$\mathbf{\text{(a),(b)}}:$ 2本の弦$AB,CD$、またはそれらの延長が点$P$で交わるとき、$AP\cdot BP=CP\cdot DP$が成り立つ。
$\mathbf{\text{(c)}}:$ 点$A$を通る接線と弦$BC$の延長が点$P$で交わるとき、$AP^2=BP\cdot CP$が成り立つ。
では、方べきの定理の逆とはどういったものとなり、それは成り立つでしょうか?
$\mathbf{\text{(a),(b)}}:$ 点$P$で交わる2直線$l,m$のうち直線$l$上にとった点$A,B$と直線$m$上にとった点$C,D$について、4点$A,B,C,D$が同一円周上にあるならば$AP\cdot BP=CP\cdot DP$が成り立つ。
$\mathbf{\text{(c)}}:$ 点$P$で交わる2直線$l,m$のうち直線$l$上にとった点$A$、直線$m$上にとった点$B,C$について、直線$AP\ (l)$が3点$A,B,C$を通る円の接線ならば$AP^2=BP\cdot CP$が成り立つ。
$\mathbf{\text{(a),(b)の逆}}:$ 点$P$で交わる2直線$l,m$のうち直線$l$上にとった点$A,B$と直線$m$上にとった点$C,D$について、$AP\cdot BP=CP\cdot DP$が成り立つならば4点$A,B,C,D$は同一円周上にある。
$\mathbf{\text{(c)の逆}}:$ 点$P$で交わる2直線$l,m$のうち直線$l$上にとった点$A$、直線$m$上にとった点$B,C$について、$AP^2=BP\cdot CP$が成り立つならば直線$AP\ (l)$は3点$A,B,C$を通る円の接線となる。
$\text{(a)}$の逆
- 仮定より$AP\cdot BP=CP\cdot DP$
-
これの両辺を$BP\cdot DP$で割り、変形すると
\begin{align*}\frac{AP\cdot BP}{BP\cdot DP}&=\frac{CP\cdot DP}{BP\cdot DP}\\[0.5em]\frac{AP}{DP}&=\frac{CP}{BP}\\[0.5em]\therefore AP:DP&=CP:DP\tag1\end{align*}
-
対頂角より
\[∠APC=∠DPB\tag2\]
これらの角は直線$BC$に関して同じ側にある角なので、円周角の定理の逆より4点$A,B,C,D$は同一円周上にあることがわかります。
したがって、$\text{(a)}$の逆が成り立つことがわかります。
$\text{(b)}$の逆
- 仮定より$AP\cdot BP=CP\cdot DP$
-
これの両辺を$BP\cdot DP$で割り、変形すると
\begin{align*}\frac{AP\cdot BP}{BP\cdot DP}&=\frac{CP\cdot DP}{BP\cdot DP}\\[0.5em]\frac{AP}{DP}&=\frac{CP}{BP}\\[0.5em]\therefore AP:DP&=CP:DP\tag3\end{align*}
-
共通の角より
\[∠APC=∠DPB\tag4\]
したがって、$\text{(b)}$の逆が成り立つことがわかります。
$\text{(c)}$の逆
- 仮定より$AP^2=BP\cdot CP$
-
これの両辺を$AP\cdot CP$で割り、変形すると
\begin{align*}\frac{AP^2}{AP\cdot CP}&=\frac{BP\cdot CP}{AP\cdot CP}\\[0.5em]\frac{AP}{CP}&=\frac{BP}{AP}\\[0.5em]\therefore AP:CP&=BP:AP\tag7\end{align*}
-
共通の角より
\[∠APB=∠CPA\tag8\]
$△ABC$と$(9)$に着目すれば接弦定理の逆より直線$AP$は3点$ABC$を通る円の接線となることがわかります。
したがって、$\text{(c)}$の逆が成り立つことがわかります。