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2024年5月21日

碁盤の目状の道路の各交差点にたどり着く確率を求める

碁盤の目状の道路
 上図のような道路の$A$地点から各交差点で上に進むか右に進むかをランダムに決めて進みます。上に進む確率と右に進む確率がともに$\dfrac{1}{2}$のときの各交差点にたどり着く確率を簡単な方法で求めてみます。

各交差点から道を進む確率
 まずは道路の各交差点からのびる道に進む確率を書き込みます。
本記事の場合は対応する道に上に進む確率と右に進む確率である$\dfrac{1}{2}$または$1$を書き込みます。(最も右に位置する縦の道と最も上に位置する横の道を進む確率が$1$となります。)

スタート(A)地点にたどり着く確率を書く
次に$A$地点にたどり着く確率を書き込みます。
$A$地点はスタート地点なので、ここにたどり着く確率は$1$といえます。

交差点にたどり着く確率×道を進む確率で隣の交差点にたどり着く確率になる
$B$地点にたどり着く確率を書き込みます。
$B$地点にたどり着く確率は$A$地点から右に進む確率でもあるので$\dfrac{1}{2}$となります。
また、$B$地点にたどり着く確率は$A$地点にたどり着き、かつ$A$地点から右に進む確率ともいえるので、その確率である$\dfrac{1}{2}$は$A$地点にたどり着く確率$1$と$A$地点から右へ進む確率$\dfrac{1}{2}$の積より求められた、ともいえます。

交差点にたどり着く確率×道を進む確率で隣の交差点にたどり着く確率になる②
$C$地点にたどり着く確率も上記と同様に$B$地点にたどり着き、かつ$B$地点から右に進む確率といえるので、$B$地点にたどり着く確率$\dfrac{1}{2}$と$B$地点から右に進む確率$\dfrac{1}{2}$の積$\dfrac{1}{4}$となります。
同様にして$D,E,F,K,P$地点にたどり着く確率も上図のように求められます。

隣接する交差点にたどり着く確率×道を進む確率の総和がその交差点にたどり着く確率
$G$地点にたどり着く確率は$A\to B\to G$の経路でたどり着く確率と$A\to F\to G$の経路でたどり着く確率の和となります。
$A\to B\to G$の経路でたどり着く確率は$B$地点にたどり着き、かつ$B$地点から上に進む確率といえるので、$B$地点にたどり着く確率$\dfrac{1}{2}$と$B$地点から上に進む確率$\dfrac{1}{2}$の積$\dfrac{1}{4}$となります。
$A\to F\to G$の経路でたどり着く確率は$F$地点にたどり着き、かつ$F$地点から右に進む確率といえるので、$F$地点にたどり着く確率$\dfrac{1}{2}$と$F$地点から右に進む確率$\dfrac{1}{2}$の積$\dfrac{1}{4}$となります。
したがって、$G$地点にたどり着く確率は
\begin{align*}\frac{1}{4}+\frac{1}{4}&=\frac{2}{4}\\[0.5em]&=\frac{1}{2}\end{align*}
と求められます。

碁盤の目状の道路の各交差点にたどり着く確率
残る交差点にたどり着く確率も$G$地点にたどり着く確率と同様に行うと上図のようになります。
この方法で行う作業をまとめると以下のようになります。
  1. 各交差点から道を進む確率をそれぞれの道に書き込む。
  2. スタート地点となる交差点にたどり着く確率として$1$を書き込む。
  3. 他の交差点にたどり着く確率として
    \[(\text{隣接する交差点にたどり着く確率})\times(\text{通じる道を進む確率})\]
    の合計を書き込む。
道路の形と進む確率は↑と同じものです。(2)、(3)をこの方法で解くことができます。

 また、一部の道がなかったり、道を進む確率が異なっていても同様の作業によって各交差点にたどり着く確率を求めることができます。
碁盤の目状の道路②
例えば、上図のような道路で$A$地点から各交差点で右に進むか上に進むかをランダムに決めて進む場合を考えます。
上に進む確率を$\dfrac{1}{3}$、右に進む確率を$\dfrac{2}{3}$としたときの各交差点にたどり着く確率は以下のようになります。
碁盤の目状の道路の各交差点にたどり着く確率②
道路の形と進む確率は↑と同じもので、この方法で解くことができます。

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