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2022年1月6日

方べきの定理はなぜ成り立つ?

 なぜ方べきの定理が成り立つのか調べてみました。


方べきの定理1
 方べきの定理とは、円の2本の弦$AB,CD$、またはそれらの延長の交点$P$から円周上の各点の距離の関係を表した定理で、上図の$\mathrm{(a),(b)}$の場合は、
\[AP\cdot BP=CP\cdot DP\]
が成り立ちます。
方べきの定理2
上図$\mathrm{(c)}$のように接線$AP$と弦$BC$の延長が点$P$で交わっている場合は
\[{AP}^2=BP\cdot CP\]
が成り立ちます。

 これらが成立することを証明してみます。

$\mathrm{(a)}$

方べきの定理 証明1
 $AC,BD$を引き、$△PAC$と$△PDB$について考えます。
円周角の定理より
\begin{align*}\angle PAC&=\angle PDB\\[1em] \angle PCA&=\angle PBD\end{align*}
2組の角がそれぞれ等しいので$△PAC$と$△PDB$は相似であることがわかります。
その相似比より$AP:DP=CP:BP$が成り立つ、すなわち
\[AP\cdot BP=CP\cdot DP\]
が成り立つことがわかります。

$\mathrm{(b)}$

方べきの定理 証明2
 $AC,BD$を引き、$△PAC$と$△PDB$について考えます。
円に内接する四角形の対角の性質より
\begin{align*}\angle PAC&=\angle PDB\\[1em] \angle PCA&=\angle PBD\end{align*}
2組の角がそれぞれ等しいので、$△PAC$と$△PDB$は相似であることがわかります。
その相似比より$AP:DP=CP:BP$が成り立つ、すなわち
\[AP\cdot BP=CP\cdot DP\]
が成り立つことがわかります。

$\mathrm{(c)}$

方べきの定理 証明3
 $AB,AC$を引き、$△PAB$と$△PCA$について考えます。
共通な角なので、$∠APB=∠CPA$です。
接弦定理より$∠PAB=∠PCA$です。
2組の角がそれぞれ等しいので$△PAB$と$△PCA$は相似であることがわかります。
その相似比より$AP:CP=BP:AP$が成り立つ、すなわち
\[AP^2=BP\cdot CP\]
が成り立つことがわかります。

以上より方べきの定理が成立することがわかりました。


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