年々返済する場合、返済額のうち元金部分は借入元金を返済回数で分割するので
\begin{align*}P_P&=\frac{Pr}{n}\\ &(P_P:返済額の元金部分,P_r:借入元金,n:返済期間)\end{align*}
となります。
1回目の返済時、元金部分と借入元金に発生した利息を合計して支払うので、1回目返済後の残高は
\[P_r(1+A)-(P_P+P_rA)=P_r-P_P\quad(A:年率)\]
となります。$P_P+P_rA$が元金部分と利息部分を合算した返済額となります。
2回目の返済時は元金部分と1回目返済後の残高に発生した利息を合計して支払うので、2回目返済後の残高は
\begin{align*}(P_r-P_P)(1+A)-\{P_P+(P_r-P_P)A\}&=(P_r-P_P)-P_P\\ \\ &=P_r-2P_P\end{align*}
3回目返済後の残高は同様に考えれば
\[(P_r-2P_P)-P_P=P_r-3P_P\]
となります。
そして、返済額のうち利息部分は$k$回目($1\leqq k\leqq n$)の返済時
\begin{equation}I_k=\{P_r-(k-1)P_P\}A\quad(I:返済額の利息部分)\end{equation}
となります。
以上のことから$k$回目の返済額は
\begin{align*}P_{bk}&=P_P+I_k&(P_b:返済額)\\ \\ &=\frac{P_r}{n}+\{P_r-(k-1)P_P\}A\\ \\ &=\frac{P_r}{n}+\left\{P_r-(k-1)\frac{P_r}{n}\right\}A\\ \\ &=\frac{P_r}{n}+P_r\left\{1-\frac{k-1}{n}\right\}A\\ \\ &=\frac{P_r}{n}+\frac{P_r(n-k+1)A}{n}\\ \\ &=\frac{P_r\{1+(n-k+1)A\}}{n}\end{align*}
で求めることができます。
返済総額のうち利息部分の合計は(1)と$nP_P=P_r$より
\begin{align*}\sum_{k=1}^nI_k&=\sum_{k=1}^n\{P_r-(k-1)P_P\}A\\ \\ &=nP_rA-\sum_{k=1}^n(k-1)P_PA\\ \\ &=nP_rA-\frac{1}{2}n(n-1)P_PA\\ \\ &=nP_rA-\frac{1}{2}(n-1)P_rA\\ \\ &=P_rA\left\{n-\frac{(n-1)}{2}\right\}\\ \\ &=\frac{P_rA(n+1)}{2}\end{align*}
となります。
返済総額のうち元金部分の合計は$P_r$となるから返済総額は
\begin{align*}\sum_{k=1}^nP_{bk}&=P_r+\sum_{k=1}^nI_k\\ \\ &=P_r+\frac{P_rA(n+1)}{2}\\ \\ &=\frac{P_r\{2+(n+1)A\}}{2}\end{align*}
で求めることができます。
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