線分$AB$は点$A$と点$B$の間を結ぶ真っ直ぐな線ですが、有向線分$AB$はさらに点$A$から点$B$への向きをもち、点$A$から点$B$へ向かう矢印として表します。
ベクトル(ここでのベクトルとは幾何ベクトルのことです)とは、向きと大きさをもつ量のことで、これを表すのに有向線分をもちいます。例えば有向線分$AB$によって表されるベクトルをベクトル$AB$と呼びます。
ベクトルの向きは有向線分の向き、ベクトルの大きさは有向線分の長さによって表されます。
ベクトルの向きは有向線分の向き、ベクトルの大きさは有向線分の長さによって表されます。
有向線分とこれをもちいて表すベクトルは同じもののように思えますが違う点があります。それは同一であるといえる条件です。
有向線分が始点の位置、向き、長さの3要素で構成されていると考えれば、その中の向きと長さの2要素だけで構成されているものがベクトルであるといえます。
また、2つのものが同一であるとはそれらのもつすべての要素が同じであることといえます。
なので、2つの有向線分が同一であるためには始点の位置、向き、長さのすべてが同じである必要がありますが、2つのベクトルの場合は始点の位置を除いた向きと長さが同じであるだけで同一であるといえます。
例としては以下のようになります。
これらは同じ向き、同じ長さの有向線分なので向きや長さに関して等しい有向線分ではありますが、同一の有向線分ではありません。
ベクトル$AB$とベクトル$CD$は同じ向き、同じ大きさをもつベクトルであるため同一のベクトルとなります。すなわち、向きや大きさに関して等しいというだけでなく全く同じベクトルであるといえます。
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