「sinx2sinx2が周期関数でないことを示せ。」
周期関数の定義は
f(x+p)=f(x)(p:定数,p≠0)
が恒等式として成り立つことです。このことと背理法を利用して解きます。
sinx2が周期関数であると仮定すると
sin(x+p)2=sinx2
が常に成り立つような定数pが存在するはずなので、これを満たすpを求めます。
移項して
sin(x+p)2−sinx2=0
和積の公式より
sin(x+p)2−sinx2=2cos{(x+p)2+x22}sin{(x+p)2−x22}=2cos(2x2+2px+p22)sin(2px+p22)
なので、
2cos(2x2+2px+p22)sin(2px+p22)=0cos(2x2+2px+p22)sin(2px+p22)=0
これが成り立つ条件はcos(2x2+2px+p22)=0またはsin(2px+p22)=0となります。
cos(2x2+2px+p22)=0のとき
cos(2x2+2px+p22)=cos(2n+12π)(n:整数)2x2+2px+p22=2n+12π2x2+2px+p2=(2n+1)π2x2+2px+p2−(2n+1)π=0p2+2xp+{2x2−(2n+1)π}=0p=−x±√−x2+(2n+1)π
sin(2px+p22)=0のとき
sin(2px+p22)=sinnπ(n:整数)2px+p22=nπ2px+p2=2nπ2px+p2−2nπ=0p2+2xp−2nπ=0p=−x±√x2+2nπ
いずれの場合でもpはxの関数であり、定数ではありません。
したがって、仮定は誤り、すなわちsinx2は周期関数でないことがわかります。
y=sinx2のグラフを描いてみると上のようになります。周期関数はx軸方向に周期だけ平行移動すると平行移動前のグラフと全く同じ形になることが特徴ですが、y=sinx2のグラフはどのように平行移動しても平行移動前のグラフとは同じ形にならないことがわかります。
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