分数の分子と分母、どちらなのか迷ってしまうものがあると思います。
割り算、横書きの分数、比の値。そして三角比。それぞれどちらが分子、分母になるのかを見ていきます。
割り算、横書きの分数、比の値。そして三角比。それぞれどちらが分子、分母になるのかを見ていきます。
割り算・横書きの分数・比の値
\[A÷B\qquad A/B\qquad A:B\qquad\Longrightarrow\qquad\frac{\ A\ }{B}\]
割り算、横書きの分数、比の値については、実はどれも共通して左が分子、右が分母となります。
割り算は$A$には$B$が何個含まれているか($A$は$B$の何倍か)を知るための計算法なので、分数では基準となる割る数が分母となります。
また、割り算は割る数の逆数とのかけ算に変換できるので、
\[A÷B=A×\frac{1}{B}=\frac{A}{B}\]
となることからも、どちらが分母となるかがわかるかと思います。
横書きの分数は、もともとの分数が左に傾いて崩れたような書き方なので、左が分子、右が分母になります。
読み方は「$B$ぶんの$A$」であるためか逆に書かれてしまうことがありますが、正しくは分子のAの方から書き始めます。間違えないよう注意しましょう。
比の値も左が分子、右が分母となります。
比について国語辞典で調べてみると、
比について国語辞典で調べてみると、
同じ種類の数量AとBがある時、AがBの何倍であるかという関係をAとBの比といい、A:Bで表す。
引用:旺文社 国語辞典 第十版
とあります。
「$A$が$B$の何倍であるか」とあるので、やはり割り算と同様に$A$が分子、$B$が分母となります。
三角比
三角比は直角三角形の角と辺の位置関係で決まっています。
図1のような直角三角形を考えた時、$\sin\theta,\cos\theta,\tan\theta$はそれぞれ以下のようになります。
図1 直角三角形と三角比 |
$\sin\theta$は斜辺と$\theta$から遠い辺で$\frac{B}{R}$、
$\cos\theta$は斜辺と$\theta$を挟む辺で$\frac{A}{R}$、
$\tan\theta$は$\theta$に近い辺と遠い辺で$\frac{B}{A}$
$\sin$と$\cos$については、必ず斜辺が分母となります。
また、図2のような原点を中心とする半径$R=1$の円(単位円)で考えると、$\theta$はx軸の正の部分と斜辺とのなす角として、
図2 単位円の中の直角三角形 |
\[\cos\theta=\frac{A}{1}=A\]
となるため、$\cos\theta$は斜辺の円周上の端のx座標を表します。
\[\sin\theta=\frac{B}{1}=B\]
となるため、$\sin\theta$は斜辺の円周上の端のy座標を表します。
以上のことを意識すると$\tan\theta$自体とその分数の分母と分子が何を表すのかがわかりやすいのではないでしょうか?
$\tan\theta$は斜辺の傾きを表します。$A$はx座標、$B$はy座標の変化量となります。
また上記の関係より、
また上記の関係より、
\[\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}\]
という式が成り立つことがわかります。
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