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2024年2月15日

正の数a、bについてa<bと√a<√bは同値?

 正の数a,ba,bについてa<ba<bならばa<ba<bは成り立つでしょうか?また、その逆は成り立つでしょうか?


a<ba<bならばa<ba<b

 a<ba<bを以下のように変形します。
ba>0ba>0
ここで、a,ba,bはそれぞれの正の平方根をもちいてa=(a)2,b=(b)2a=(a)2,b=(b)2と書けるので
(b)2(a)2>0(b)2(a)2>0
因数分解公式x2y2=(x+y)(xy)x2y2=(x+y)(xy)より
(b+a)(ba)>0(b+a)(ba)>0
a>0,b>0a>0,b>0よりb+a>0b+a>0なので両辺をb+ab+aで割ると
ba>0ba>0
ゆえに
a<b
なので、命題「a<bならばa<b」は真であることがわかります。
ちなみに正の平方根に限定せずa,bそれぞれの平方根をどのような組み合わせでもちいたとしても同様にa<bが導かれます。

aを正の平方根、bを負の平方根で表すと

a=(a)2,b=(b)2と書けるので
(b)2(a)2>0
因数分解公式x2y2=(x+y)(xy)より
(b+a)(ba)>0{(ba)}{(b+a)}>0(ba)(b+a)>0
a>0,b>0よりb+a>0なので両辺をb+aで割ると
ba>0
ゆえに
a<b

aを負の平方根、bを正の平方根で表すと

a=(a)2,b=(b)2と書けるので
(b)2(a)2>0
因数分解公式x2y2=(x+y)(xy)より
{b+(a)}{b(a)}>0(ba)(b+a)>0
a>0,b>0よりb+a>0なので両辺をb+aで割ると
ba>0
ゆえに
a<b

a,bともに負の平方根で表すと

a=(a)2,b=(b)2と書けるので
(b)2(a)2>0
因数分解公式x2y2=(x+y)(xy)より
{(b)+(a)}{(b)(a)}>0(ba)(b+a)>0{(b+a)}{(ba)}>0(ba)(b+a)>0
a>0,b>0よりb+a>0なので両辺をb+aで割ると
ba>0
ゆえに
a<b

a<bならばa<b

 命題「a<bならばa<b」の逆は「a<bならばa<b」です。これが真であるかを調べます。
これは上述の「a<bならばa<b」が真であるかを調べた手順を逆にたどるようにすれば調べることができます。
すなわち、
a<bを変形すると
ba>0
両辺にb+aを掛けます。a>0,b>0よりb+a>0なので
(b+a)(ba)>0(b)2(a)2>0ba>0
ゆえに
a<b
というような手順です。
このように命題「a<bならばa<b」が真であることを知ることができますが、他の方法でも確かめてみます。
a<bの両辺にaを掛けます。aは正の実数よりa>0なので
(a)2<aba<ab
また、a<bの両辺にbを掛けます。b>0なので
ab<(b)ab<b
(1),(2)より
a<b
となるので、命題「a<bならばa<b」は真であることがわかります。

以上より命題「a<bならばa<b」とその逆「a<bならばa<b」はともに真なので、a<ba<bは同値であることがわかります。

また、a,bのとる値の範囲を非負実数に拡張しても同値となりますが、実数にまで拡張してしまうとa,bのいずれかが負の数のときa,bのいずれかが大小比較できない虚数となって平方根のほうの不等式が成立しなくなるので同値でなくなります。

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