「次の不等式を解け。
(1)|x|<3|x|<3
(2)|x|≧5|x|≧5
(3)|x+2|≦2|x+2|≦2
(4)|x−3|>1|x−3|>1
(5)|x−5|>−2|x−5|>−2
(6)|x+1|≦−4|x+1|≦−4」このような問題はどのように解けばよいでしょうか?
(1)|x|<3|x|<3
このような形の不等式は解くと
|x|<A−A<x<A|x|<A−A<x<A
となります。
AAが絶対値記号を外したものだとすると絶対値記号がついているときは|±A||±A|と書けます。これは数直線上において00からAAまたは−A−Aまでの距離ということです。
これによって不等式は|x|<|±A||x|<|±A|となります。
|x||x|が|±A||±A|より小さいということはxxは数直線上でA, −AA, −Aよりも00に近い位置にあるということなので、xxの存在する範囲は−A<x<A−A<x<Aと表せることになります。
このことから、問題の不等式の解が−3<x<3−3<x<3となることがわかります。
(2)|x|≧5|x|≧5
このような形の不等式は解くと
|x|≧Ax≦−A,A≦x|x|≧Ax≦−A,A≦x
となります。
(1)(1)と同様に考えれば不等式は|x|≧|±A||x|≧|±A|と書けるから、|x||x|が|±A||±A|以上ということはxxは数直線上でA, −AA, −Aと同じかそれよりも00から遠い位置にあるということなので、xxの存在する範囲はx≦−Ax≦−Aまたはx≧Ax≧A、すなわちx≦−A,A≦xx≦−A,A≦xと表せることになります。
このことから、問題の不等式の解がx≦−5,5≦xx≦−5,5≦xとなることがわかります。
(3)|x+2|≦2|x+2|≦2
(1)(1)と同様に考えて解くことができます。
−2≦x+2≦2−2≦x+2≦2
すべての辺から22を引いて、xxを含む辺をxxのみにします。
−4≦x≦0−4≦x≦0
これが解です。
(4)|x−3|>1|x−3|>1
(2)(2)と同様に考えてときます。
x−3<−1,1<x−3x−3<−1,1<x−3
すべての辺に33を足して
x<2,4<xx<2,4<x
となり、これが解です。
(5)|x−5|>−2|x−5|>−2
絶対値と負の数の不等式の場合は絶対値の基本的な性質を利用します。
絶対値の基本的な性質とは必ず値が00以上となること、すなわち|a|≧0|a|≧0であることです。
絶対値の基本的な性質とは必ず値が00以上となること、すなわち|a|≧0|a|≧0であることです。
この性質より|x−5||x−5|はxxがどんな値であっても00より小さくなることはありません。
したがって、|x−5||x−5|の最小値00より−2−2は小さいので確実に|x−5||x−5|は−2−2より大きいといえます。
このことから問題の不等式は常に成り立つ事がわかるため、解は”すべての実数”となります。
(6)|x+1|≦−4|x+1|≦−4
(5)(5)と同様に絶対値の基本的な性質|a|≧0|a|≧0を利用します。
問題の不等式は|x+1||x+1|は−4−4以下ということですが、|x+1||x+1|は00より小さくならないという絶対値の性質と矛盾しています。
したがって、xxがどんな値をとろうともこの不等式は成り立つことはないため”解なし”となります。
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