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2022年1月22日

三角形の内角の二等分線の長さは?

三角形の内角の二等分線と比の関係
 上図のようにABCAの二等分線APを引くと
BP:PC=AB:AC
という関係が成り立ちます。

ここでAの二等分線APの長さについて考えてみるとどのような関係が見えるのでしょうか?


 ABCAの二等分線APを引き、BAP=PAC=θとします。
△ABPで余弦定理
ABPにおいて余弦定理より
BP2=AB2+AP22ABAPcosθ
が成り立ちます。これをcosθについて解くと
2ABAPcosθ=AB2+AP2BP2(1)cosθ=AB2+AP2BP22ABAP
となります。
△ACPで余弦定理
ACPにおいて余弦定理より
CP2=AC2+AP22ACAPcosθ
が成り立ちます。これをcosθについて解くと
2ACAPcosθ=AC2+AP2CP2(2)cosθ=AC2+AP2CP22ACAP
となります。

 (1),(2)より
\frac{\text{AB}^2+\text{AP}^2-\text{BP}^2}{2\text{AB}\cdot \text{AP}}&=\frac{\text{AC}^2+\text{AP}^2-\text{CP}^2}{2\text{AC}\cdot    \text{AP}}
両辺に2ABACAPを掛けて
AC(AB2+AP2BP2)=AB(AC2+AP2CP2)
展開して整理すると
(\text{AB-AC})\text{AP}^2&=(\text{AB-AC})\text{AB}\cdot \text{AC-AC}\cdot \text{BP}^2+\text{AB}\cdot \text{CP}^2
ここで角の二等分線と比の性質BP:PC=AB:ACより
PCAB=BPAC
が成り立つので代入すると
(AB-AC)AP2=(AB-AC)ABAC-ABBPCP+ACBPCP=(AB-AC)AP2=(AB-AC)ABAC-(AB-AC)BPCP
両辺をAB-ACで割ると(ただしAB-AC0
(*)AP2=ABAC-BPCP
となり、三角形の内角の二等分線の長さと3辺の長さとの間には上式のような関係が成り立つことがわかります。
この式の両辺の正の平方根をとれば
AP=ABAC-BPCP
となり、三角形の内角の二等分線の長さを求められるようになります。

 AB=ACのとき、すなわちABCが二等辺三角形のときはAの二等分線はBCの垂直二等分線でもあるので、BP=CPとなります。
するとAB=AC=s,BP=CP=tとすればABPでもACPでも三平方の定理より
AP2=s2t2
が成り立ちます。これは()AB=AC=s,BP=CP=tを代入した場合のものと同一の式です。
したがって、AB, ACの長さに関わらず常に()の式が成り立つことがわかります。

 スチュワートの定理を利用することでも同じ式を導くことができます。

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