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2021年8月22日

平行四辺形の中の三角形の面積は?(1つの共通の内角をもつ平行四辺形と三角形の面積)

平行四辺形ABCDとその中の△DEFの面積比は?
 「平行四辺形$\text{ABCD}$の辺$\text{CD}$を$\text{CE}:\text{ED}=1:3$に内分するような点$\text{E}$、辺$\text{DA}$上に$\text{DA}:\text{DF}=3:2$となるような点$\text{F}$がある。このとき平行四辺形$\text{ABCD}$と$△\text{DEF}$の面積の比を求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいでしょうか?

対角線ACを引いて△ACDで考える
 まず平行四辺形の対角線$\text{AC}$を引いて、$△\text{ACD}$について考えます。
平行四辺形を対角線で2つに分割すると面積は二等分されるので、平行四辺形$\text{ABCD}$と$△\text{ACD}$の面積比は$2:1$になり、以下のように表すことができます。
\begin{equation}△\text{ACD}=\frac{1}{2}□\text{ABCD}\end{equation}
△ACDと△DEFの2辺の比
 次に$△\text{ACD}$と$△\text{DEF}$を比較します。共通の内角を持つ三角形の面積を求めるでくわしく解説していますが、2つの辺がどのような比で分けられているかがわかっていれば、面積比を知ることができます。
$\text{DA, DF}$を底辺とすれば、$\text{DA}:\text{DF}$が底辺の長さの比となります。ここから$\text{DA}$に対する$\text{DE}$が$\text{DA}$の何倍かを求めると
\begin{align*}\text{DA}:\text{DF}&=3:2\\[0.5em] \text{DF}&=\frac{2}{3}\text{DA}\tag2\end{align*}
となります。
$\text{CE}:\text{ED}$から$\text{CD}:\text{ED}$を求めます。
\begin{align*}\text{CE}:\text{ED}&=1:3\\[0.5em] \text{CD}:\text{ED}&=(\text{CE}+\text{ED}):\text{ED}\\[0.5em] &=(1+3):3=4:3\end{align*}
$\text{CD}:\text{ED}$は高さの比となります。ここから$\text{ED}$が$\text{CD}$の何倍かを求めると
\[\text{ED}=\frac{3}{4}\text{CD}\tag3\]
となります。すなわち、$△\text{DEF}$の高さも$△\text{ACD}$の$\dfrac{3}{4}$倍となります。
$(2), (3)$より、
\begin{align*}△\text{FED}&=\frac{2}{3}\times \frac{3}{4}△\text{ACD}\\[0.5em] &=\frac{1}{2}△\text{ACD}\end{align*}
$(1)$より、
\begin{align*}△\text{FED}&=\frac{1}{2}\times \frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{1}{4}□\text{ABCD}\end{align*}
となります。
よって、平行四辺形$\text{ABCD}$と$△\text{DEF}$の面積の比は
\begin{align*}□\text{ABCD}:△\text{DEF}&=□\text{ABCD}:\frac{1}{4}□\text{ABCD}\\[0.5em]&=1:\frac{1}{4}\\[0.5em]&=4:1\end{align*}
と求めることができます。

応用編

この解き方は以下のような問題にも使うことができます。
□AEFGの面積は?
「平行四辺形$\text{ABCD}$の辺$\text{BC}$上に$\text{BC}:\text{BE}=3:2$となるような点$\text{E}$、辺$\text{CD}$の中点$\text{F}$、辺$\text{DA}$を$3:1$に内分するような点$\text{G}$がある。
平行四辺形の面積が$1$である時、四角形$\text{AEFG}$の面積を求めよ。」
 $△\text{ABE, }△\text{CEF, }△\text{DFG}$の面積を平行四辺形$\text{ABCD}$の面積から引くことで四角形$\text{AEFG}$の面積を求めることができます。
△ABCと△ABE
$△\text{ABE}$の面積は、平行四辺形$\text{ABCD}$を対角線$\text{AC}$で分割してできる$△\text{ABC}$と比較すると$\text{BC}:\text{BE}=3:2$より$\text{BE}=\dfrac{2}{3}\text{BC}$なので
\begin{align*}△\text{ABE}&=\frac{2}{3}△\text{ABC}\\[0.5em]&=\frac{2}{3}\times \frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{1}{3}□\text{ABCD}\\[0.5em] △\text{ABE}&=\frac{1}{3}\tag4\end{align*}
△BCDと△CEF
$△\text{CEF}$の面積は、平行四辺形$\text{ABCD}$を対角線$\text{BD}$で分割してできる$△\text{BCD}$と比較すると$\text{BC}:\text{BE}=3:2\\text{L}eftrightarrow \text{BC}:\text{EC}=3:1$より$\text{EC}=\dfrac{1}{3}\text{BC}$、$\text{CD}:\text{CF}=2:1$より$\text{CF}=\dfrac{1}{2}\text{CD}$なので
\begin{align*}△\text{CEF}&=\frac{1}{3}\times \frac{1}{2}△\text{BCD}\\[0.5em]&=\frac{1}{3}\times \frac{1}{2}\times \frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{1}{12}□\text{ABCD}\\[0.5em] △\text{CEF}&=\frac{1}{12}\tag5\end{align*}
△ACDと△DFG
$△\text{DFG}$の面積は、平行四辺形$\text{ABCD}$を対角線$\text{AC}$で分割してできる$△\text{ACD}$と比較すると$\text{DG}:\text{GA}=3:1\\text{L}eftrightarrow \text{DA}:\text{DG}=4:3$より$\text{DG}=\dfrac{3}{4}\text{DA}$、$\text{CD}:\text{CF}=2:1$より$\text{CF}=\dfrac{1}{2}\text{CD}$なので
\begin{align*}△\text{DFG}&=\frac{3}{4}\times \frac{1}{2}\times△\text{ACD}\\[0.5em]&=\frac{3}{4}\times \frac{1}{2}\times \frac{1}{2}□\text{ABCD}\\[0.5em] &=\frac{3}{16}□\text{ABCD}\\[0.5em] △\text{DFG}&=\frac{3}{16}\end{align*}
$(4), (5), (6)$より、四角形$\text{AEFG}$の面積は、
\begin{align*}□\text{AEFG}&=□\text{ABCD-}△\text{ABE-}△\text{CEF-}△\text{DFG}\\[0.5em] &=1-\frac{1}{3}-\frac{1}{12}-\frac{3}{16}\\[0.5em] &=1-\frac{29}{48}\\[0.5em] &=\frac{19}{48}\end{align*}
となります。
(2023/8)加筆修正・画像差し替え&追加しました。
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