「2次方程式
x2+kx+k+3=0が次の条件を満たすときの
kを求めよ。
(1)異なる2解を持つ
(2)2解を持つ
(3)2解ともに正」
解を持つ条件を調べるためには判別式を利用します。
2次方程式ax2+bx+c=0の判別式Dは
D=b2−4ac
なので、問題の2次方程式の判別式は
D=k2−4(k+3)=k2−4k−12
となります。
関連:2次方程式の解の公式と判別式
(1)異なる2解を持つ
2次方程式が異なる2解を持つ条件は判別式の値が正となることなので、
D=k2−4k−12>0(k+2)(k−6)>0k<−2,6<k
となります。
(2)2解を持つ
(1)と似ていますがこちらは重解も含みます。
D=k2−4k−12≧0(k+2)(k−6)≧0k≦−2,6≦k
となります。
なぜ重解も含むのかを考えてみます。
2次方程式を因数分解して(x−A)(x−B)=0となったとき、(x−A)(x−B)が0になる条件はx=Aまたはx=Bの2通りになるため解が2つになります。
重解のときの2次方程式の形は(x−A)2=0ですが、これは書き換えると(x−A)(x−A)=0であるから、同様に考えればx=Aまたはx=Aとなり、両者は同じであるものの2通りに分けることができます。
このことから重解であっても2通りの解が出てくる式の形であることは変わらないので、重解も2解を持つものに含まれます。
(3)2解ともに正
2次方程式の解が2つとも正になる条件はグラフを利用して考えます。
2次方程式ax2+bx+c=0 (a>0)について、f(x)=ax2+bx+cとしてy=f(x)のグラフを考えると2次方程式の解はx軸との共有点のことなので、
上図のようにx軸との共有点が正の部分にあるためには
- 2解を持つ(1つ以上の共有点を持つ):D≧0
- 軸がx軸の正の部分にある:−b2a>0
- f(0)が正:f(0)>0
の3条件を満たしている必要があります。
したがって、問題の場合は
2解を持つ
(2)より
k≦−2,6≦k⋯(a)
軸がx軸の正の部分にある
−b2a=−k2>0k<0⋯(b)
f(0)が正
f(0)=02+k⋅0+k+3=k+3>0k>−3⋯(c)
となるため、(a)、(b)、(c)より
となります。
関連:2次方程式の2解が○○である条件
関連:2次方程式の2解が○○である条件(2)
関連:2次方程式の解の公式と判別式