円に内接・外接する正六角形の周の長さを求める方法と面積を求める方法、2つのアプローチで円周率の値の範囲を調べてみようと思います。
円に内接する正六角形
周の長さ
正六角形の周となる正三角形の1辺の長さはです。したがって、正六角形の周の長さはの6倍のとなります。
円周と内接する正六角形の周を比較すると円周のほうが長いので
となります。すなわち、円周率はより大きいことがわかります。
面積
正六角形の中の正三角形は1辺の長さが、1つの角の大きさがなので面積は以下のように求められます。
正六角形の面積は1辺の長さがの正三角形6つ分なので
となります。
円と内接する正六角形の面積を比較すると円の面積のほうが大きいので
となります。すなわち、円周率は(およそ)より大きいことがわかります。
円に外接する正六角形
周の長さ
正三角形の高さとなる対角を通る垂線は円の半径と一致するので長さはです。この垂線によってできる直角三角形の三角比より正三角形の1辺の長さは以下のようになります。
したがって、正六角形の周の長さは
となります。
円周と正六角形の周の長さを比較すると円周のほうが短いので
となります。すなわち、円周率は(およそ)より小さいことがわかります。
面積
正三角形の高さと辺の長さは先ほどわかったので、それらを使って以下のように面積を求めることができます。
したがって、円と外接する正六角形の面積は
となります。
円と外接する正六角形の面積を比較すると円の面積のほうが小さいので
となります。すなわち、円周率は(およそ)より小さいことがわかります。
円周率のとりうる値の範囲は?
ここまででわかったことをまとめると
となります。
周の長さより、円周率はより大きくより小さい
()
面積より、円周率はより大きくより小さい
()
この2つの範囲をもちいて円周率がとりうる値の範囲を絞り込むには、2つの値の範囲の重なる部分を探します。これは赤く示した範囲であるとなります。
したがって、円に内接・外接する正六角形の周の長さの関係と面積の関係より円周率がとりうる値の範囲は、すなわちより大きくおよそより小さいことがわかります。
(2024/3)内容を修正しました。
Share: