このような問題はどのように解けばよいでしょうか?
平行四辺形を対角線で2つに分割すると面積は二等分されるので、平行四辺形\text{ABCD}と△\text{ACD}の面積比は2:1になり、以下のように表すことができます。
\begin{equation}△\text{ACD}=\frac{1}{2}□\text{ABCD}\end{equation}
次に△\text{ACD}と△\text{DEF}を比較します。共通の内角を持つ三角形の面積を求めるでくわしく解説していますが、2つの辺がどのような比で分けられているかがわかっていれば、面積比を知ることができます。
\text{DA, DF}を底辺とすれば、\text{DA}:\text{DF}が底辺の長さの比となります。ここから\text{DA}に対する\text{DE}が\text{DA}の何倍かを求めると
\begin{align*}\text{DA}:\text{DF}&=3:2\\[0.5em]
\text{DF}&=\frac{2}{3}\text{DA}\tag2\end{align*}
となります。
\text{CE}:\text{ED}から\text{CD}:\text{ED}を求めます。
\begin{align*}\text{CE}:\text{ED}&=1:3\\[0.5em] \text{CD}:\text{ED}&=(\text{CE}+\text{ED}):\text{ED}\\[0.5em]
&=(1+3):3=4:3\end{align*}
\text{CD}:\text{ED}は高さの比となります。ここから\text{ED}が\text{CD}の何倍かを求めると
\text{ED}=\frac{3}{4}\text{CD}\tag3
となります。すなわち、△\text{DEF}の高さも△\text{ACD}の\dfrac{3}{4}倍となります。
(2), (3)より、
\begin{align*}△\text{FED}&=\frac{2}{3}\times \frac{3}{4}△\text{ACD}\\[0.5em]
&=\frac{1}{2}△\text{ACD}\end{align*}
(1)より、
\begin{align*}△\text{FED}&=\frac{1}{2}\times \frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em]
&=\frac{1}{4}□\text{ABCD}\end{align*}
となります。
よって、平行四辺形\text{ABCD}と△\text{DEF}の面積の比は
\begin{align*}□\text{ABCD}:△\text{DEF}&=□\text{ABCD}:\frac{1}{4}□\text{ABCD}\\[0.5em]&=1:\frac{1}{4}\\[0.5em]&=4:1\end{align*}
と求めることができます。
応用編
この解き方は以下のような問題にも使うことができます。
「平行四辺形\text{ABCD}の辺\text{BC}上に\text{BC}:\text{BE}=3:2となるような点\text{E}、辺\text{CD}の中点\text{F}、辺\text{DA}を3:1に内分するような点\text{G}がある。
平行四辺形の面積が1である時、四角形\text{AEFG}の面積を求めよ。」
平行四辺形の面積が1である時、四角形\text{AEFG}の面積を求めよ。」
△\text{ABE, }△\text{CEF, }△\text{DFG}の面積を平行四辺形\text{ABCD}の面積から引くことで四角形\text{AEFG}の面積を求めることができます。
△\text{ABE}の面積は、平行四辺形\text{ABCD}を対角線\text{AC}で分割してできる△\text{ABC}と比較すると\text{BC}:\text{BE}=3:2より\text{BE}=\dfrac{2}{3}\text{BC}なので
\begin{align*}△\text{ABE}&=\frac{2}{3}△\text{ABC}\\[0.5em]&=\frac{2}{3}\times
\frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{1}{3}□\text{ABCD}\\[0.5em]
△\text{ABE}&=\frac{1}{3}\tag4\end{align*}
△\text{CEF}の面積は、平行四辺形\text{ABCD}を対角線\text{BD}で分割してできる△\text{BCD}と比較すると\text{BC}:\text{BE}=3:2\\text{L}eftrightarrow
\text{BC}:\text{EC}=3:1より\text{EC}=\dfrac{1}{3}\text{BC}、\text{CD}:\text{CF}=2:1より\text{CF}=\dfrac{1}{2}\text{CD}なので
\begin{align*}△\text{CEF}&=\frac{1}{3}\times
\frac{1}{2}△\text{BCD}\\[0.5em]&=\frac{1}{3}\times \frac{1}{2}\times
\frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{1}{12}□\text{ABCD}\\[0.5em]
△\text{CEF}&=\frac{1}{12}\tag5\end{align*}
△\text{DFG}の面積は、平行四辺形\text{ABCD}を対角線\text{AC}で分割してできる△\text{ACD}と比較すると\text{DG}:\text{GA}=3:1\\text{L}eftrightarrow
\text{DA}:\text{DG}=4:3より\text{DG}=\dfrac{3}{4}\text{DA}、\text{CD}:\text{CF}=2:1より\text{CF}=\dfrac{1}{2}\text{CD}なので
\begin{align*}△\text{DFG}&=\frac{3}{4}\times
\frac{1}{2}\times△\text{ACD}\\[0.5em]&=\frac{3}{4}\times \frac{1}{2}\times
\frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{3}{16}□\text{ABCD}\\[0.5em]
△\text{DFG}&=\frac{3}{16}\end{align*}
(4), (5), (6)より、四角形\text{AEFG}の面積は、
\begin{align*}□\text{AEFG}&=□\text{ABCD-}△\text{ABE-}△\text{CEF-}△\text{DFG}\\[0.5em]
&=1-\frac{1}{3}-\frac{1}{12}-\frac{3}{16}\\[0.5em]
&=1-\frac{29}{48}\\[0.5em] &=\frac{19}{48}\end{align*}
となります。
(2023/8)加筆修正・画像差し替え&追加しました。
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