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2024年12月6日

微分係数の定義式を利用して証明する問題

limh0f(a+h)f(a)h=f(a)
上記の式は微分係数の定義式である。
これをもちいて以下の式が成り立つことを証明せよ。
limh0f(a)f(ah)h=limh0f(a+h2)f(ah2)h=f(a)

limh0f(a)f(ah)h=f(a)limh0f(a+h2)f(ah2)h=f(a)
の2式がそれぞれ成り立つことを証明することができれば、問題の式が成り立つことを証明することができます。

(1)

 左辺をh=tとおくと
()=limh0f(a)f(a+t)t
ここで、hを限りなく0に近づけるときtがどのようになるのかを調べます。
h=t、すなわちt=hより
limh0t=limh0h=0
となり、h0のときt0であることがわかります。
このことから
()=limt0f(a)f(a+t)t
分母と分子に1を掛けて
()=limt0f(a+t)f(a)t
これは微分係数の定義式そのものなので
limh0f(a)f(ah)h=f(a)
が成り立つことがわかります。

(2)

 (2)を証明するために、極限の性質
limxcf(x)=α,limxcg(x)=βのときlimxckf(x)=kα(k:)limxc{f(x)±g(x)}=α±β(複号同順)
に注意して計算する必要があります。
 左辺の分子に0=f(a)f(a)を加えます。
()=limh0f(a+h2)f(ah2)+f(a)f(a)h=limh0{f(a+h2)f(a)}+{f(a)f(ah2)}h=limh0{f(a+h2)f(a)h+f(a)f(ah2)h}
h2=uとおくと
()=limh0{f(a+u)f(a)2u+f(a)f(au)2u}=limh0{12f(a+u)f(a)u+12f(a)f(au)u}=limh012{f(a+u)f(a)u+f(a)f(au)u}
ここで、hを限りなく0に近づけるときuがどのようになるのかを調べます。
limh0u=limh0h2=02=0
となり、h0のときu0であることがわかります。
このことより
()=limu012{f(a+u)f(a)u+f(a)f(au)u}
f(a+u)f(a)u+f(a)f(au)u=F(u)とおいてlimu0F(u)について調べると、微分の定義式と(1)より
limu0F(u)=limu0{f(a+u)f(a)u+f(a)f(au)u}=f(a)+f(a)=2f(a)
したがって、
()=limu012F(u)=122f(a)=f(a)
となるので
limh0f(a+h2)f(ah2)h=f(a)
が成り立つことがわかります。

 (1),(2)より
limh0f(a)f(ah)h=limh0f(a+h2)f(ah2)h=f(a)
が成り立つことがわかります。

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