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2021年8月28日

三角形の内角・外角の二等分線と線分の比の性質

 三角形の内角・外角の二等分線と線分の比の性質とは、
三角形の内角・外角の二等分線と線分の比の性質
$\text{AB}≠\text{AC}$である$△\text{ABC}$の内角$∠\text{A}$の二等分線と辺$\text{BC}$との交点を$\text{D}$、$∠\text{A}$の外角(上図においては辺$\text{AB}$の頂点$\text{A}$側の延長上に点$\text{P}$をとった場合の$∠\text{CAP}$)の二等分線と辺$\text{BC}$の延長との交点を$\text{E}$とすると
\[\large \text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{CD}=\text{BE}:\text{CE}\]
が成り立つというものです。

なぜこれが成り立つのでしょうか?


三角形の内角の二等分線と線分の比

△ABQと△ACRは相似
 $△\text{ABC}$の頂点$\text{B}, \text{C}$から内角$∠\text{A}$の二等分線$\text{AD}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{Q}, \text{R}$とします。
$△\text{ABQ}$と$△\text{ACR}$に着目すると
  • 仮定より$∠\text{BAQ}=∠\text{CAR}$
  • $\text{AD}\perp \text{BQ}, \text{AD}\perp \text{CR}$より$∠\text{AQB}=∠\text{ARC}=90°$
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
すると、相似比より
\begin{equation}\text{AB}:\text{AC}=\text{BQ}:\text{CR}\end{equation}
です。
△BDQと△CDRは相似
次に、$△\text{BDQ}$と$△\text{CDR}$に着目すると
  • $\text{AD}\perp \text{BQ}, \text{AD}\perp \text{CR}$より$∠\text{BQD}=∠\text{CRD}=90°$
  • 対頂角より$∠\text{BDQ}=∠\text{CDR}$
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
すると、相似比より$\text{BD}:\text{CD}=\text{BQ}:\text{CR}$であり、さらに$(1)$より
\begin{equation}\large \text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{CD}\end{equation}
が成り立つことが導けます。

三角形の外角の二等分線と線分の比

 $\text{AB}≠\text{AC}$である$△\text{ABC}$の辺$\text{AB}$の頂点$\text{A}$側の延長上に点$\text{P}$をとったときの外角$∠\text{CAP}$の二等分線が辺$\text{BC}$の延長と交わった場合を考えます。
△ABSと△ACTは相似
頂点$\text{B}, \text{C}$から外角$∠\text{CAP}$の二等分線$\text{AE}$へおろした垂線の足をそれぞれ$\text{S}, \text{T}$とします。
$△\text{ABS}$と$△\text{ACT}$に着目すると
  • 以下の理由により$∠\text{BAS}=∠\text{CAT}$
    • 仮定より$∠\text{CAT}=∠\text{PAT}$
    • 対頂角より$∠\text{PAT}=∠\text{BAS}$
  • $\text{AE}\perp \text{BS}, \text{AE}\perp \text{CT}$より$∠\text{ASB}=∠\text{ATC}=90°$
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
すると、相似比より
\begin{equation}\text{AB}:\text{AC}=\text{BS}:\text{CT}\end{equation}
です。
△BESと△CETは相似
次に、$△\text{BES}$と$△\text{CET}$に着目すると
  • $\text{AE}\perp \text{BS}, \text{AE}\perp \text{CT}$より$∠\text{BSE}=∠\text{CTE}=90°$
  • 共通の角なので$∠\text{BES}=∠\text{CET}$
2組の角がそれぞれ等しいので相似であることがわかります。
すると、相似比より$\text{BE}:\text{CE}=\text{BS}:\text{CT}$であり、さらに$(3)$より
\begin{equation}\large \text{AB}:\text{AC}=\text{BE}:\text{CE}\end{equation}
が成り立つことが導けます。
これは、辺$\text{AC}$の頂点$\text{A}$側の延長上に点$\text{P}$をとったときの外角$∠\text{BAP}$の二等分線が辺$\text{BC}$の延長と交わった場合でも同様に示すことができます。

$(2), (4)$より、
\[\large \text{AB}:\text{AC}=\text{BD}:\text{CD}=\text{BE}:\text{CE}\]
となり、三角形の内角・外角の二等分線と線分の比の性質が成り立つことがわかります。

 三角形の外角の二等分線と線分の比の性質に限り、$\text{AB}≠\text{AC}$という二等辺三角形の頂角の外角でない条件がつく理由は、外角の二等分線が底辺の延長と交わらないためです。
二等辺三角形の頂角の外角の二等分線は底辺と平行なため交わらない
 $\text{AB}=\text{AC}$である二等辺三角形$\text{ABC}$の辺$\text{AB}$の頂点$\text{A}$側の延長上に点$\text{P}$をとり、外角$∠\text{CAP}$の二等分線上の頂点$\text{A}$に関して頂点$\text{C}$と同じ側に点$\text{Q}$をとります。
外角の定理より
\begin{equation}\angle \text{CAP}=\angle \text{ABC}+\angle \text{ACB}\end{equation}
また、
\begin{equation}\angle \text{CAP}=\angle \text{CAQ}+\angle \text{PAQ}\end{equation}
$(5), (6)$と$∠\text{ABC}=∠\text{ACB}, ∠\text{CAQ}=∠\text{PAQ}$より
\begin{align*}\angle \text{ABC}+\angle \text{ACB}&=\angle \text{CAQ}+\angle \text{PAQ}\\[0.5em]2\angle \text{ACB}&=2\angle \text{CAQ}\\[0.5em]\angle \text{ACB}&=\angle \text{CAQ}\end{align*}
となり、$∠\text{ACB}$と$∠\text{CAQ}$は錯角の関係であり等しいことから$\text{BC}//\text{AQ}$であることがわかります。

したがって、$\text{AB}=\text{AC}$のとき、底辺$\text{BC}$と$∠\text{A}$の外角の二等分線は交わりません。

(2026/1)内容を修正しました。

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