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2022年8月5日

五芒星の各線分の長さ

 五芒星の中にある各線分の長さはどのくらいになるのでしょうか?

 上図のように線分同士の交点にアルファベットを振ります。
そして$AB,BC,CD,DE,EA$を引いて大きな正五角形$ABCDE$をつくり、この正五角形の1辺の長さを$1$として各線分の長さを求めます。

 $△ABE$を利用して線分$BE$の長さを求めます。
正五角形$ABCDE$の1つの内角の大きさは$108°$なので、$△ABE$は頂角が$108°$、等辺の長さが$1$の二等辺三角形です。

余弦定理より
\[BE^2=AB^2+AE^2-2AB\cdot AE\cos∠BAE\]
なので、
\begin{align*}BE^2&=1^2+1^2-2\cdot1\cdot1\cos108°\\ \\ &=2-2\cos108°\end{align*}

ここで、
\begin{align*}\cos108°&=\cos(180°-72°)\\ \\ &=-\cos72°\\ \\ &=-\frac{\sqrt{5}-1}{4}\end{align*}
となるので、
\begin{align*}BE^2&=2+\frac{\sqrt{5}-1}{2}\\ \\ &=\frac{3+\sqrt{5}}{2}\\ \\ BE&=\sqrt{\frac{3+\sqrt{5}}{2}}&(\because BE>0)\\ \\ &=\sqrt{\frac{6+2\sqrt{5}}{4}}\\ \\ &=\sqrt{\frac{(1+\sqrt{5})^2}{2^2}}\\ \\ &=\frac{1+\sqrt{5}}{2}\end{align*}
であるとわかります。
$AD=BE=CA=DB=EC$なので、$AD,CA,DB,EC$の長さでもあります。

関連:sin72°、cos72°、tan72°はどんな数?


 さらにこの線分を交点で分割してそれぞれの長さを調べます。
五芒星の中の等脚台形

四角形$BCDE$に着目すると二等辺三角形$ABE$の底角は$36°$であるから$∠CBE=∠DEB=72°$となります。
また、$∠BCD=∠CDE=108°$であるため四角形$BCDE$は等脚台形であることがわかります。
このことから$BE//CD$であることがわかります。

同様に四角形$ABCD$も等脚台形であるため$AD//BC$であることがわかります。

$BE//CD,AD//BC$より四角形$BCDJ$は平行四辺形であり、対辺が等しいため$CD=BJ=1$となります。

このことから$JE$の長さは$JE=BE-BJ$で求められるので
\begin{align*}JE&=\frac{1+\sqrt{5}}{2}-1\\ \\ &=\frac{\sqrt{5}-1}{2}\end{align*}
となります。

また、四角形$ACDE$が等脚台形であることから$BF=JE$であるとわかり、$FJ$の長さは$FJ=BE-2JE$で求められるので
\begin{align*}FJ&=\frac{1+\sqrt{5}}{2}-2\cdot\frac{\sqrt{5}-1}{2}\\ \\ &=\frac{3-\sqrt{5}}{2}\end{align*}
となります。

五芒星の各線分の長さ
したがって、各線分の長さは上図のようになります。
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