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2023年2月27日

整数係数の3次方程式の有理数解の候補

 整数係数の3次方程式ax3+bx2+cx+d=0 (a,b,c,d:,a0)ax3+bx2+cx+d=0 (a,b,c,d:,a0)の有理数解の候補は
()=± (d) (a)()=± (d) (a)
となります。
なぜこの式によって有理数解の候補を挙げることができるのでしょうか?

 整数係数の3次方程式ax3+bx2+cx+d=0ax3+bx2+cx+d=0が有理数解x=nm (n,m:)x=nm (n,m:)を持つと考えると
a(nm)3+b(nm)2+cnm+d=0
が成り立つので
an3m3+bn2m2+cnm+d=0bn2m2+cnm+d=an3m3bmn2+cm2n+dm3=an3m(bmn2+cmn+dm2)=an3
と変形できます。
ここで左辺はmの倍数であること、mnが互いに素だからmn3も互いに素であることから、amの倍数であるということになります。これは見方を変えればmaの約数ということです。
また、
an3m3+bn2m2+cnm+d=0an3m3+bn2m2+cnm=dan3+bmn2+cm2n=dm3n(an2+bmn+cm2)=dm3
と変形することもできます。
ここで左辺はnの倍数であること、mnが互いに素だからm3nも互いに素であることから、dnの倍数であるということになります。これはndの約数ということです。

 以上より有理数解x=nm
nm=± (d) (a)
を満たすことがわかります。
有理数解に正負両方の場合があるのは、a,dの約数は正の約数だけでなく負の約数も含むためです。
a,dの約数が互いに異符号であるとき有理数解は負に、同符号であるとき有理数解は正となります。


外部リンク:有理根定理 - Wikipedia

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