2abi\end{align*}
より|a+bi|^2=(a+bi)^2が成り立たないことがわかります。
複素数平面を利用して複素数の絶対値を求める方法はわかりましたが、なぜ
|a+bi|^2=(a+bi)(a-bi)
となるのかはまだわかりません。そこでa^2+b^2と(a+bi)^2を比較して導いてみます。
|a+bi|^2=(a+bi)(a-bi)
となるのかはまだわかりません。そこでa^2+b^2と(a+bi)^2を比較して導いてみます。
(a+bi)^2=a^2-b^2+2abiより、これをa^2+b^2にするには2abiを引いて2b^2を加える必要があります。
\begin{align*}a^2+b^2&=(a+bi)^2-2abi+2b^2\\[0.5em]&=(a+bi)^2-2b(ai-b)\\[0.5em]&=(a+bi)^2-2b(ai+bi^2)\\[0.5em]&=(a+bi)^2-2bi(a+bi)\\[0.5em]&=(a+bi){(a+bi)-2bi}\\[0.5em]&=(a+bi)(a-bi)\end{align*}
このことから|a+bi|^2=(a+bi)(a-bi)を導くことができました。
共役複素数a-biは複素数平面においてa+biをx軸に関して対称な位置にあります。
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