横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2024年6月14日

2次方程式を解く①(平方根として求める)

 2次方程式の解を平方根として求めることができます。


 ある数$A$を2乗して数$B$となる、すなわち$A^2=B$という式が成り立つとき、$B$からみて$A$は$B$の平方根となります。
2次方程式は上記の$A^2=B$のように何らかの数$A$の2乗と定数$B$を等号で結んだ形に変形することができるので、$B$に着目して$B$の平方根という形で$A$を導き出します。
 例えば、2次方程式
\[\large x^2=4\]
の場合、$x^2$が何らかの数$A$の2乗、$4$が定数$B$にあたります。
このことから$x$は$4$の平方根であり、それが$x^2=4$の解となります。
$4$の平方根は$-2$と$2$なので、解は
\[x=-2,2\]
あるいは複号をもちいた書き方で
\[x=\pm2\]
となります。
$x=-2,2$も$x=\pm2$も「(方程式を成り立たせる)$x$の値は$-2$と$2$である」という意味です。$-2$と$2$それぞれに$x=$をつけて書く場合は
\[x=-2またはx=2\]
となります。なぜなら、2次方程式$x^2=4$が成り立つのは$x$に$-2$か$2$のどちらか一方の値を代入したときだからです。
 2次方程式の解を平方根として求めるので$\sqrt{\ }$が現れる場合もあります。
例えば、2次方程式
\[\large 2x^2-36=0\]
を解くには、移項して
\[2x^2=36\]
とし、さらに両辺を$2$で割って
\[x^2=18\]
のように左辺に$x^2$、右辺に定数項がある形にすると、解は$18$の平方根となることがわかります。
$18$の平方根は$-\sqrt{18}$と$\sqrt{18}$なので、解は
\[x=\pm\sqrt{18}\]
ですが、$18=2×3^2$より$\sqrt{18}=3\sqrt{2}$とより小さい数をもちいた簡単な書き方があるので、解は
\[x=\pm3\sqrt{2}\]
と書くようにします。

\[\large x^2+4x-6=0\]
のように1次の項が含まれる2次方程式の場合は平方完成を利用します。
$x^2+4x-6$を平方完成すると
\begin{align*}x^2+4x-6&=(x^2+4x)-6\\[0.5em]&=\bigl\{(x^2+4x+4)-4\bigr\}-6\\[0.5em]&=\bigl\{(x+2)^2-4\bigr\}-6\\[0.5em]&=(x+2)^2-10\end{align*}
となるので、2次方程式は
\[(x+2)^2-10=0\]
と書けます。さらに移項すれば
\[(x+2)^2=10\]
となります。
この式より、何らかの数$A$にあたるのは$x+2$で、これは定数$B$にあたる$10$の平方根であることがわかります。
$10$の平方根が$-\sqrt{10}$と$\sqrt{10}$であることより
\[x+2=\pm\sqrt{10}\]
と書けます。これを$x$について解けば
\[x=-2\pm\sqrt{10}\]
となります。これは他の書き方で
\[x=-2-\sqrt{10},-2+\sqrt{10}\]
\[x=-2-\sqrt{10}またはx=-2+\sqrt{10}\]
とも書けます。
 2次方程式の解を平方根として求めるとき、$x^2=0$や$(x-3)^2=0$のように何らかの数$A$に当たるものが$0$の平方根となる場合があります。この場合の2次方程式の解はただ1つとなり、この解のことを重解といいます。

 任意の2次方程式$ax^2+bx+c=0$($a,b,c:$定数、$a\neq0$)をこの方法で解くと
\begin{align*}ax^2+bx+c&=0\\[0.5em]x^2+\frac{b}{a}x+\frac{c}{a}&=0\\[0.5em]\left(x^2+\frac{b}{a}x\right)+\frac{c}{a}&=0\\[0.5em]\left[\left\{x^2+\frac{b}{a}x+\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right\}-\left(\frac{b}{2a}\right)^2\right]+\frac{c}{a}&=0\\[0.5em]\left\{\left(x^2+\frac{b}{a}x+\frac{b^2}{4a^2}\right)-\frac{b^2}{4a^2}\right\}+\frac{c}{a}&=0\\[0.5em]\left(x^2+\frac{b}{a}x+\frac{b^2}{4a^2}\right)-\frac{b^2}{4a^2}+\frac{c}{a}&=0\\[0.5em]\left(x^2+\frac{b}{a}x+\frac{b^2}{4a^2}\right)-\frac{b^2-4ac}{4a^2}&=0\\[0.5em]\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2-\frac{b^2-4ac}{4a^2}&=0\\[0.5em]\left(x+\frac{b}{2a}\right)^2&=\frac{b^2-4ac}{4a^2}\\[0.5em]x+\frac{b}{2a}&=\pm\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\[0.5em]x&=-\frac{b}{2a}\pm\frac{\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\\[0.5em]x&=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align*}
となり、これが2次方程式の解の公式となります。

Share:
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

PR