関数y=f(x)とby=f(ax)(a,b:正実数)それぞれのグラフにはどのような違いがあるでしょうか?
y=f(x)とy=f(ax)のグラフ
関数y=f(x)とy=f(ax)(a:正実数)それぞれのグラフの違いを、f(p)となるときのx,yの組(x,y)を座標とする点同士を対応させることで調べてみます。
y=f(x)において、f(p)となるときとはx=pのときであり、x=pにおける点Pの座標は(p,f(p))となります。
y=f(ax)において、f(p)となるときとはax=pすなわちx=paのときであり、x=paにおける点P'の座標は(pa,f(pa))となります。
同様に
f(q)となるときの点を調べると、
y=f(x)において、
x=qにおける点
Qは
(q,f(q))となります。
y=f(ax)において、ax=qすなわちx=qaにおける点Q'は(qa,f(q))となります。
点
P',Q'の座標はそれぞれ対応する点
P,Qと等しいy座標をもちますが、x座標は
1a倍したものとなっています。
x座標の差に着目すると点
P,Qは
q−p、点
P',Q'は
qa−pa=q−paであり、
y=f(ax)のグラフ上のどの2点間も
y=f(x)のグラフ上の対応する2点間のx軸方向の開きを
1a倍したものとなることがわかります。
これはすなわち、y=f(ax)のグラフはy=f(x)のグラフをx軸方向に1a倍の長さに引き伸ばした(押し縮めた)形をしていることになります。
0<a<1のときは引き伸ばし、a>1のときは押し縮めとなります。
対応する点の座標が一致する条件はx=xaで、これを満たすのはx=0なので、y=f(x)とy=f(ax)のx=0における点は同一となります。
y=f(x)とby=f(x)のグラフ
関数y=f(x)とby=f(x)(b:正実数)それぞれのグラフの違いを、f(p)となるときのx,yの組(x,y)を座標とする点同士を対応させることで調べてみます。
先ほどと同様にy=f(x)において、f(p)となるときとはx=pのときであり、x=pにおける点Pの座標は(p,f(p))となります。
by=f(x)においてもf(p)となるときとはx=pのときです。
両辺をbで割るとy=f(x)bとなることより、x=pにおける点P''の座標は(p,f(p)b)となります。
同様に
f(q)となるときの点を調べると、
y=f(x)において、
x=qにおける点
Qは
(q,f(q))となります。
by=f(x)において、x=qにおける点Q''は(q,f(q)b)となります。
点
P'',Q''の座標はそれぞれ対応する点
P,Qと等しいx座標をもちますが、y座標は
1b倍したものとなっています。
y座標の差に着目すると点
P,Qは
f(q)−f(p)、点
P'',Q''は
f(q)b−f(p)b=f(q)−f(p)bであり、
by=f(x)のグラフ上のどの2点間も
y=f(x)のグラフ上の対応する2点間のy軸方向の開きを
1b倍したものとなることがわかります。
これはすなわち、by=f(x)のグラフはy=f(x)のグラフをy軸方向に1b倍の長さに引き伸ばした(押し縮めた)形をしていることになります。
0<b<1のときは引き伸ばし、b>1のときは押し縮めとなります。
対応する点の座標が一致する条件はf(x)=f(x)bで、これを満たすのはf(x)=0なので、y=f(x)とy=f(ax)のy座標が0の点は同一となります。
y=f(x)とby=f(ax)のグラフ
関数y=f(x)とby=f(ax)(a,b:正実数)それぞれのグラフの違いを、f(p)となるときのx,yの組(x,y)を座標とする点同士を対応させることで調べてみます。
先ほどと同様にy=f(x)において、f(p)となるときとはx=pのときであり、x=pにおける点Pの座標は(p,f(p))となります。
by=f(ax)において、f(p)となるときとはax=pすなわちx=paのときです。
両辺をbで割るとy=f(ax)bとなることより、x=paにおける点P'''の座標は(pa,f(p)b)となります。
同様に
f(q)となるときの点を調べると、
y=f(x)において、
x=qにおける点
Qは
(q,f(q))となります。
by=f(ax)において、x=qaにおける点Q'''は(qa,f(q)b)となります。
点
P''',Q'''の座標はそれぞれ対応する点
P,Qのx座標を
1a倍、y座標を
1b倍したものとなっています。
上述の通り、
by=f(x)のグラフ上のどの2点間も
y=f(x)のグラフ上の対応する2点間のx軸方向の開きを
1a倍、y軸方向の開きを
1b倍したものとなります。
これはすなわち、by=f(ax)のグラフはy=f(x)のグラフをx軸方向に1a倍、y軸方向に1b倍の長さに引き伸ばした(押し縮めた)形をしていることになります。
上述の通り、0<a<1,0<b<1のときは引き伸ばし、a>1,b>1のときは押し縮めとなります。
対応する点の座標が一致する条件は
⎧⎨⎩x=xaf(x)=f(x)b
で、これを満たすのは
x=0かつ
f(x)=0なので、
y=f(x)のグラフが原点を通るとき必ず
by=f(ax)のグラフも原点を通ります。
また、
a=bのときの点
P,Q間の距離
PQと点
P''',Q'''間の距離
P'''Q'''に着目すると
PQ=√(q−p)2+{f(q)−f(p)}2P'''Q'''=√(qa−pa)2+{f(q)a−f(p)a}2=√(1a)2(q−p)2+(1a)2{f(q)−f(p)}2=√(1a)2[(q−p)2+{f(q)−f(p)}2]=1a√(q−p)2+{f(q)−f(p)}2∴P'''Q'''=12PQ
となり、
P'''Q'''は
PQを
1a倍したものとなります。
これはすなわち、ay=f(ax)のグラフはy=f(x)のグラフをどの方向にも1a倍の長さに引き伸ばした(押し縮めた)形をしていることになります。
言い換えればay=f(ax)のグラフはy=f(x)のグラフを1a倍に拡大・縮小したものである、両者のグラフは互いに相似であるということです。
0<a<1のときは拡大、a>1のときは縮小となります。
(2024/12)引き伸ばし・押し縮め、拡大・縮小の条件に誤りがありましたので修正しました。
申し訳ありませんでした。