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2024年6月27日

球の中心からどのくらい離れた平面で切断すれば球の1/4の体積の立体を切り取れるか?

 球を平面で2つの立体に切断して、そのうちの1つの立体の体積が球の体積の\dfrac{1}{4}となるとき、切断する平面は球の中心からどのくらい離れた位置にあるでしょうか?


 これを求めるには回転体の体積を利用します。
回転させて中心原点、半径1の球をつくる
中心が原点で半径1の円x^2+y^2=1y\geqq0の範囲にある部分を表す関数はy=\sqrt{1-x^2}です。
これのグラフとx軸で囲まれた部分をx軸を回転軸として1回転させてできるのが中心が原点で半径1の球であり、これの体積は
\pi\int^1_{-1}\bigl(\sqrt{1-x^2}\bigr)^2dx=\pi\int^1_{-1}1-x^2dx
より求められます。積分区間が-1\leqq x\leqq1なのは、それがy=\sqrt{1-x^2}の定義域であるためです。これはこの球が座標空間においてx軸に垂直な(-1,0)を含む平面(平面方程式x=-1)とx軸に垂直な(1,0)を含む平面x=1の間に存在するともいえます。
この球の体積を求めてみると
\begin{align*}\pi\int^1_{-1}1-x^2dx&=\pi\left[x-\frac{1}{3}x^3\right]^1_{-1}\\[0.5em]&=\pi\left[\left(1-\frac{1}{3}\right)-\left\{-1-\frac{(-1)^3}{3}\right\}\right]\\[0.5em]&=\pi\left\{\frac{2}{3}-\left(-\frac{2}{3}\right)\right\}\\[0.5em]&=\frac{4}{3}\pi\end{align*}
となります。
中心原点、半径1の球のx=-1からx=tの間の体積
 球をx軸に垂直な(t,0)を含む平面x=t(ただし、-1<t<1)で切断したx\leqq tの範囲にある立体の体積は
\pi\int^t_{-1}1-x^2dx
と表すことができます。これが球の\dfrac{1}{4}の体積、すなわち\dfrac{\pi}{3}となるときのtを求めてみます。
条件より
\begin{align*}\pi\int^t_{-1}1-x^2dx&=\frac{\pi}{3}\\[0.5em]\int^t_{-1}1-x^2dx&=\frac{1}{3}\\[0.5em]\left[x-\frac{1}{3}x^3\right]^t_{-1}&=\frac{1}{3}\\[0.5em]\left(t-\frac{1}{3}t^3\right)-\left(-\frac{2}{3}\right)&=\frac{1}{3}\\[0.5em]t-\frac{1}{3}t^3&=-\frac{1}{3}\\[0.5em]3t-t^3&=-1\\[0.5em]t^3-3t-1&=0\end{align*}
この3次方程式を解けばtが求まりますが、有理数解がないのでニュートン法をもちいて近似解を求めます。
 ニュートン法とは、曲線の接線のx切片を利用して近似解を求める方法です。これを利用するには曲線の方程式とその導関数と接線のx切片を求める式が必要となります。
3次方程式t^3-3t-1=0を解く際にもちいる曲線の方程式はy=f(x)=x^3-3x-1で、これの導関数はf'(x)=3x^2-3です。
x=x_nにおける曲線の接線の方程式はy=f'(x_n)\bigl(x-x_n\bigr)+f(x_n)で、これのx切片、すなわちx軸との交点(x_{n+1},0)x_{n+1}を求める式は
\begin{align*}0&=f'(x_n)\bigl(x_{n+1}-x_n\bigr)+f(x_n)\\[0.5em]&=x_{n+1}f'(x_n)-x_nf'(x_n)+f(x_n)\\[0.5em]x_{n+1}f'(x_n)&=x_nf'(x_n)-f(x_n)\\[0.5em]x_{n+1}&=x_n-\frac{f(x_n)}{f'(x_n)}\end{align*}
となります。右辺をx_nだけをもちいて表した場合は
\begin{align*}x_{n+1}&=x_n-\frac{{x_n}^3-3x_n-1}{3{x_n}^2-3}\\[0.5em]&=\frac{(3{x_n}^3-3x_n)-({x_n}^3-3x_n-1)}{3{x_n}^2-3}\\[0.5em]\therefore x_{n+1}&=\frac{2{x_n}^3+1}{3{x_n}^2-3}\end{align*}
となります。
-1<t<1より求めたい解の存在範囲も-1<x<1となります。x=0付近を調べるため最初の接点のx座標x_00とします。
これらをもちいて表計算ソフトで計算します。
セルへの入力例は下図のようになります。(残りのセルは上のセルからオートフィル機能で埋めます。)
ニュートン法のセル入力例
計算結果は下図となります。
中心原点、半径1の球のx=-1からx=tの間の体積が球の1/4となるときのtをニュートン法で求める
x_{n+1}の収束値-0.3472963553が3次方程式t^3-3t-1=0の近似解の1つです。これは解の存在範囲-1<t<1も満たしています。
他に実数解がないか求めてみます。(以降、-0.3472963553を3次方程式t^3-3t-1=0の真の解として扱います。)
他の2解をそれぞれα,β(ただし、α<β)とすると、3次方程式の係数と解の関係より
\begin{align*}-0.3472963553+\alpha+\beta&=0\tag1\\[0.5em]-0.3472963553\alpha\beta&=1\tag2\end{align*}
(1)より
\beta=0.3472963553-\alpha\tag3
これを(2)に代入して
\begin{align*}-0.3472963553\alpha(0.3472963553-\alpha)&=1\\[0.5em]-(0.3472963553)^2\alpha+0.3472963553\alpha^2&=1\\[0.5em]0.3472963553\alpha^2-(0.3472963553)^2\alpha-1=0\\[0.5em]\alpha^2-0.3472963553\alpha-\frac{1}{0.3472963553}&=0\end{align*}
となるので、解の公式より
\begin{align*}\alpha&=\frac{0.3472963553\pm\sqrt{(-0.3472963553)^2-4\left(-\frac{1}{0.3472963553}\right)}}{2}\\[0.5em]&≒-1.532088886,1.879385242\end{align*}
(3)α<βであることより
\alpha≒-1.532088886,\beta≒1.879385242
と求められます。これらはニュートン法でも求めることができます。
3次方程式x^3-3t-1=0の最大と最小の解をニュートン法で求める
これらは解の存在範囲-1<t<1の外にあるので、球を切断する平面x=tとして適しません。
 以上より、中心が原点で半径1の球から球の\dfrac{1}{4}の体積を切り取る平面はx=-0.3472963553であり、球の中心からの距離は0.3472963553であることがわかります。
また、球を平面x=-0.3472963553で切断したときの断面の円の直径dは、円x^2+y^2=1x=-0.3472963553における2点間の距離に等しいので、
\begin{align*}(-0.3472963553)^2+y^2&=1\\[0.5em]y^2&=1-(-0.3472963553)^2\\[0.5em]y&=\pm\sqrt{1-(-0.3472963553)^2}\end{align*}
より
\begin{align*}d&=\sqrt{1-(-0.3472963553)^2}-\bigl(-\sqrt{1-(-0.3472963553)^2}\bigr)\\[0.5em]&=2\sqrt{1-(-0.3472963553)^2}\\[0.5em]&≒1.875510855\end{align*}
と求められます。
これらを図示したものが以下のものとなります。
球の1/4の体積を切り取る平面の各部分の長さ

外部リンク:ニュートン法 - Wikipedia
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