Loading [MathJax]/jax/element/mml/optable/Latin1Supplement.js
横画面推奨!
モバイル機器の場合、数式が見切れる場合があります。

2023年6月25日

三角関数の周期を求める

「次の三角関数の基本周期を求めよ。

(1)\large\sin2x

(2)\large\tan\bigl(-\sqrt{3}x\bigr)

(3)\large\cos\left(\dfrac{x}{3}-\dfrac{\pi}{6}\right)

 三角関数の周期を求めるには、周期関数の定義と基本の三角関数の周期を利用します。
 ある関数f(x)について0でない定数pをもちいて
f(x+p)=f(x)
が常に成り立つとき、f(x)周期関数といいます。また、このときのpのことを周期といいます。
周期pとして満足する値のうち、最小の正の数であるもののことを基本周期といいます。
大抵の場合周期という単語の指すものはこの基本周期のことで、基本周期は正の周期のうち最小のものというような表現をされる場合もあります。
周期pとして満足する値はすべてこの基本周期の整数倍となります。
したがって、周期関数において
f(x+np)=f(x)\quad(n:整数)
もまた常に成り立ちます。
 周期関数には三角関数\sin x,\cos x,\tan xも含まれます。
整数nをもちいると\sin x,\cos xの基本周期は\mathbf{2\pi}なので周期は2n\pi\tan xの基本周期は\mathbf{\pi}なので周期はn\piとなります。これらは以下のそれぞれのグラフからも読み取れます。
y=sinxのグラフ
y=cosxのグラフ
y=tanxのグラフ
グラフの色を塗った部分はそれぞれの1周期分の区間を表したものです。周期ごとに同じ値を取り続けているため、各区間のグラフは全く同じ形となります。

以上を踏まえて問題を解きます。

(1)\sin2x

 2x=Aとおくと\sin2x=\sin Aとなり、\sin Aにおける基本周期は2\pi、周期は2n\pi (n:整数)なので
\sin(A+2n\pi)=\sin A\quad(n:整数)
が常に成り立ちます。

ここからA2xになおし、左辺を変形してf(x+np)に相当する形をつくります。
f(x+np)f(x)xx+npに変換したものです。なので、変形によって\sin2(x+np)という形をつくればよいことになります。このときのnpから周期がわかります。
\sin(2x+2n\pi)=\sin2(x+n\pi)

したがって、\sin2(x+n\pi)=\sin2xが成り立ち、f(x+np)=f(x)の形をつくることができたので、\sin2xの周期はn\piであるとわかります。
基本周期は周期のうち最小の正の数なのでn=1のときの\mathbf{\pi}となります。

y=sinxとy=sin2xのグラフ
 また、「関数のグラフを伸び縮みさせる」よりy=\sin2xのグラフはy=\sin xのグラフのx軸方向の長さを\dfrac{1}{2}倍にしたものであるから周期も2\pi\dfrac{1}{2}倍の\piである、と求めることもできます。

(2)\tan\bigl(-\sqrt{3}x\bigr)

 -\sqrt{3}x=Bとおくと\tan\bigl(-\sqrt{3}x\bigr)=\tan Bとなります。
ここで、\tan Bにおける基本周期は\pi、周期はn\pi (n:整数)なので
\tan(B+n\pi)=\tan B
が常に成り立ちます。

