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2023年2月6日

相似な三角形の面積比はなぜ相似比の2乗となるのか?

相似な三角形の面積比は相似比の2乗
 相似な三角形の相似比が$m:n$のとき、面積比は相似比の2乗の$m^2:n^2$となります。

相似比と面積比の関係はなぜこのようになるのでしょうか?


△ABHと△DEH'は相似
 相似な$△\text{ABC}$と$△\text{DEF}$について考えます。
相似比は
\begin{equation}\text{AB}:\text{DE}=\text{BC}:\text{EF}=\text{CA}:\text{FD}= m:n\end{equation}
であるとします。
頂点$\text{A}, \text{D}$からそれぞれ対辺$\text{BC}, \text{EF}$へ垂線を下ろし、その足を$\text{H}, \text{H'}$とします。
$△\text{ABH}$と$△\text{DEH'}$に着目すると
  • $△\text{ABC}$と$△\text{DEF}$は相似なので$∠\text{ABH}=∠\text{DEH'}$
  • $\text{AH}\perp \text{BH}, \text{DH'}\perp \text{EH'}$より$∠\text{AHB}=∠\text{DH'E}=90°$
2組の角がそれぞれ等しいので$△\text{ABH}$と$△\text{DEH'}$は相似であることがわかります。
相似比は$(1)$の$\text{AB}:\text{DE}=m:n$より
\[\text{AB}:\text{DE}=\text{AH}:\text{DH'}=\text{BH}:\text{EH'}= m:n\]
です。
ここで、$\text{AH}:\text{DH'}= m:n$に着目します。
$△\text{ABC}$の辺$\text{BC}$と$△\text{DEF}$の辺$\text{EF}$を底辺とすると、線分$\text{AH}, \text{DH'}$はそれぞれの三角形の高さとなります。
したがって、相似な三角形の対応する辺を底辺とみると高さの関係も相似比に等しくなることがわかります。
また、$\text{AH}:\text{DH'}=\text{BH}:\text{EH'}= m:n$に着目すると
\begin{align*}\text{AH}:\text{DH'}&= m:n\\[0.5em]m \text{DH'}&=n \text{AH}\\[0.5em]\text{DH'}&=\frac{n}{m}\text{AH}\tag1\\[1em]\text{BH}:\text{EH'}&= m:n\\[0.5em]m \text{EH'}&=n \text{BH}\\[0.5em]\text{EH'}&=\frac{n}{m}\text{BH}\tag2\end{align*}
となります。
したがって、それぞれの三角形の面積は
\begin{align*}△\text{ABC}&=\frac{1}{2}\text{BC}\cdot \text{AH}\\[1em]△\text{DEF}&=\frac{1}{2}\text{EF}\cdot \text{DH'}\\[0.5em]&=\frac{1}{2}\cdot\frac{n}{m}\text{BC}\cdot\frac{n}{m}\text{AH}&\bigl(\because(1), (2)\bigr)\\[0.5em]&=\frac{n^2}{m^2}\cdot\frac{1}{2}\text{BC}\cdot \text{AH}\end{align*}
となるので、面積比は
\begin{align*}△\text{ABC}:△\text{DEF}&=\left(\frac{1}{2}\text{BC}\cdot \text{AH}\right):\left(\frac{n^2}{m^2}\cdot\frac{1}{2}\text{BC}\cdot \text{AH}\right)\\[0.5em]&=1:\frac{n^2}{m^2}\\[0.5em]&=m^2:n^2\end{align*}
となり、相似比の2乗となることがわかります。

 ちなみに、他の相似な多角形についても、対角線によっていくつかの三角形に分割することで面積比が相似比の2乗となることを説明できます。
相似な多角形を同じように対角線で分割する 六角形の場合
 相似な2つの多角形$A, B$をそれぞれ対角線によって同じように分割し、三角形$A_1, A_2, A_3\cdots$と$B_1, B_2, B_3\cdots$をつくると、対応する三角形$A_k$と$B_k$は相似となります。

多角形の相似比が$m:n$のとき、三角形$A_k, B_k$の相似比も$m:n$となるため、三角形$A_k, B_k$の面積比は$m^2:n^2$となります。

ここで、面積比が$m^2:n^2$となるということは、三角形$A_k, B_k$の面積はそれぞれある正の数$p$をもちいて$pm^2, pn^2$と表せるということです。
すると、多角形$A, B$の面積はそれぞれ、上記のように分割してできた各三角形の面積を表すのに適切な正の数$α, β, γ,\cdots$をもちいて
\begin{align*}A&=A_1+A_2+A_3+\cdots\\[0.5em]&=\alpha m^2+\beta m^2+\gamma m^2+\cdots\\[0.5em]&=(\alpha+\beta+\gamma+\cdots)m^2\\[1em]B&=B_1+B_2+B_3+\cdots\\[0.5em]&=\alpha n^2+\beta n^2+\gamma n^2+\cdots\\[0.5em]&=(\alpha+\beta+\gamma+\cdots)n^2\end{align*}
となるため、面積比は
\begin{align*}A:B&=(\alpha+\beta+\gamma+\cdots)m^2:(\alpha+\beta+\gamma+\cdots)n^2\\[0.5em]\therefore A:B&=m^2:n^2\end{align*}
となり、相似比の2乗となることがわかります。
多角形以外の図形(閉曲線で囲まれた図形)についても、円の面積を考えるときと同様に無数の三角形に分割して近似するという方法をもちいることによって相似な図形の面積比は相似比の2乗となることがわかります。

(2026/1)内容を修正・加筆しました。

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