循環小数を等比数列の和で表すとどのようになるでしょうか?
例として、
0.˙1˙3=0.1313131313⋯
という循環小数を等比数列の和で表してみます。
循環小数は、
0.˙1˙3=0.13+0.0013+0.000013+⋯
より見やすく書くなら
0.˙1˙3=0.13+0.0013+0.000013+0.00000013+0.0000000013+⋮
のように分解できます。
各項を分数で表すと、
0.˙1˙3=13100+1310000+131000000+⋯
さらに、分母を10の累乗で表すと
0.˙1˙3=13102+13104+13106+⋯
さらにさらに変形すれば
0.˙1˙3=13102+1102⋅13102+(1102)2⋅13102+⋯
となり、各項は初項
13102、公比
1102の等比数列で、循環小数はその和であることがわかります。
この等比数列の一般項は
an=13102(1102)n
であるため、初項から
n番目の項までの和は、等比数列の和の公式
n∑k=1=a(1−rn)1−r(a:初項,r:公比)
より
13102{1−(1102)n}1−1102
となります。
しかしこれは第n項で作れる桁(小数点2n位)までのもので、本来循環小数は無限小数でもあるので小数点以下の桁は無限に続きます。
なので、極限を使ってより正確な等比数列の和(無限等比級数)を導きます。
limn→∞13102{1−(1102)n}1−1102
nがついているのは
(1102)nだけです。これは
1未満のべき乗なので
nを大きくすれば限りなく
0に近づきます。したがって、
limn→∞13102{1−(1102)n}1−1102=131021−1102
に収束します。
あとは分母と分子に
102を掛けると、
131021−1102×102102=13102−1=13100−1=1399−−−
となります。これが循環小数
0.˙1˙3を分数で表したものになります。
逆に分数を循環小数にするにはそのまま
13÷99を計算しても良いですが、
1399=13100−1=13102−1×11021102=131021−1102
と変形した後、平方根を含む分数の有理化のように分母と分子に
1+1102を掛けると
13102(1+1102)(1−1102)(1+1102)=13102(1+1102)1−1104
分母が
1−1104になったので、次は分母と分子に
1+1104を掛けて
13102(1+1102)(1+1104)(1−1104)(1+1104)=13102(1+1102)(1+1104)1−1108
次は分母と分子に
1+1108を掛けて
13102(1+1102)(1+1104)(1+1108)1−11016
この計算を続けていくと分母は
1に近づいていくので
131021−1102≒13102(1+1102)(1+1104)(1+1108)(1+11016)⋯
となります。
これを展開すると
13102(1+1102+1104+1106+1108+11010+⋯)=13102+13104+13106+13108+131010+⋯=0.13+0.0013+0.000013+0.00000013+0.0000000013+⋯=0.1313131313⋯=0.˙1˙3
となり、循環小数にすることができます。