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2023年2月19日

三角形と台形の中点連結定理

三角形の中点連結定理
 中点連結定理とは、上図のようにABCの2辺AB, ACの中点をそれぞれM, Nとすると
BC//MN, BC=2MN
が成り立つという定理です。

なぜこれが成り立つのでしょうか?確かめてみます。


三角形の中点連結定理 導出
 ABCと合同なA'B'C'をつくり、辺A'B'の中点をM'、辺A'C'の中点をN'とします。
A'B'C'180°回転させ、辺ABと辺A'B'を重ねて四角形ACBCをつくります。
このときAM=BM=A'M'=B'M'なので点MM'は重なり、3点M, N, N'は同一直線上にあります。MN=M'N'より
(1)NN'=2MN
が成り立ちます。
また、このように合同な三角形2つを組み合わせてできる四角形は平行四辺形なので、四角形AC'BCは平行四辺形です。このことから
(2)AC//BC'
であることがわかります。
ここで四角形BCNN'に着目すると、(2)CN=BN'より1組の対辺が平行、かつ長さが等しいことから平行四辺形であることがわかります。このことから
(3)BC//NN', BC=NN'
です。

したがって、(1),(3)よりBC//MN, BC=2MNであることがわかり、中点連結定理が成り立つことがわかります。


台形の中点連結定理

 台形にも中点連結定理があります。
台形の中点連結定理
上図のようにAB//CDである台形ABCDAD, BCの中点をそれぞれM, Nとすると
AB//MN//CD, MN=AB+CD2
が成り立ちます。

こちらも成り立つことを確かめてみます。

台形の中点連結定理 導出1
 台形ABCDに半直線ANを引き、CDの延長との交点をEとします。

ABNECNに着目します。
NBCの中点なのでBN=CNです。
AB//CDより錯角は等しいのでABN=ECNです。
対頂角なのでANB=ENCです。
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいのでABNECNは合同であり、AN=EN, AB=CEであることがわかります。

台形の中点連結定理 導出2
 次にABEに着目するとM, NはそれぞれAD, AEの中点となるので、三角形の中点連結定理よりDE//MN, MN=12DEが成り立つことがわかります。
AB//CDかつDE//MNよりAB//MN//CDとなります。
AB=CEよりDE=CD+CE=AB+CDなので、
MN=12DE=12(AB+CD)=AB+CD2
となります。
したがって、台形の中点連結定理が成り立つことがわかります。

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