円に内接・外接する正六角形の周の長さを求める方法と面積を求める方法、2つのアプローチで円周率の値の範囲を調べてみようと思います。
円に内接する正六角形
周の長さ
正六角形の周となる正三角形の1辺の長さl_1は1です。したがって、正六角形の周の長さL_1はl_1の6倍の6となります。
円周と内接する正六角形の周を比較すると円周のほうが長いので
\begin{align*}2\pi&>6\\[0.5em]\therefore\pi&>3\end{align*}
となります。すなわち、円周率\piは3より大きいことがわかります。
面積
正六角形の中の正三角形は1辺の長さが1、1つの角の大きさが60°なので面積s_1は以下のように求められます。
\begin{align*}s_1&=\frac{1}{2}×1×1×\sin60°\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{3}}{4}\end{align*}
正六角形の面積S_1は1辺の長さが1の正三角形6つ分なので
\begin{align*}S_1&=6s_1\\[0.5em]&=\frac{3\sqrt{3}}{2}≒2.60\end{align*}
となります。
円と内接する正六角形の面積を比較すると円の面積のほうが大きいので
\pi>\frac{3\sqrt{3}}{2}≒2.60
となります。すなわち、円周率\piは\dfrac{3\sqrt{3}}{2}(およそ2.60)より大きいことがわかります。
円に外接する正六角形
周の長さ
正三角形の高さとなる対角を通る垂線は円の半径と一致するので長さは1です。この垂線によってできる直角三角形の三角比より正三角形の1辺の長さl_2は以下のようになります。
\begin{align*}l_2:1&=2:\sqrt{3}\\[0.5em]\sqrt{3}l_2&=2\\[0.5em]l_2&=\frac{2}{\sqrt{3}}\\[0.5em]&=\frac{2\sqrt{3}}{3}\end{align*}
したがって、正六角形の周の長さL_2は
\begin{align*}L_2&=6l_2\\[0.5em]&=4\sqrt{3}≒6.93\end{align*}
となります。
円周と正六角形の周の長さを比較すると円周のほうが短いので
\begin{align*}2\pi&<4\sqrt{3}\\[0.5em]\therefore\pi&<2\sqrt{3}≒3.46\end{align*}
となります。すなわち、円周率\piは2\sqrt{3}(およそ3.46)より小さいことがわかります。
面積
正三角形の高さと辺の長さは先ほどわかったので、それらを使って以下のように面積s_2を求めることができます。
\begin{align*}s_2&=\frac{1}{2}×\frac{2\sqrt{3}}{3}×1\\[0.5em]&=\frac{\sqrt{3}}{3}\end{align*}
したがって、円と外接する正六角形の面積S_2は
\begin{align*}S_2&=6s_2\\[0.5em]&=2\sqrt{3}≒3.46\end{align*}
となります。
円と外接する正六角形の面積を比較すると円の面積のほうが小さいので
\pi<2\sqrt{3}≒3.46
となります。すなわち、円周率\piは2\sqrt{3}(およそ3.46)より小さいことがわかります。
円周率\piのとりうる値の範囲は?
ここまででわかったことをまとめると
となります。
周の長さより、円周率\piは3より大きく2\sqrt{3}より小さい
(3<\pi<2\sqrt{3})
面積より、円周率\piは\dfrac{3\sqrt{3}}{2}より大きく2\sqrt{3}より小さい
(\dfrac{3\sqrt{3}}{2}<\pi<2\sqrt{3})
これらの値の範囲を数直線上で表すと下図のようになります。
赤く示した範囲が周の長さの関係からわかった円周率\piのとりうる値の範囲、青く示した範囲が面積の関係からわかった円周率\piのとりうる値の範囲です。
この2つの範囲をもちいて円周率\piがとりうる値の範囲を絞り込むには、2つの値の範囲の重なる部分を探します。これは赤く示した範囲である3<\pi<2\sqrt{3}となります。
したがって、円に内接・外接する正六角形の周の長さの関係と面積の関係より円周率\piがとりうる値の範囲は3<\pi<2\sqrt{3}、すなわち3より大きくおよそ3.46より小さいことがわかります。
(2024/3)内容を修正しました。
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