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2024年6月19日

直線と平面が垂直であるとは?

直線lが平面αとの交点を通る平面α上のどの直線と垂直に交わっていれば直線lと平面αは垂直
 直線$l$と平面$α$が垂直であるとは、直線$l$と平面$α$が交わっていて、かつその交点を通る平面$α$上の直線がすべて直線$l$と垂直に交わっていることをいいます。

ですが、直線$l$と平面$α$が垂直であることは、平面$α$上の2本の直線が直線$l$と垂直に交わっていることがわかれば示すことができます。
平面上の2本の直線と垂直に交わる直線は平面とも垂直
これは以下のような方法で示すことができます。
直線m上にOA=OBとなるように点A, Bを、直線n上にOC=ODとなるように点C, Dをとる
 直線$l$は平面$α$上の平行でない2直線$m,n$とそれぞれ$m,n$の交点$O$で垂直に交わっているものとします。
直線$m$上に$OA=OB$となるように2点$A,B$を、直線$n$上に$OC=OD$となるように2点$C,D$をとります。
$△OAC$と$△OBD$に着目すると、
  • 仮定より$OA=OB$
  • 同様に仮定より$OC=OD$
  • 対頂角は大きさが等しいので$∠AOC=∠BOD$
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから$∠OAC=∠OBD$であり、これらは錯角なので$AC//BD$です。…①
また、$AC=BD$です。…②
直線l上に点Pをとる
 直線$l$上に点$O$以外の点$P$をとります。
$△POA$と$△POB$に着目すると
  • 仮定より$OA=OB$
  • 同様に仮定より$OP\perp AB$であり、すなわち$∠POA=∠POB=90°$
  • 共通の辺なので$OP=OP$
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから$PA=PB$です。…③
同様にして$△POC≡△POD$であることがわかり、$PC=PD$です。…④
今度は$△PAC$と$△PBD$に着目すると、②、③、④より3組の辺がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから$∠PAC=∠PBD$です。…⑤
点Oを通る平面α上の直線xを引く
 ここで、点$O$を通る$m,n$以外の平面$α$上の直線$x$を引くと、これは$AC$と$BD$、または$AD$と$BC$のいずれかと交わることになります。
まずは直線$x$が$AC,BD$と交わる場合を考え、それぞれの交点を$E,F$とします。
$△OAE$と$△OBF$に着目すると
  • 仮定より$OA=OB$
  • ①より$∠OAC=∠OBD$、すなわち$∠OAE=∠OBF$
  • また、①より錯角は等しいので$∠OEA=∠OFB$
1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから$AE=BF$…⑥、
$OE=OF$です。…⑦
今度は$△PAE$と$△PBF$に着目すると
  • ③より$PA=PB$
  • ⑤より$∠PAC=∠PBD$、すなわち$∠PAE=∠PBF$
  • ⑥より$AE=BF$
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから$PE=PF$です。…⑧
最後に$△POE$と$△POF$に着目すると
  • ⑦より$OE=OF$
  • ⑧より$PE=PF$
  • 共通の辺なので$OP=OP$
3組の辺がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから$∠POE=∠POF$です。
ところで、$∠EOF=180°$かつ$∠EOF=∠POE+∠POF$です。
したがって、$∠POE=∠POF=90°$となります。
直線$x$が$AD,BC$と交わる場合でも$△OAD≡△OBC$を示すところから同様の方法で$∠POE=∠POF=90°$を導くことができます。
直線$x$は直線$l$と交わる平面$α$上の直線$m,n$以外の任意の直線なので、上で導かれたことは「直線$l$が平面$α$上の2直線と垂直に交わっているとき、直線$l$は平面$α$上のどの交わる直線とも垂直である」ということを意味します。
すなわち、上記の直線と平面の垂直の定義を満たしているということなので、直線$l$と平面$α$は垂直であることがわかります。

以上のことから直線$l$と平面$α$が垂直であることは、直線$l$と平面$α$が交わっていて、かつその交点を通る平面$α$上の異なる2本の直線がそれぞれ直線$l$と垂直に交わっていることともいうことができます。


直線lと垂直な平面α上の直線はすべて直線lに垂直
 直線$l$と平面$α$との交点を通らない平面$α$上の任意の直線は交点を通る平面$α$上の直線の1つを平行移動したものであるといえます。
このことから、直線$l$に垂直な平面$α$上の任意の直線もまた直線$l$に垂直であるといえ、平面$α$上の平行でない2本の直線が平面$α$上にない直線$l$と垂直であるとき、直線$l$と平面$α$は垂直であるといえます。

さらに、同一平面上になく交わることのない2本の直線の位置関係をねじれの位置にあるというため、直線$l$と平面$α$との交点を通らない平面$α$上の任意の直線は直線$l$に垂直であると同時に直線$l$とねじれの位置にあるともいえます。


直線lに垂直な直線が直線lを軸として回転してできる平面は直線lに垂直
 直線$l$と平面$α$との交点を通る平面$α$上の直線というのは互いに交点を中心に回転移動した直線であるといえます。
このことから、直線$l$に垂直な平面$α$は直線$l$に直交する直線を直線$l$を軸として回転させたときにできる平面であるといえます。
(2025/2)内容を修正しました。
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