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2022年8月10日

2次方程式が2解を持つ条件

「2次方程式x2+kx+k+3=0が次の条件を満たすときのkを求めよ。

(1)異なる2解を持つ

(2)2解を持つ

(3)2解ともに正」

このような問題はどのように解けばよいでしょうか?

 解を持つ条件を調べるためには判別式を利用します。
2次方程式ax2+bx+c=0の判別式D
D=b24ac
なので、問題の2次方程式の判別式は
D=k24(k+3)=k24k12
となります。

関連:2次方程式の解の公式と判別式

(1)異なる2解を持つ

 2次方程式が異なる2解を持つ条件は判別式の値が正となることなので、
D=k24k12>0(k+2)(k6)>0k<2,6<k
となります。

(2)2解を持つ

 (1)と似ていますがこちらは重解も含みます。
D=k24k120(k+2)(k6)0k2,6k
となります。

 なぜ重解も含むのかを考えてみます。
2次方程式を因数分解して(xA)(xB)=0となったとき、(xA)(xB)0になる条件はx=Aまたはx=Bの2通りになるため解が2つになります。
重解のときの2次方程式の形は(xA)2=0ですが、これは書き換えると(xA)(xA)=0であるから、同様に考えればx=Aまたはx=Aとなり、両者は同じであるものの2通りに分けることができます。
このことから重解であっても2通りの解が出てくる式の形であることは変わらないので、重解も2解を持つものに含まれます。

(3)2解ともに正

 2次方程式の解が2つとも正になる条件はグラフを利用して考えます。
2次方程式ax2+bx+c=0 (a>0)について、f(x)=ax2+bx+cとしてy=f(x)のグラフを考えると2次方程式の解はx軸との共有点のことなので、
a>0のとき2解が正となる条件
上図のようにx軸との共有点が正の部分にあるためには
  • 2解を持つ(1つ以上の共有点を持つ):D0
  • 軸がx軸の正の部分にある:b2a>0
  • f(0)が正:f(0)>0
の3条件を満たしている必要があります。

したがって、問題の場合は

2解を持つ

(2)より
k2,6k(a)

軸がx軸の正の部分にある

b2a=k2>0k<0(b)

f(0)が正

f(0)=02+k0+k+3=k+3>0k>3(c)
となるため、(a)、(b)、(c)より
k≦-2,6≦k、k<0、k>-3
3<k2
となります。

関連:2次方程式の2解が○○である条件

関連:2次方程式の2解が○○である条件(2)

関連:2次方程式の解の公式と判別式

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