整数係数の3次方程式ax^3+bx^2+cx+d=0\
(a,b,c,d:整数,a\neq0)の有理数解の候補は
(有理数解)=\pm\frac{\ (dの約数)\quad}{\ (aの約数)\quad}
となります。
なぜこの式によって有理数解の候補を挙げることができるのでしょうか?
整数係数の3次方程式ax^3+bx^2+cx+d=0が有理数解x=\dfrac{n}{m}\
(n,m:互いに素な整数)を持つと考えると
\begin{equation}a\left(\frac{n}{m}\right)^3+b\left(\frac{n}{m}\right)^2+c\cdot\frac{n}{m}+d=0\end{equation}
が成り立つので
\begin{align*}a\cdot\frac{n^3}{m^3}+b\cdot\frac{n^2}{m^2}+c\cdot\frac{n}{m}+d&=0\\[0.5em]b\cdot\frac{n^2}{m^2}+c\cdot\frac{n}{m}+d&=-a\cdot\frac{n^3}{m^3}\\[0.5em]bmn^2+cm^2n+dm^3&=an^3\\[0.5em]m(bmn^2+cmn+dm^2)&=an^3\end{align*}
と変形できます。
ここで左辺はmの倍数であること、mとnが互いに素だからmとn^3も互いに素であることから、aはmの倍数であるということになります。これは見方を変えればmはaの約数ということです。
また、
ここで左辺はnの倍数であること、mとnが互いに素だからm^3とnも互いに素であることから、dはnの倍数であるということになります。これはnはdの約数ということです。
\begin{align*}a\cdot\frac{n^3}{m^3}+b\cdot\frac{n^2}{m^2}+c\cdot\frac{n}{m}+d&=0\\[0.5em]a\cdot\frac{n^3}{m^3}+b\cdot\frac{n^2}{m^2}+c\cdot\frac{n}{m}&=-d\\[0.5em]an^3+bmn^2+cm^2n&=-dm^3\\[0.5em]n(an^2+bmn+cm^2)&=-dm^3\end{align*}
と変形することもできます。ここで左辺はnの倍数であること、mとnが互いに素だからm^3とnも互いに素であることから、dはnの倍数であるということになります。これはnはdの約数ということです。
以上より有理数解x=\dfrac{n}{m}は
\frac{n}{m}=\pm\frac{\
(dの約数)\quad}{\ (aの約数)\quad}
を満たすことがわかります。
有理数解に正負両方の場合があるのは、a,dの約数は正の約数だけでなく負の約数も含むためです。
a,dの約数が互いに異符号であるとき有理数解は負に、同符号であるとき有理数解は正となります。
外部リンク:有理根定理 - Wikipedia
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