横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2022年7月8日

連立方程式を解く

 連立方程式とは、
\[\left\{\begin{align*}7x+y&=27&\cdots\text{(i)}\\[0.5em]5x+y&=21&\cdots\text{(ii)}\end{align*}\right.\]
のように複数の方程式を関連付けて並べて書いたもので、複数の方程式を関連付けることを連立するといいます。これを解くとは連立した方程式に代入するとすべての方程式が成り立つような共通する値の組を求めることです。
すなわち連立した方程式$\text{(i),(ii)}$の$x,y$にはそれぞれ同じ値が入るものと考えています。

 この$x,y$に適した値の組を求めるための方法には代入法と加減法があります。

代入法

 代入法は1つの方程式の$x$か$y$について解き、別の方程式に代入する方法です。
$\text{(i)}$を$y$について解くと
\[y=27-7x\tag{iii}\]
となります。この等式が成り立っているということは両辺が同じ値であるので$y$を$27-7x$に置き換えることができるということです。なので、$\text{(iii)}$を$\text{(ii)}$に代入して$y$を置き換えます。
\begin{align*}5x+(27-7x)&=21\\[0.5em]-2x&=-6\\[0.5em]x&=3\end{align*}
これで$x$の値が求められたので、$\text{(iii)}$に代入して
\begin{align*}y&=27-7\cdot3\\[0.5em]&=6\end{align*}
$y$の値も求めることができます。
したがって、連立方程式の解は$(x,y)=(3,6)$であるとわかります。
実際に代入してみると
\begin{align*}\text{(i)}:\\ &7\cdot3+6=27\\[1em]\text{(ii)}:\\ &5\cdot3+6=21\end{align*}
どちらも確かに成り立ちます。

加減法

 加減法は複数の方程式を足したり引いたりする方法です。
$\text{(i)}$も$\text{(ii)}$も等号でつながっているということは両辺が同じ値であるということです。したがって、左辺同士、右辺同士を足したり引いたりしても両辺が等しいということは変わりません。
連立方程式 加減法 筆算
$\text{(i)}$と$\text{(ii)}$では、$y$の項が係数が$1$で共通しているので左辺同士を引けば$y$が消え、同様に右辺同士を引けば$x$だけの1次方程式にすることができます。
筆算を使わない場合は以下のように表せます。
\[(7x+y)-(5x+y)=27-21\]
これを解くと$x=3$とわかります。
$\text{(i)}$に代入して
\begin{align*}7\cdot3+y&=27\\[0.5em]y&=6\end{align*}
したがって、連立方程式の解は$(x,y)=(3,6)$であるとわかります。
 加減法を使う前に方程式の両辺に同じ数を掛ける場合があります。
$\text{(i)}$の両辺を$2$倍すると
\[14x+2y=54\tag*{(i)×2}\]
となり、$x,y$を代入して等式が成り立つという部分は変わりません。
したがって、$\text{(i)}$と$\text{(ii)}$、$\text{(i)}×2$と$\text{(ii)}$とで$(x,y)$に入る値が変わることはありません。
この方法は連立方程式
\[\left\{\begin{aligned}3x+y&=9\\[0.5em]5x+2y&=16\end{aligned}\right.\]
のように、係数が等しい同類項がない場合に有効です。

連立方程式が解けない?

 連立方程式は連立されている方程式を同時に成り立たせるような共通の値$(x,y)$があると仮定した上で解くのですが、その仮定が間違っている場合もあります。

それは$x,y$が消えて間違った等式が残ったときです。
例として
\begin{cases}3x+y=17\\[0.5em]3x+y=9\end{cases}
と言う連立方程式を考えます。
これを解いていくと最終的に
\[0=6\]
のように誤った等式になります。
このとき、すべての方程式を同時に成り立たせるような$(x,y)$が存在しないので、連立方程式の解はありません。
 似ているもので$x,y$が消えて最終的に
\[0=0\]
のように正しい等式になる場合があります。こうなるのは
\[\left\{\begin{aligned}3x+y&=17\\[0.5em]9x+3y&=51\end{aligned}\right.\]
のように1つの方程式を変形したもので連立方程式をつくった場合です。
例の場合は上の方程式の両辺を3倍したものが下の方程式です。
このとき、一方の方程式を成り立たせるすべての$(x,y)$が連立されている方程式を同時に成り立たせることができるので、連立方程式の解は無数にあります。

Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

Blog Archive

PR

ブログランキング・にほんブログ村へ