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2022年8月19日

定積分の1/6公式

 定積分には
βα(xα)(xβ)dx=16(βα)3βα(xα)(xβ)dx=16(βα)3
で表される1/6公式というものがあります。

なぜ、これが成り立つのでしょうか?2通りの方法で確かめてみます。


1. 展開して積分

βα(xα)(xβ)dx=βα{x2(α+β)x+αβ}dx=[13x3α+β2x2+αβx]βα=16[2x33(α+β)x2+6αβx]βα=16{2(β3α3)3(α+β)(β2α2)+6αβ(βα)}=16{2(β3α3)3(β3+αβ2α2βα3)+6(αβ2α2β)}=16(β3+3αβ23α2β+α3)=16(β33αβ2+3α2βα3)=16(βα)3βα(xα)(xβ)dx=βα{x2(α+β)x+αβ}dx=[13x3α+β2x2+αβx]βα=16[2x33(α+β)x2+6αβx]βα=16{2(β3α3)3(α+β)(β2α2)+6αβ(βα)}=16{2(β3α3)3(β3+αβ2α2βα3)+6(αβ2α2β)}=16(β3+3αβ23α2β+α3)=16(β33αβ2+3α2βα3)=16(βα)3

2. 部分積分の利用

部分積分の公式
ba{f(x)g(x)}dx=[f(x)g(x)]baba{f(x)g(x)}dxba{f(x)g(x)}dx=[f(x)g(x)]baba{f(x)g(x)}dx
よりg(x)=xβg(x)=xβとするとg(x)=12x2+βx+C (C:)g(x)=12x2+βx+C (C:)なので
βα(xα)(xβ)dx=[(xα)(12x2βx+C)]βαβα(12x2βx+C)dx=12[(xα)(x22βx+2C)]βα[16x312βx2+Cx]βα=12(βα)(β2+2C)16[x(x23βx+6C)]βα=12β2(βα)+C(βα)16{β(2β2+6C)α(α23βα+6C)}=12β3+12β2α+C(βα)+13β3+16α312βα2C(βα)=16β3+12β2α12βα2+16α3=16(β33β2α+3βα2α3)=16(βα)3βα(xα)(xβ)dx=[(xα)(12x2βx+C)]βαβα(12x2βx+C)dx=12[(xα)(x22βx+2C)]βα[16x312βx2+Cx]βα=12(βα)(β2+2C)16[x(x23βx+6C)]βα=12β2(βα)+C(βα)16{β(2β2+6C)α(α23βα+6C)}=12β3+12β2α+C(βα)+13β3+16α312βα2C(βα)=16β3+12β2α12βα2+16α3=16(β33β2α+3βα2α3)=16(βα)3

 x2x2の係数が11の2次関数y=x2+bx+cy=x2+bx+cの因数分解形はy=(xα)(xβ)y=(xα)(xβ)であるため上記の式となりますが、x2x2の係数が00以外の任意の係数aaである2次関数y=ax2+bx+cy=ax2+bx+cの場合は因数分解形がy=a(xα)(xβ)y=a(xα)(xβ)であるため、両辺をaa倍した
aβα(xα)(xβ)dx=a6(βα)3aβα(xα)(xβ)dx=a6(βα)3
となります。
面積を求める場合は少し形が変わる点に注意です。
定積分の値は符号が正負どちらになる場合もあるので、面積SSを求める場合は定積分の絶対値を考えます。
S=|aβα(xα)(xβ)dx|=|a6(βα)3|=|a6(βα)3|(|a|=|a|)=|a6||(βα)3|=|a|6|(βα)3|S=aβα(xα)(xβ)dx=a6(βα)3=a6(βα)3(|a|=|a|)=a6(βα)3=|a|6(βα)3
ここで、面積を求めるときはα<βα<βとなるようにすると、(βα)3(βα)3は必ず正になるので、係数aaのみに絶対値記号が付きます。
したがって、2次関数y=a(xα)(xβ)y=a(xα)(xβ)とx軸に囲まれた部分の面積SS
S=|a|6(βα)3S=|a|6(βα)3
となります。

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