正負の数の足し算において
\begin{align*}a+(-b)&=a-b\\[1em]a-(-b)&=a+b\end{align*}
が成り立ちます。
なぜこれらが成り立つのでしょうか?「正負の数の足し算・引き算を数直線で考える」と同様に主線と補助線の2本の数直線をもちいて確かめてみます。
$a+(-b)=a-b$
まずは$a-b$(ただし、$b\geqq0$)を数直線をもちいて考えます。
この数は$a$より負の方向にあるため$a$より小さい数であり、$b$は$0$より$|b|$だけ大きい数のことなので、補助線上の$b$と重なる主線上の数は$a$から$|b|$だけ離れています。
すなわち、このときの補助線上の$b$と重なる主線上の数は$a$より$|b|$だけ小さい数を表すので
\[a-b=a-|b|\]
と書けます。
次に、$a+(-b)$(ただし、$b\geqq0$)が表す数は主線上の$a$と補助線上の$0$を数直線の向きを揃えて重ね、補助線上の$-b$と重なる主線上の数となります。
この数は$a$より負の方向にあるため$a$より小さい数であり、$-b$は$0$より$|b|$だけ小さい数のことなので、補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$から$|b|$だけ離れています。
すなわち、このときの補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$より$|b|$だけ小さい数を表すので
この数は$a$より負の方向にあるため$a$より小さい数であり、$-b$は$0$より$|b|$だけ小さい数のことなので、補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$から$|b|$だけ離れています。
すなわち、このときの補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$より$|b|$だけ小さい数を表すので
\[a+(-b)=a-|b|\]
と書けることがわかります。
以上より$b\geqq0$のとき
\[a+(-b)=a-b\]
が成り立つことがわかります。
したがって、$a,b$がどのような数である場合においても
\[\large a+(-b)=a-b\]
が成り立つことがわかります。
$a-(-b)=a+b$
この数は$a$より正の方向にあるため$a$より大きい数であり、$b$は$0$より$|b|$だけ大きい数のことなので、補助線上の$b$と重なる主線上の数は$a$から$|b|$だけ離れています。
すなわち、このときの補助線上の$b$と重なる主線上の数は$a$より$|b|$だけ大きい数を表すので
\[a+b=a+|b|\]
と書けます。
次に、$a-(-b)$(ただし、$b\geqq0$)が表す数は主線上の$a$と補助線上の$0$を数直線の向きを互いに逆向きにして重ね、補助線上の$-b$と重なる主線上の数となります。
この数は$a$より正の方向にあるため$a$より大きい数であり、$-b$は$0$より$|b|$だけ小さい数のことなので、補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$から$|b|$だけ離れています。
すなわち、このときの補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$より$|b|$だけ大きい数を表すので
この数は$a$より正の方向にあるため$a$より大きい数であり、$-b$は$0$より$|b|$だけ小さい数のことなので、補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$から$|b|$だけ離れています。
すなわち、このときの補助線上の$-b$と重なる主線上の数は$a$より$|b|$だけ大きい数を表すので
\[a-(-b)=a+|b|\]
と書けることがわかります。
以上より$b\geqq0$のとき
\[a-(-b)=a+b\]
が成り立つことがわかります。
したがって、$a,b$がどのような数である場合においても
\[\large a-(-b)=a+b\]
が成り立つことがわかります。
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