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2022年1月29日

2次不等式 mの条件内で常に成り立つxの値の範囲は?

「2次不等式$x^2+mx-24<0$の$m$を$2<m<6$の範囲で変化させたとき、2次不等式が常に成り立つ$x$の値の範囲を求めよ。」

このような問題はどのように解けばよいでしょうか?


 2次不等式が常に成り立つ$x$の値の範囲とは、$m$が変化しても不等式の解となり続ける$x$の値の範囲を指します。
まずはこの2次不等式が$m$の値の変化によってどのように$x$の値の範囲が変化するのかがわからないので、2次関数$y=x^2+mx-24$のグラフが$m$の値によってどのように変化するかを調べます。
この2次関数を平方完成すると
\begin{align*}y&=x^2+mx-24\\[0.5em]&=\left(x^2+mx+\frac{m^2}{4}\right)-\frac{m^2}{4}-24\\[0.5em]&=\left(x+\frac{m}{2}\right)^2-\frac{m^2}{4}-24\end{align*}
となるので、頂点の座標は$\left(-\dfrac{m}{2},-\dfrac{m^2}{4}-24\right)$であるとわかります。
このことから、$2<m<6$の範囲で$m$の値が増加すると頂点はx座標、y座標ともに負の方向(左下方向)へ移動します。
mの増加とグラフの変化
$2<m<6$の範囲でできる2次関数のグラフのうち$m=2$のときのグラフが最も右側、$m=6$のときのグラフが最も左側になります。

グラフの位置関係から2次不等式の解となり続ける$x$の値の範囲は、この2つの2次関数の$y<0$となる$x$の値の範囲の重なった部分であることがわかります。

 次に、$m=2,6$それぞれの場合の2次不等式を解きます。
$m=2$のときの2次不等式を解くと、
\begin{align*}x^2+2x-24&<0\\[0.5em](x+6)(x-4)&<0\\[0.5em]-6<x<4\tag{a}\end{align*}
$m=6$のときの2次不等式を解くと
\[x^2+6x-24<0\]
ここで$x^2+6x-24=0$を解くと解の公式より
\begin{align*}x&=\frac{-6\pm\sqrt{6^2-4\cdot(-24)}}{2}\\[0.5em]&=\frac{-6\pm2\sqrt{33}}{2}\\[0.5em]&=-3\pm\sqrt{33}\end{align*}
なので、
\[-3-\sqrt{33}<x<-3+\sqrt{33}\tag{b}\]
$\text{(a)}$と$\text{(b)}$の重なる部分が問題の答えとなりますが、そもそも重なるのかがこのままだと判断できないので、各範囲の端となる$x$の値の大小関係を調べます。
$\sqrt{33}$は、
\[5=\sqrt{25}<\sqrt{33}<\sqrt{36}=6\]
なので
\begin{align*}-9<-3-\sqrt{33}<-8\\[0.5em]2<-3+\sqrt{33}<3\end{align*}
したがって、
\[-3-\sqrt{33}<-6<-3+\sqrt{33}<4\]
となります。
この大小関係より、求める答えは$-6<x<-3+\sqrt{33}$となります。
グラフで2つの2次関数と$\text{(a),(b)}$を表すと以下のようになります。
グラフで見る2次不等式の解の共通部分

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