正の数についてならばは成り立つでしょうか?また、その逆は成り立つでしょうか?
ならば
を以下のように変形します。
ここで、はそれぞれの正の平方根をもちいてと書けるので
因数分解公式より
よりなので両辺をで割ると
ゆえに
なので、命題「ならば」は真であることがわかります。
ちなみに正の平方根に限定せずそれぞれの平方根をどのような組み合わせでもちいたとしても同様にが導かれます。
を正の平方根、を負の平方根で表すと
と書けるので
よりなので両辺をで割ると
因数分解公式より
ゆえに
を負の平方根、を正の平方根で表すと
と書けるので
よりなので両辺をで割ると
因数分解公式より
ゆえに
ともに負の平方根で表すと
と書けるので
よりなので両辺をで割ると
因数分解公式より
ゆえに
ならば
命題「ならば」の逆は「ならば」です。これが真であるかを調べます。
これは上述の「ならば」が真であるかを調べた手順を逆にたどるようにすれば調べることができます。
すなわち、
を変形すると
ゆえに
というような手順です。
両辺にを掛けます。よりなので
このように命題「ならば」が真であることを知ることができますが、他の方法でも確かめてみます。
の両辺にを掛けます。は正の実数よりなので
また、の両辺にを掛けます。なので
より
となるので、命題「ならば」は真であることがわかります。
以上より命題「ならば」とその逆「ならば」はともに真なので、とは同値であることがわかります。
また、のとる値の範囲を非負実数に拡張しても同値となりますが、実数にまで拡張してしまうとのいずれかが負の数のときのいずれかが大小比較できない虚数となって平方根のほうの不等式が成立しなくなるので同値でなくなります。
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