なぜ、頂点からの距離が等しいという性質がありながら垂直二等分線で作図するのでしょうか?
とに着目すると
点はの中点なのでです。
は共通な辺なのでです。
また、はの垂直二等分線なのでです。
したがって、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいのでとは合同であり、であることがわかります。
とに着目すると
点はの中点なのでです。
は共通な辺なのでです。
また、はの垂直二等分線なのでです。
したがって、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいのでとは合同であり、であることがわかります。
以上よりであることがわかります。
ここでとに着目すると
先ほどの結論よりです。
は共通な辺なのでです。
点はの中点なのでです。
したがって、3組の辺がそれぞれ等しいのでとは合同であり、でより、すなわちはの垂直二等分線であることがわかります。
以上より、三角形の3辺の垂直二等分線はただ1点で交わることがわかります。
また、よりこの点は各頂点までの距離が等しいので、を中心として三角形に外接する円を描くことができます。三角形の外接円の中心点とは、つまり外心のことです。
よって、三角形の3辺の垂直二等分線の交点が外心になることを示すことができました。
次に頂点からの距離が等しい性質を利用して外心を求められないかを考えます。
の1辺に着目すると、頂点からの距離が等しい点とおき、この点が動ける範囲のどこかに外心があると考えることができます。
より、点の動ける範囲はの垂直二等分線上であることがわかります。
頂点から外心までの距離が等しい性質を利用して、3つの頂点の中の2つから等距離になる点を調べて絞り込もうとすると、結局垂直二等分線の作図に行き着くことになります。
それ以外の方法で3つの頂点からの距離が等しいという性質から外心を求めようとすると、等しい距離とはどれくらいの長さなのか?、頂点からどの方向へ直線をのばせばよいか?という問題が出てきます。
しかし、各辺の垂直二等分線上に外心が存在することを利用すれば、最低2辺の垂直二等分線を作図するだけで容易に外心の位置を知ることができます。
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