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2022年1月23日

交差したはしごの問題(Crossed ladders problem)の高さの関係

 日本語版がないWikipediaの"Crossed ladders problem"にある高さの関係について調べてみました。

交差したはしご
図1 交差したはしごの高さ

 直角三角形ABCとBCを共有する直角三角形DBCがあります。ACとDBの交点EからBCに垂線をおろし、BCとの交点をFとします。
このときAB、DC、EFの長さをそれぞれa,b,hとすると以下のような関係があります。
\frac{1}{h}=\frac{1}{a}+\frac{1}{b}

なぜこのような関係が成り立つのでしょうか?

 図1のBC、FC、BFの長さをl,l_1,l_2とし、△ABCと△EFCについて考えます。
図2 △ABCと△EFC

この2つの三角形は相似なので、それぞれの三角形の2辺の比は等しくなります。

\begin{equation}l:a=l_1:h\end{equation}

次に△DBCと△EBFについて考えます。
図3 △DBCと△EBF

この2つの三角形も相似なので、それぞれの三角形の2辺の比は等しくなります。

\begin{equation}l:b=l_2:h\end{equation}

 (1)、(2)を比の値にすると
\begin{align}\begin{aligned}(1)\\ \frac{l}{a}&=\frac{l_1}{h}\end{aligned}\\ \begin{aligned}(2)\\ \frac{l}{b}&=\frac{l_2}{h}\end{aligned}\end{align}
(3)と(4)を足して
\begin{align*}\frac{l}{a}+\frac{l}{b}&=\frac{l_1}{h}+\frac{l_2}{h}\\ \\ &=\frac{l_1+l_2}{h}\end{align*}
ここで、l=l_1+l_2なので
\frac{l}{a}+\frac{l}{b}=\frac{l}{h}
両辺をlで割って左右を入れ替えれば
\begin{equation}\large{\frac{1}{h}=\frac{1}{a}+\frac{1}{b}}\end{equation}
を導くことができました。

 BCを共通する底辺としたとき、aを高さとする三角形は△ABC、bを高さとする三角形は△DBC、hを高さとする三角形は△EBCであることを踏まえ、(5)の両辺を\dfrac{1}{2}lで割ると
\begin{equation}\frac{1}{△EBC}=\frac{1}{△ABC}+\frac{1}{△DBC}\end{equation}
が成り立ちます。

図4 高さが不明な場合

また、図4のようにAB、DC、EFがBCに垂直でないものの平行である場合でも(5)は成り立ちます。△ABC、△DBC、△EBCの高さはa,b,hに比例するため(6)も成り立ちます。

 Wikipediaの同ページに"Extended crossed ladders theorem(拡張した交差したはしごの定理)"という項目があります。
Ladder theorem
図5 拡張した交差したはしごの定理

図5のように△ABCに頂点CからABへ線を引きその交点をD、頂点BからACへ線を引きその交点をEとし、CD、BEの交点をFとしたとき、以下のような関係があります。

\frac{1}{△ABC}+\frac{1}{△FBC}=\frac{1}{△DBC}+\frac{1}{△EBC}
これを(5)の証明と同様な流れで示すことができます。
Ladder theorem
図6 各垂線と底辺の長さ

点D、F、E、AからBCへ垂線をおろし、BCとの交点をそれぞれP、Q、R、Sとします。
各垂線の長さはDP=a,ER=b,FQ=h,AS=Hとし、BC=lとして各線分の長さをQC=l_1,PC=l_2,BQ=l_3,BR=l_4,BP=l_5,BS=l_6,RC=l_7,SC=l_8とします。
ごちゃごちゃしているので図6にまとめました。

△DPCと△FQCについて考えます。
はしごの定理
図7 △DPCと△FQC

これら三角形は相似なので、2辺の比は等しくなります。

\begin{equation}l_1:h=l_2:a\end{equation}

次は△EBRと△FBQについて考えます。

はしごの定理
図8 △EBRと△FBQ

これら三角形は相似なので、2辺の比は等しくなります。

\begin{equation}l_3:h=l_4:b\end{equation}

△ABSと△DBPについて考えます。

はしごの定理
図9 △ABSと△DBP

これら三角形は相似なので、2辺の比は等しくなります。

\begin{equation}l_6:H=l_5:a\end{equation}

△ASCと△ERCについて考えます。

はしごの定理
図10 △ASCと△EQC

これら三角形は相似なので、2辺の比は等しくなります。

\begin{equation}l_8:H=l_7:b\end{equation}
(7)、(8)、(9)、(10)を比の値にすると
\begin{align}\begin{aligned}(7)\\ \frac{l_1}{h}&=\frac{l_2}{a}\end{aligned}\\ \begin{aligned}(8)\\ \frac{l_3}{h}&=\frac{l_4}{b}\end{aligned}\\ \begin{aligned}(9)\\ \frac{l_6}{H}&=\frac{l_5}{a}\end{aligned}\\ \begin{aligned}(10)\\ \frac{l_8}{H}&=\frac{l_7}{b}\end{aligned}\end{align}
(11)、(12)、(13)、(14)を足すと
\begin{align*}\frac{l_1}{h}+\frac{l_3}{h}+\frac{l_6}{H}+\frac{l_8}{H}&=\frac{l_2}{a}+\frac{l_4}{b}+\frac{l_5}{a}+\frac{l_7}{b}\\ \\ \frac{l_6+l_8}{H}+\frac{l_1+l_3}{h}&=\frac{l_2+l_5}{a}+\frac{l_4+l_7}{b}\end{align*}
図6より
l=l_1+l_3=l_2+l_5=l_4+l_7=l_6+l_8
なので、
\frac{l}{H}+\frac{l}{h}=\frac{l}{a}+\frac{l}{b}
両辺をlで割ると
\frac{1}{H}+\frac{1}{h}=\frac{1}{a}+\frac{1}{b}
となります。
H,h,a,bはそれぞれ△ABC、△FBC、△DBC、△EBCの高さとなるので、両辺を\dfrac{1}{2}lで割ると
\large{\frac{1}{△ABC}+\frac{1}{△FBC}=\frac{1}{△DBC}+\frac{1}{△EBC}}
が成り立つことがわかります。

外部リンク:Crossed ladders problem - Wikipedia

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