「整数NNは55で割ると22余る。このとき次の数を55で割ったときの余りを求めよ。
(1)3N3N
(2)N2N2
(3)N2+3N+1N2+3N+1」このような問題はどのように解けばよいでしょうか?
整数NNは55で割ると22余るということは、言い換えれば整数NNより22小さい数であれば55で割り切れるということです。このときの商をkkとすれば
(a)(a)の式は整数NNは55で割ると商はkk、余りが22である数であることを表しています。
(N−2)÷5=k(N−2)÷5=k
と書くことができ、これを変形すれば
N−2=5kN=5k+2N−2=5kN=5k+2(a)
となります。(a)(a)の式は整数NNは55で割ると商はkk、余りが22である数であることを表しています。
(1)3N3N
(a)(a)の両辺を33倍すると
3N=3(5k+2)=15k+6=15k+5+1=5(3k+1)+13N=3(5k+2)=15k+6=15k+5+1=5(3k+1)+1
のように変形でき、3N3Nを55で割ったときの商は3k+13k+1、余りは11であるとわかります。
ここで、NNを55で割ったときの余り22を33倍したものから3N3Nを55で割ったときの余りを求めていることに着目すると、NNをmm倍したmNmNを55で割ったときの余りを求めるには
mN=m(5k+2)=5mk+2mmN=m(5k+2)=5mk+2m
となることを考えると5mk5mkは55の倍数なので55で割り切れて余りは00になるから、2m2mを55で割ったときの余りがmNmNを55で割ったときの余りとなります。
この性質がわかっていればこのように解くこともできます。
3N3Nを55で割ったときの余りは、NNを55で割ったときの余りを3倍したものを55で割ったときの余りと等しいから
2×3÷5=1 余り12×3÷5=1 余り1
したがって、3N3Nを55で割ったときの余りは11。(2)N2N2
(a)(a)の両辺を2乗すると
N2=(5k+2)2=25k2+20k+4=5(5k2+4k)+4N2=(5k+2)2=25k2+20k+4=5(5k2+4k)+4
のように変形でき、N2N2を5で割ったときの商は5k2+4k5k2+4k、余りは44であるとわかります。
ここで、NNを55で割ったときの余り22を2乗したものからN2N2を55で割ったときの余りを求めていることに着目すると、NNをmm乗したNmNmを55で割ったときの余りを求めるには、二項定理より
Nm=(5k+2)m=(5k)m+m(5k)m−1⋅2+mC2(5k)m−2⋅22+⋯+mCm−2(5k)2⋅2m−2+m⋅5k⋅2m−1+2m=5k{(5k)m−1+m(5k)m−2⋅2+⋯+mCm−2⋅5k⋅2m−2+m⋅2m−1}+2mNm=(5k+2)m=(5k)m+m(5k)m−1⋅2+mC2(5k)m−2⋅22+⋯+mCm−2(5k)2⋅2m−2+m⋅5k⋅2m−1+2m=5k{(5k)m−1+m(5k)m−2⋅2+⋯+mCm−2⋅5k⋅2m−2+m⋅2m−1}+2m
となることを考えると、5k{(5k)m−1+m(5k)m−2⋅2+⋯5k{(5k)m−1+m(5k)m−2⋅2+⋯の項は55の倍数なので55で割り切れて余りは00になるから、2m2mを55で割ったときの余りがNmNmを55で割ったときの余りとなります。
この性質がわかっていればこのように解くこともできます。
N2N2を55で割ったときの余りは、NNを55で割ったときの余りを2乗したものを55で割ったときの余りと等しいから
22÷5=0 余り422÷5=0 余り4
したがって、N2N2を55で割ったときの余りは44。(3)N2+3N+1N2+3N+1
(1)、(2)の辺々を足し、両辺に11を足すと
N2+3N+1={5(5k2+4k)+4}+{5(3k+1)+1}+1=5(5k2+7k+1)+6=5(5k2+7k+1)+5+1=5(5k2+7k+2)+1N2+3N+1={5(5k2+4k)+4}+{5(3k+1)+1}+1=5(5k2+7k+1)+6=5(5k2+7k+1)+5+1=5(5k2+7k+2)+1
と変形でき、N2+3N+1を5で割ったときの商は5k2+7k+2、余りは1であるとわかります。
ここで、N2を5で割ったときの余りと3Nを5で割ったときの余り、1を5で割ったときの余りの和からN2+3N+1を5で割ったときの余りを求めていることに着目すると、M=5l+m、すなわち5で割るとm余る整数Mと整数Nの和M+Nを5で割ったときの余りを求めるには
M+N=(5l+m)+(5k+2)=5(k+l)+(m+2)
となることを考えると、5(k+l)は5の倍数なので5で割り切れて余りが0になるから、m+2を5で割ったときの余りがM+Nを5で割ったときの余りとなります。
この性質がわかっていればこのように解くこともできます。
N2+3N+1を5で割ったときの余りは、N2を5で割ったときの余りと3Nを5で割ったときの余りと1を5で割ったときの余りの和を5で割ったときの余りと等しいから
(1+4+1)÷5=1 余り1
したがって、N2+3N+1を5で割ったときの余りは1であるとわかります。
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