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2023年10月23日

1次関数と反比例のグラフと三角形の面積

y=2x+5とy=a/xのグラフと点(6,1/2)
「上図は1次関数$y=2x+5$と反比例$y=\dfrac{a}{x}$のグラフである。
$y=\dfrac{a}{x}$のグラフは$\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$を通り、2つのグラフは$x=-3$で交わる。
このとき、以下の問いに答えよ。

(1)$a$の値を求めよ。

(2)$x=-3$における交点の座標を求めよ。

(3)$(0,5),\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$と$(2)$で求めた点の3点を頂点とする三角形の面積を求めよ。」

(1)$a$の値

 グラフというのは$y=2x+5$や$y=\dfrac{a}{x}$といった関数を成り立たせる$x,y$の組を座標にもつ点の集まりのことです。

y=2x+5のグラフ
例えば1次関数$y=2x+5$の場合
$x$に$-2$を代入すると$y=2×(-2)+5=1$
$x$に$-1$を代入すると$y=2×(-1)+5=3$
$x$に$0$を代入すると$y=2×0+5=5$
$x$に$1$を代入すると$y=2×1+5=7$
$x$に$2$を代入すると$y=2×2+5=9$
というように$x$に何らかの数を代入すると、それぞれ$y$の値が求まります。
この$x$と$y$の組は$y=2x+5$を等式として成り立たせることができる数の組です。
この2数の組$x,y$を座標とする点を打っていくと最終的にできあがるのが$y=2x+5$のグラフとなります。
同様に$y=\dfrac{a}{x}$のグラフも$y=\dfrac{a}{x}$を成り立たせることができる2数の組を座標とする点が集まってできています。
 $\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$は$y=\dfrac{a}{x}$のグラフ上の点なので、$y=\dfrac{a}{x}$に$x=6,y=\dfrac{1}{2}$を代入した
\[\frac{1}{2}=\frac{a}{6}\]
は等式として成り立っています。これを$a$について解けば適切な$a$の値を求めることができます。
両辺に$6$を掛けると
\begin{align*}\frac{1}{2}\times 6&=\frac{a}{6}\times 6\\[0.5em]3&=a\\[0.5em]a&=3\end{align*}
と求まります。

(2)$x=-3$における交点の座標

 2つのグラフが$x=-3$で交わるということは$y=2x+5$のグラフ上の$x=-3$における点と$y=\dfrac{3}{x}$のグラフの$x=-3$における点が同じであるということです。
したがって、2通りの解き方があります。

1. $y=2x+5$から求める

 $y=2x+5$に$x=-3$を代入すると$y$の値は
\begin{align*}y&=2\times(-3)+5\\[0.5em]&=-6+5\\[0.5em]&=-1\end{align*}
となります。
$x=-3,y=-1$は$y=2x+5$を等式として成り立たせることができる数の組で、これを座標にすると$(-3,-1)$となります。
これが$y=2x+5$のグラフ上の$x=-3$における点の座標となります。

2. $y=\dfrac{3}{x}$から求める

 $y=\dfrac{3}{x}$に$x=-3$を代入すると
\begin{align*}b&=\frac{3}{-3}\\[0.5em]&=\frac{3\times(-1)}{-3\times(-1)}\\[0.5em]&=\frac{-3}{3}\\[0.5em]&=-1\end{align*}
となります。
$x=-3,y=-1$は$y=\dfrac{3}{x}$を等式として成り立たせることができる数の組で、これを座標にすると$(-3,-1)$となります。
これが$y=\dfrac{3}{x}$のグラフ上の$x=-3$における点の座標となります。

(3)$(0,5),\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$と$(2)$で求めた点の3点を頂点とする三角形の面積

3点を頂点とする三角形
 $(0,5),\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$と$(2)$で求めた$(-3,-1)$の3点を頂点とする三角形は上図のようになります。この三角形はy軸で分割すると2つの三角形ができます。
分割してできたそれぞれの三角形の面積を求め、合計すれば求めたい三角形の面積がわかります。
2つの三角形の底辺と高さ
y軸上にある辺を底辺とすると頂点$(-3,-1),\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$からy軸へおろした垂線の長さがそれぞれの三角形の高さとなります。
これら垂線はx軸に平行でy軸上の点のx座標はすべて$0$なので、垂線の長さは頂点$(-3,-1),\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$それぞれのx座標の絶対値となります。
したがって、$(-3,-1)$を頂点にもつ三角形(上図の青い三角形)の高さは$|-3|=3$、$\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$を頂点にもつ三角形(上図の緑の三角形)の高さは$|6|=6$となります。
あとは底辺の長さが分かればよいのですが、そのためには底辺の$(0,5)$でないほうの端点、すなわち2点$(-3,-1)$と$\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$を通る直線とy軸との交点の座標を求める必要があります。

 2点$(-3,-1)$と$\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$を通る直線の方程式を求めます。
直線の方程式は$y=ax+b$($a,b:$定数)で表されます。
直線は$(-3,-1)$を通るので$x=-3,y=-1$を代入すると
\[-1=-3a+b\tag{a}\]
が成り立ちます。
また、直線は$\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$を通るので$x=6,y=\dfrac{1}{2}$を代入すると
\[\frac{1}{2}=6a+b\tag{b}\]
が成り立ちます。
$\text{(a),(b)}$を連立して解きます。
$\text{(b)}-\text{(a)}$より
\begin{align*}\frac{3}{2}&=9a\\[0.5em]a&=\frac{1}{6}\tag{c}\end{align*}
$\text{(a)}$に$\text{(c)}$を代入すると
\begin{align*}-1&=-3\times\frac{1}{6}+b\\[0.5em]b&=-\frac{1}{2}\end{align*}
したがって、点$(-3,-1)$と$\left(6,\dfrac{1}{2}\right)$を通る直線の方程式は$y=\dfrac{1}{6}x-\dfrac{1}{2}$であるとわかります。
この直線とy軸の交点はy切片なので、その座標は$\left(0,-\dfrac{1}{2}\right)$です。
 底辺の長さは両端の座標$(0,5),\left(0,-\dfrac{1}{2}\right)$よりx座標が等しいのでy座標の差より求められ
\[5-\left(-\frac{1}{2}\right)=\frac{11}{2}\]
であるとわかります。

 以上より青い三角形の面積は
\[\frac{1}{2}\times\frac{11}{2}\times3=\frac{33}{4}\]
緑の三角形の面積は
\[\frac{1}{2}\times\frac{11}{2}\times6=\frac{33}{2}\]
となるので、$(0,5),\left(6,\dfrac{1}{2}\right),(-3,-1)$の3点を頂点とする三角形の面積は
\begin{align*}\frac{33}{4}+\frac{33}{2}&=\frac{33}{4}+\frac{66}{4}\\[0.5em]&=\frac{99}{4}\end{align*}
と求められます。

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