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2021年8月20日

√(-5)^2の答えはなぜ-5じゃなくて5なのか?

 $\sqrt{(-5)^2}$(ルート括弧マイナス5の2乗)の答えは$-5$ではなく$5$になります。
ルートと2乗が打ち消し合ったら$-5$じゃん!と考えてしまうかもしれませんが、ちゃんと計算してみると納得します。


\[\sqrt{(-5)^2}=\sqrt{25}=5\]
$(-5)^2$(マイナス5の2乗)は$25$、$\sqrt{25}$は$5$となるので、$5$が正しいのです。

 でもなぜ$-5$を不正解としているのでしょうか?これは平方根がどういったものであるのかを振り返れば理解できます。

根号√は平方根を表すときにもちいられますが、ある数の平方根には正と負の2つがあります。

例えば、正の実数$A$の平方根は正の平方根$\sqrt{A}$と負の平方根$-\sqrt{A}$の2つがあります。2つをまとめて$\pm\sqrt{A}$とも表されますね。 

平方根の書き方に着目すると正負は平方根の前につけた符号で区別しています。ここで、正の数を書くときは$+$を省略することができることから、平方根の前に符号を付けていないときは正の数を表します。もしくは符号を取り払った状態、すなわち絶対値とも考えられるから、やはり正の値を持つと言えます。

以上から$\sqrt{A}$について「$\sqrt{A}$はAの正の平方根、またはAの平方根の絶対値である」と言えます。 

特に$\sqrt{A^2}$については「$A^2$の平方根の絶対値」ということを利用すれば、$A^2$の平方根が$\pm A$であることから
\[\sqrt{A^2}=|\pm A|=|A|\]
となります。 


したがって、上の$\sqrt{(-5)^2}$は正の値でなければならないということになります。ただ根号と2乗を取り払っただけの$-5$は負の数なので不正解というわけです。
平方根の絶対値であるということを利用すれば、$-5$の絶対値、すなわち$|-5|=5$が正解となります。

 上記のような問の場合は見ただけで簡単に答えられますが、しっかり計算しないと答えに迷うものが出てきます。

例えば、$\sqrt{(\sqrt{5}-5)^2}$(ルート括弧ルート5マイナス5の2乗)の場合どうなるでしょうか?

\begin{align*}\sqrt{5}<5なので\sqrt{5}-5&<0\\ \sqrt{(\sqrt{5}-5)^2}&=|\sqrt{5}-5|\\ &=5-\sqrt{5}\end{align*}
$\sqrt{5}$は5($=\sqrt{25}$)より小さい値です。なので$\sqrt{5}-5$は負の値となります。
上記の通り、$\sqrt{A}$は正の値でないといけないので、$\sqrt{5}-5$ではなく正の数となる$5-\sqrt{5}$が答えとなります。

 2乗にルートがかかっているときは、その中身が正と負のどちらになるのかに注意して計算しましょう。
出典:Plumbago雑記(改変あり)
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