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2023年2月18日

並列接続された抵抗全体の抵抗値の計算 (分数と逆数)

「上図の並列接続された抵抗に電源を接続したときの回路全体の抵抗値を求めよ。」

このような問題を解くには分数の計算が必須です。どのように計算をすればよいのでしょうか?


 並列接続された抵抗の全体の抵抗値は各分岐先の抵抗値の逆数和となります。
これをもとに計算することになります。

(1)

 並列接続された抵抗の抵抗値はそれぞれ$12[\mathrm{\Omega}],15[\mathrm{\Omega}]$なので、全体の抵抗値$R$は
\[\frac{1}{R}=\frac{1}{12}+\frac{1}{15}\]
で求められます。

この分数を計算するには、まず通分して分母を揃える必要があります。
通分するには分母の最小公倍数を求めます。分母の$12$と$15$の最小公倍数は$60$です。なので、分母が$60$になるように分数を変形します。
$\dfrac{1}{12}$の分母を$60$にするには5倍する必要があるので、分母と分子を5倍します。
$\dfrac{1}{15}$の分母を$60$にするには4倍する必要があるので、分母と分子を4倍します。

\begin{align*}\frac{1}{R}&=\frac{1\times5}{12\times5}+\frac{1\times4}{15\times4}\\ \\ &=\frac{5}{60}+\frac{4}{60}\\ \\ &=\frac{9}{60}\end{align*}
約分も忘れずにやっておきます。約分とは分母と分子の最大公約数でそれぞれを割って、より簡単な分数に直すことです。$9$と$60$の最大公約数は$3$なので、
\begin{align*}\frac{1}{R}&=\frac{9\div3}{60\div3}\\ \\ &=\frac{3}{20}\end{align*}
となります。
求める抵抗値はこの逆数なので、分母と分子を入れ替え、両辺の逆数をとると
\[R=\frac{20}{3}[\mathrm{\Omega}]\]
となります。
抵抗値を四捨五入して小数3桁で表してみると
\[\frac{20}{3}=6.666\cdots\fallingdotseq6.67[\mathrm{\Omega}]\]
となります。

(2)

 $(1)$と同様に解きます。

並列接続された抵抗はそれぞれ$3[\mathrm{\Omega}],5[\mathrm{\Omega}],7[\mathrm{\Omega}]$なので、全体の抵抗値は
\[\frac{1}{R}=\frac{1}{3}+\frac{1}{5}+\frac{1}{7}\]
で求められます。

$3,5,7$の最小公倍数は$3,5,7$を掛け合わせた$105$なので、通分すると
\begin{align*}\frac{1}{R}&=\frac{1\times5\times7}{3\times5\times7}+\frac{1\times3\times7}{3\times5\times7}+\frac{1\times3\times5}{3\times5\times7}\\ \\ &=\frac{35}{105}+\frac{21}{105}+\frac{15}{105}\\ \\ &=\frac{71}{105}\end{align*}
$71$と$105$の最大公約数は$1$なので約分する必要はありません。

両辺の逆数をとると、求める抵抗値は
\[R=\frac{105}{71}[\mathrm{\Omega}]\]
となります。
抵抗値を四捨五入して小数3桁で表してみると
\[\frac{105}{71}=1.478\cdots\fallingdotseq1.48[\mathrm{\Omega}]\]
となります。

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