球を平面で2つの立体に切断して、そのうちの1つの立体の体積が球の体積の14となるとき、切断する平面は球の中心からどのくらい離れた位置にあるでしょうか?
これを求めるには回転体の体積を利用します。
中心が原点で半径1の円x2+y2=1のy≧0の範囲にある部分を表す関数はy=√1−x2です。
これのグラフとx軸で囲まれた部分をx軸を回転軸として1回転させてできるのが中心が原点で半径1の球であり、これの体積は
これのグラフとx軸で囲まれた部分をx軸を回転軸として1回転させてできるのが中心が原点で半径1の球であり、これの体積は
π∫1−1(√1−x2)2dx=π∫1−11−x2dx
より求められます。積分区間が−1≦x≦1なのは、それがy=√1−x2の定義域であるためです。これはこの球が座標空間においてx軸に垂直な(−1,0)を含む平面(平面方程式x=−1)とx軸に垂直な(1,0)を含む平面x=1の間に存在するともいえます。
この球の体積を求めてみると
π∫1−11−x2dx=π[x−13x3]1−1=π[(1−13)−{−1−(−1)33}]=π{23−(−23)}=43π
となります。
球をx軸に垂直な(t,0)を含む平面x=t(ただし、−1<t<1)で切断したx≦tの範囲にある立体の体積は
π∫t−11−x2dx
と表すことができます。これが球の14の体積、すなわちπ3となるときのtを求めてみます。
条件より
π∫t−11−x2dx=π3∫t−11−x2dx=13[x−13x3]t−1=13(t−13t3)−(−23)=13t−13t3=−133t−t3=−1t3−3t−1=0
この3次方程式を解けばtが求まりますが、有理数解がないのでニュートン法をもちいて近似解を求めます。
ニュートン法とは、曲線の接線のx切片を利用して近似解を求める方法です。これを利用するには曲線の方程式とその導関数と接線のx切片を求める式が必要となります。
3次方程式t3−3t−1=0を解く際にもちいる曲線の方程式はy=f(x)=x3−3x−1で、これの導関数はf′(x)=3x2−3です。
x=xnにおける曲線の接線の方程式はy=f′(xn)(x−xn)+f(xn)で、これのx切片、すなわちx軸との交点(xn+1,0)のxn+1を求める式は
−1<t<1より求めたい解の存在範囲も−1<x<1となります。x=0付近を調べるため最初の接点のx座標x0を0とします。
x=xnにおける曲線の接線の方程式はy=f′(xn)(x−xn)+f(xn)で、これのx切片、すなわちx軸との交点(xn+1,0)のxn+1を求める式は
0=f′(xn)(xn+1−xn)+f(xn)=xn+1f′(xn)−xnf′(xn)+f(xn)xn+1f′(xn)=xnf′(xn)−f(xn)xn+1=xn−f(xn)f′(xn)
となります。右辺をxnだけをもちいて表した場合は
xn+1=xn−xn3−3xn−13xn2−3=(3xn3−3xn)−(xn3−3xn−1)3xn2−3∴xn+1=2xn3+13xn2−3
となります。−1<t<1より求めたい解の存在範囲も−1<x<1となります。x=0付近を調べるため最初の接点のx座標x0を0とします。
これらをもちいて表計算ソフトで計算します。
セルへの入力例は下図のようになります。(残りのセルは上のセルからオートフィル機能で埋めます。) 計算結果は下図となります。 xn+1の収束値−0.3472963553が3次方程式t3−3t−1=0の近似解の1つです。これは解の存在範囲−1<t<1も満たしています。
セルへの入力例は下図のようになります。(残りのセルは上のセルからオートフィル機能で埋めます。) 計算結果は下図となります。 xn+1の収束値−0.3472963553が3次方程式t3−3t−1=0の近似解の1つです。これは解の存在範囲−1<t<1も満たしています。
他に実数解がないか求めてみます。(以降、−0.3472963553を3次方程式t3−3t−1=0の真の解として扱います。)
他の2解をそれぞれα,β(ただし、α<β)とすると、3次方程式の係数と解の関係より
他の2解をそれぞれα,β(ただし、α<β)とすると、3次方程式の係数と解の関係より
−0.3472963553+α+β=0−0.3472963553αβ=1
(1)より
β=0.3472963553−α
これを(2)に代入して
−0.3472963553α(0.3472963553−α)=1−(0.3472963553)2α+0.3472963553α2=10.3472963553α2−(0.3472963553)2α−1=0α2−0.3472963553α−10.3472963553=0
となるので、解の公式より
α=0.3472963553±√(−0.3472963553)2−4(−10.3472963553)2≒−1.532088886,1.879385242
(3)とα<βであることより
α≒−1.532088886,β≒1.879385242
と求められます。これらはニュートン法でも求めることができます。
これらは解の存在範囲−1<t<1の外にあるので、球を切断する平面x=tとして適しません。
以上より、中心が原点で半径1の球から球の14の体積を切り取る平面はx=−0.3472963553であり、球の中心からの距離は0.3472963553であることがわかります。
また、球を平面x=−0.3472963553で切断したときの断面の円の直径dは、円x2+y2=1のx=−0.3472963553における2点間の距離に等しいので、
また、球を平面x=−0.3472963553で切断したときの断面の円の直径dは、円x2+y2=1のx=−0.3472963553における2点間の距離に等しいので、
(−0.3472963553)2+y2=1y2=1−(−0.3472963553)2y=±√1−(−0.3472963553)2
より
d=√1−(−0.3472963553)2−(−√1−(−0.3472963553)2)=2√1−(−0.3472963553)2≒1.875510855
と求められます。
外部リンク:ニュートン法 - Wikipedia
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