この逆は成り立つでしょうか?
三平方の定理の逆は、
「3辺の長さがそれぞれの三角形にが成り立つとき、その三角形は長さの辺を斜辺とする直角三角形である。」
となります。
これが成り立つことを確かめてみます。
の辺の長さをそれぞれとし、頂点から直線へ垂線をおろします。垂線の足をとし、の長さをそれぞれとします。
このとき、垂線の足の位置には3つの場合が考えられます。
点が2点間にあるとき
において三平方の定理より
が成り立ちます。
また、において三平方の定理より
が成り立ちます。
より
ここで、であることを考えればなので
となります。
ところでとそれぞれの辺の長さの比において
であり、2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しいのでとは相似であることがわかります。
このことから
また、直角三角形の2つの鋭角の和はなので
より
が直角であることよりその対辺が斜辺、すなわちは辺を斜辺とする直角三角形であることがわかります。
点が点またはと重なるとき
上図のように点が点と重なりが直角である直角三角形で考えます。このときです。
三平方の定理より
が成り立ちます。
しかし、はが成り立つ三角形なので、も満たすことができるかを調べます。
辺々を引くと
となります。正負が反転しても等式が成立するのはのときだけなので
これをに代入すると
となるため、が成立しません。
したがって、とが同時に成立するような三角形は存在しないことがわかります。これは点が点と重なる場合でも同様です。
点が辺の延長上にあるとき
上図のように点が辺のの側の延長上にある場合を考えます。
において三平方の定理より
が成り立ちます。
また、において三平方の定理より
が成り立ちます。
より
ここで、であることを考えればなので
となります。
しかし、よりなのでであることと矛盾します。
ゆえに、点は辺のの側の延長上にないことがわかります。これは点が辺のの側の延長上にある場合でも同様です。
ゆえに、点は辺のの側の延長上にないことがわかります。これは点が辺のの側の延長上にある場合でも同様です。
したがって、この場合を満たすような三角形は存在しないことがわかります。
以上より、三平方の定理の逆が成り立つことがわかります。
外部リンク:ピタゴラスの定理 - Wikipedia
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