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2024年5月16日

碁盤の目状の道路網の確率(2)

碁盤の目状の道路のA、B、Cそれぞれにたどり着く確率は?
「上図のような道路のスタート地点から上に進むか右に進むかをランダムに決めながら進む。上に進む確率が\dfrac{1}{3}、右に進む確率が\dfrac{2}{3}のとき、\text{A}地点、\text{B}地点、\text{C}地点へたどり着く確率をそれぞれ求めよ。」

\text{C}地点にたどり着く確率

 まずは\text{C}地点にたどり着く確率を求めます。
C地点までの最短経路
スタート地点から\text{C}地点まで上図の経路を通ります。この経路は上と右のどちらにも進める交差点がスタート地点含め3個通ります。
したがって、3回とも右を選ぶことで\text{C}地点にたどり着くことができるのでその確率は
\left(\frac{2}{3}\right)^3=\frac{8}{27}
となります。

\text{B}地点にたどり着く確率

 次に\text{B}地点にたどり着く確率を求めます。
B地点までの最短経路
スタート地点から\text{B}地点までの最短経路をすべて重ねると上図に赤く示したようになります。
どの経路も上と右のどちらにも進める交差点をスタート地点含め4個通り、うち1個は上に、3個は右に進みます。
このことから、特定の1つの経路で\text{B}地点にたどり着く確率は
\left(\frac{1}{3}\right)\left(\frac{2}{3}\right)^3=\frac{8}{81}
となります。
また、スタート地点から\text{B}地点までの最短経路の数は\dfrac{3!}{1!2!}=3なので、\text{B}地点にたどり着く確率は
\frac{8}{81}\times3=\frac{8}{27}
と求められます。

\text{A}地点にたどり着く確率

 スタート地点から上か右に進むと必ず\text{A}地点か\text{B}地点か\text{C}地点のいずれかにたどり着きます。すなわち、「\text{A}地点にたどり着く」、「\text{B}地点にたどり着く」、「\text{C}地点にたどり着く」の3つが起こり得るすべての事象ということです。
したがって、\text{A}地点か\text{B}地点か\text{C}地点のいずれかにたどり着く確率は1であり、これから\text{B}地点にたどり着く確率と\text{C}地点にたどり着く確率を差し引いたものが\text{A}地点にたどり着く確率であるため
1-\left(\frac{8}{27}+\frac{8}{27}\right)=\frac{11}{27}
と求められます。

 上述の余事象を利用する以外の方法で\text{A}地点にたどり着く確率を求めてみます。
碁盤の目状の道路にP、Q地点をおく
\text{A}地点の下の交差点を上から\text{P, Q}とし、どの交差点に最初にたどり着くかで場合分けして確率を求めます。

(a)\text{P, Q}を通らず\text{A}地点にたどり着く場合

P、Q地点を通らないA地点までの最短経路
 \text{P, Q}地点を通らずに\text{A}地点にたどり着く最短経路すべてを重ねると上図のようになります。
\text{A}地点の左にある交差点を左から\text{R, S, T}とすると、最初に通る最も上に位置する交差点がどれかで以下のように場合分けでき、「碁盤の目状の道路の確率」の(3)と同様の方法で確率を求めることができます。

\text{R}地点の場合

スタート地点→R→S→T→Aの最短経路
 最初に通る最も上に位置する交差点が\text{R}地点となる最短経路は上図に示したもので、スタート地点含めた上と右のどちらにも進める交差点4個すべてで上に進むので、この場合の確率は
\left(\frac{1}{3}\right)^4=\frac{1}{81}
となります。

\text{S}地点の場合

スタート地点→S→T→Aの最短経路
 最初に通る最も上に位置する交差点が\text{S}地点となる最短経路すべてを重ねると上図のようになり、どの経路も上と右のどちらにも進める交差点をスタート地点含め5個通り、うち4個は上に、1個は右に進みます。
また、この場合の最短経路の数は\dfrac{4!}{3!1!}=4個です。
したがって、この場合の確率は
\left(\frac{1}{3}\right)^4\left(\frac{2}{3}\right)\times4=\frac{8}{243}
となります。

\text{T}地点の場合

スタート地点→T→Aの最短経路
 最初に通る最も上に位置する交差点が\text{T}地点となる最短経路すべてを重ねると上図のようになり、どの経路も上と右のどちらにも進める交差点をスタート地点含め6個通り、うち4個は上に、2個は右に進みます。
また、この場合の最短経路の数は\dfrac{5!}{3!2!}=10個です。
したがって、この場合の確率は
\left(\frac{1}{3}\right)^4\left(\frac{2}{3}\right)^2\times10=\frac{40}{729}
となります。

 以上より\text{P, Q}地点を通らずに\text{A}地点にたどり着く確率は
\frac{1}{81}+\frac{8}{243}+\frac{40}{729}=\frac{73}{729}
と求められます。

(b)\text{P}地点に最初にたどり着く場合

スタート地点→P→Aの最短経路
 \text{Q}地点を通らず\text{P}地点を通って\text{A}地点にたどり着く最短経路すべてを重ねると上図のようになります。
どの経路も上と右のどちらにも進める交差点をスタート地点含め6個通り、うち3個は上に、3個は右に進みます。
また、この場合の最短経路の数は\dfrac{5!}{3!2!}=10個です。
したがって、\text{Q}地点を通らず\text{P}地点を通って\text{A}地点にたどり着く確率は
\left(\frac{1}{3}\right)^3\left(\frac{2}{3}\right)^3\times10=\frac{80}{729}
となります。

(c)\text{Q}地点に最初にたどり着く場合

スタート地点→Q→P→Aの最短経路
 \text{Q}地点を通って\text{A}地点にたどり着く最短経路すべてを重ねると上図のようになります。
どの経路も上と右のどちらにも進める交差点をスタート地点含め5個通り、うち2個は上に、3個は右に進みます。
また、この場合の最短経路の数は\dfrac{4!}{2!2!}=6個です。
したがって、\text{Q}地点を通って\text{A}地点にたどり着く確率は
\left(\frac{1}{3}\right)^2\left(\frac{2}{3}\right)^3\times6=\frac{16}{81}
となります。

 (a)、(b)、(c)はどれも同時に起こり得ないので、\text{A}地点にたどり着く確率は
\begin{align*}\frac{73}{729}+\frac{80}{729}+\frac{16}{81}&=\frac{297}{729}\\[0.5em]&=\frac{11}{27}\end{align*}
と求められます。

 以上より、

\text{A}地点にたどり着く確率は\dfrac{11}{27}
\text{B}地点にたどり着く確率は\dfrac{8}{27}
\text{C}地点にたどり着く確率は\dfrac{8}{27}

であることがわかります。

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