円錐を底面と平行な面で2つの立体に切り分けてそれぞれの立体の体積が等しくなるとき、円錐とその面の位置関係はどのようになっているでしょうか?
ここで、相似な2つの空間図形の相似比がm:nm:nのとき体積比はm3:n3m3:n3となります。
これを利用して円錐AAと円錐BBの相似比を求めます。
これを利用して円錐AAと円錐BBの相似比を求めます。
円錐AAと円錐BBの体積比は2:12:1なので、相似比をm:nm:n(m,n:m,n:正の実数)とおくと
m3:n3=2:1m3=2n3m3−2n3=0m3−(3√2)3n3=0(m−3√2n){m2+3√2mn+(3√2)2n2}=0(m−3√2n)(m2+3√2mn+3√4n2)=0m3:n3=2:1m3=2n3m3−2n3=0m3−(3√2)3n3=0(m−3√2n){m2+3√2mn+(3√2)2n2}=0(m−3√2n)(m2+3√2mn+3√4n2)=0
この方程式を満たす条件はm−3√2n=0m−3√2n=0またはm2+3√2mn+3√4n2=0m2+3√2mn+3√4n2=0であることがわかるので、それぞれの場合を満たすm,nm,nの関係を調べます。
m−3√2n=0m−3√2n=0のとき
m=3√2nmn=3√2=3√21∴m:n=3√2:1
m2+3√2mn+3√4n2=0のとき
mに着目して判別式より
D=(3√2n)2−4⋅3√4n2=−33√4n2
nは正の実数よりn2>0なのでD<0となります。
したがって、nが正の実数であるときm2+3√2mn+3√4n2=0の実数解mは存在しない、すなわちm2+3√2mn+3√4n2=0を満たすような正の実数解m,nの組は存在しません。
以上より体積比が2:1である円錐Aと円錐Bの相似比は3√2:1であることがわかります。
相似な図形の対応する部分の長さの関係は相似比となるので、円錐Aの底面の半径をr、高さをhとおくと相似比3√2:1=1:13√2より円錐Bの底面の半径と高さはそれぞれr3√2,h3√2となります。
したがって、円錐Aを切り分ける底面と平行な面は頂点から高さの13√2倍離れた位置にあるとき、体積がちょうど半分ずつになるように切り分けることができます。
13√2≒0.79370なので、円錐Bの高さは円錐Aの高さのおよそ8割です。
また、円錐に限らずどの錐体でもこの位置関係にある面で切り分ければ、必ず体積が等しい2つの立体ができます。
ちなみに、円錐Aを頂点と底面から等距離にある底面と平行な面で切り分けると、円錐Aと円錐Bの相似比は2:1なので体積比は23:13=8:1、すなわち円錐Bの体積は円錐Aの体積の18となります。
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