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2025年8月10日

円に内接する台形は等脚台形?

円Oの平行な弦AB,CDでつくった四角形ABCDは等脚台形か?
「円$\text{O}$の弦$\text{AB}$に平行な弦$\text{CD}$を引く。
このときにできる四角形$\text{ABCD}$は等脚台形であることを示せ。」

 問題より辺$\text{AB}$と$\text{CD}$は平行なので、四角形$\text{ABCD}$は「少なくとも1組の対辺が平行な四角形」、すなわち台形であることがわかります。
台形の1つである等脚台形は「1つの底辺の両端の内角が等しい台形」のことなので、$∠\text{ADC}=∠\text{BCD}$が成り立つことを示せれば、四角形$\text{ABCD}$が等脚台形であることを示すことができます。

AB//CDより錯角が等しい
 対角線$\text{AC},\text{BD}$を引きます。
すると、$\text{AB}//\text{CD}$より錯角が等しいので
\begin{align}\angle \text{ABD}&=\angle \text{BDC}\\[1em]\angle \text{BAC}&=\angle \text{ACD}\end{align}
が成り立ちます。
円周角の定理より弧BCに対する円周角は等しい
2つの頂点$\text{B},\text{C}$に着目すると、これは円$\text{O}$の周上の点でもあるので、これらによって円周から切り取られた弧$\text{BC}$があることがわかります。
円周角の定理より、弧$\text{BC}$に対する円周角は等しいので
\begin{equation}\angle \text{BAC}=\angle \text{BDC}\end{equation}
が成り立ちます。
平行線の錯角と円周角の定理より∠ACD=∠BDC
$(1),(2),(3)$より
\begin{equation}\angle \text{ACD}=\angle \text{BDC}\end{equation}
であることがわかります。
円周角の定理より弧ABに対する円周角は等しい
同様に円周角の定理より、弧$\text{AB}$に対する円周角は等しいので
\begin{equation}\angle \text{ACB}=\angle \text{ADB}\end{equation}
が成り立ちます。
底辺CDの両端の内角∠ADCと∠BCDは等しい
 四角形$\text{ABCD}$の内角$∠\text{ADC},∠\text{BCD}$に着目すると
\begin{align}\angle \text{ADC}&=\angle \text{ADB}+\angle \text{BDC}\\[1em]\angle \text{BCD}&=\angle \text{ACB}+\angle \text{ACD}\end{align}
となっていることがわかります。
$(6)$より
\begin{align*}\angle \text{ADC}&=\angle \text{ADB}+\angle \text{ACD}&\bigl(\because(4)\bigr)\\[0.5em]&=\angle \text{ACB}+\angle \text{ACD}&\bigl(\because(5)\bigr)\\[0.5em]&=\angle \text{BCD}&\bigl(\because(7)\bigr)\end{align*}
したがって、四角形$\text{ABCD}$は1つの底辺の両端の内角が等しい台形なので、等脚台形であることがわかります。

このことから、円に内接する台形は等脚台形であるということができます。

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