B-\sqrt{3}xになおし、左辺を変形して
\begin{align*}\tan\bigl(-\sqrt{3}x+n\pi\bigr)&=\tan\left\{-\sqrt{3}\left(x-\frac{n\pi}{\sqrt{3}}\right)\right\}\\[0.5em]&=\tan\left\{-\sqrt{3}\left(x-\frac{\sqrt{3}\pi n}{3}\right)\right\}\end{align*}
したがって、\tan\left\{-\sqrt{3}\left(x-\dfrac{\sqrt{3}\pi n}{3}\right)\right\}=\tan\bigl(-\sqrt{3}x\bigr)が成り立つため\tan\bigl(-\sqrt{3}x\bigr)の周期は-\dfrac{\sqrt{3}\pi n}{3}であるとわかります。
基本周期は周期のうち最小の正の数なのでn=-1のときの\mathbf{\dfrac{\sqrt{3}}{3}\pi}となります。
y=tanxとy=tan(-√3x)のグラフ
 また、「関数のグラフを伸び縮みさせる」と「関数のグラフの対称移動」よりy=\tan\bigl(-\sqrt{3}x\bigr)y=\tan\Bigl\{-\bigl(\sqrt{3}x\bigr)\Bigr\}と書くと、y=\tan xのグラフをx軸方向に\dfrac{1}{\sqrt{3}}倍した後、y軸に関して対称移動したものであるといえるので、周期は\pi\dfrac{1}{\sqrt{3}}倍の\dfrac{\sqrt{3}}{3}\piである、と求めることもできます。
対称移動では周期は変化しません。

(3)\cos\left(\tfrac{x}{3}-\tfrac{\pi}{6}\right)

 \dfrac{x}{3}-\dfrac{\pi}{6}=\dfrac{1}{3}x-\dfrac{\pi}{6}=Cとおくと、\cos\left(\dfrac{x}{3}-\dfrac{\pi}{6}\right)=\cos Cとなり、\cos Cにおける基本周期は2\pi、周期は2n\piなので
\cos(C+2n\pi)=\cos C
が常に成り立ちます。

C\dfrac{1}{3}x-\dfrac{\pi}{6}になおして左辺を変形します。
(1)で述べた通り、周期関数のf(x+np)とはf(x)xx+npに変換したことを意味するので、f(ax+b)においては同様の変換後はf\bigl(a(x+np)+b\bigr)となります。
したがって、この問題においては\dfrac{1}{3}x-\dfrac{\pi}{6}部分の変換後が\dfrac{1}{3}(x+np)-\dfrac{\pi}{6}の形になることに注意します。
\begin{align*}\cos\left(\frac{1}{3}x-\frac{\pi}{6}+2n\pi\right)&=\cos\left\{\left(\frac{1}{3}x+2n\pi\right)-\frac{\pi}{6}\right\}\\[0.5em]&=\cos\left\{\frac{1}{3}(x+6n\pi)-\frac{\pi}{6}\right\}\end{align*}
したがって、
\cos\left\{\dfrac{1}{3}(x+6n\pi)-\dfrac{\pi}{6}\right\}=\cos\left(\dfrac{1}{3}x-\dfrac{\pi}{6}\right)
が成り立つため、\cos\left(\dfrac{x}{3}-\dfrac{\pi}{6}\right)の周期は6n\piであることがわかります。
基本周期は周期のうち最小の正の数なのでn=1のときの\mathbf{6\pi}となります。
y=cosxとy=cos(x/3 -π/6)のグラフ
 また、「関数のグラフを伸び縮みさせる」と「関数のグラフの平行移動」よりy=\cos\left(\dfrac{x}{3}-\dfrac{\pi}{6}\right)y=\cos xのグラフをx軸方向に3倍した後、x軸方向に-\dfrac{\pi}{6}だけ平行移動したものであるといえるので、周期は2\pi3倍の6\piである、と求めることもできます。
平行移動では周期は変化しません。

 上の問題は基本の三角関数の周期を利用して基本周期を求めましたが、基本周期を求める公式が存在するので、こちらを利用することで簡単に求められます。
\sin(ax+b),\cos(ax+b),\tan(ax+b) (a,b:定数)における周期はそれぞれ
\begin{align*}\sin(ax+b),\cos(ax+b)における周期:&\frac{2\pi}{|a|}\\[1em]\tan(ax+b)における周期:&\frac{\pi}{|a|}\end{align*}
となります。
(2024/12)(3)の解答・解説に誤りがあったので修正しました。
追記しました。
Share:
share
◎Amazonのアソシエイトとして、当サイト「数学について考えてみる」は適格販売により収入を得ています。
Powered by Blogger.

PR

blogmura_pvcount
ブログランキング・にほんブログ村へ