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2023年7月17日

スチュワートの定理

スチュワートの定理
 ABCABCの辺BCBC上に点PPをうち、線分APAPを引くと
CPAB2+BPAC2=BC(AP2+BPCP)CPAB2+BPAC2=BC(AP2+BPCP)
という関係が成り立ちます。この関係のことをスチュワートの定理といいます。

なぜこれが成り立つといえるのでしょうか?


 余弦定理を利用して成り立つことを確かめます。
ABCABCの辺BCBC上に点PPをうち、APB=θAPB=θとします。
スチュワートの定理 △ABPで余弦定理
 ABPABPに着目して、余弦定理より
AB2=AP2+BP22APBPcosθAB2=AP2+BP22APBPcosθ
が成り立ちます。
これをcosθcosθについて解くと
2APBPcosθ=AP2+BP2AB2cosθ=AP2+BP2AB22APBP2APBPcosθ=AP2+BP2AB2cosθ=AP2+BP2AB22APBP(1)
となります。

スチュワートの定理 △ACPで余弦定理
 次にACPACPに着目するとAPB=θAPB=θよりAPC=180°θAPC=180°θなので、余弦定理より
AC2=AP2+CP22APCPcos(180°θ)AC2=AP2+CP22APCPcos(180°θ)
が成り立ちます。
また、三角関数の性質よりcos(180°θ)=cosθcos(180°θ)=cosθなので
AC2=AP2+CP22APCP(cosθ)=AP2+CP2+2APCPcosθAC2=AP2+CP22APCP(cosθ)=AP2+CP2+2APCPcosθ
となり、cosθcosθについて解くと
2APCPcosθ=AC2AP2CP2cosθ=AC2AP2CP22APCP2APCPcosθ=AC2AP2CP2cosθ=AC2AP2CP22APCP(2)
となります。

 (1),(2)(1),(2)より
AP2+BP2AB22APBP=AC2AP2CP22APCPAP2+BP2AB2BP=AC2AP2CP2CPCP(AP2+BP2AB2)=BP(AC2AP2CP2)CPAB2+BPAC2=(BP+CP)AP2+BPCP(BP+CP)=(BP+CP)(AP2+BPCP)AP2+BP2AB22APBP=AC2AP2CP22APCPAP2+BP2AB2BP=AC2AP2CP2CPCP(AP2+BP2AB2)=BP(AC2AP2CP2)CPAB2+BPAC2=(BP+CP)AP2+BPCP(BP+CP)=(BP+CP)(AP2+BPCP)
BP+CP=BCBP+CP=BCより
CPAB2+BPAC2=BC(AP2+BPCP)CPAB2+BPAC2=BC(AP2+BPCP)
となり、スチュワートの定理が成り立つことがわかります。

 点PPが辺BCBCm:nm:nに内分すると考えるとBP=mm+nBC, CP=nm+nBCBP=mm+nBC, CP=nm+nBCとなるので、スチュワートの定理の式は以下のように変形できます。
nm+nBCAB2+mm+nBCAC2=BC{AP2+mn(m+n)2BC2}nm+nBCAB2+mm+nBCAC2=BC{AP2+mn(m+n)2BC2}
両辺にm+nBCm+nBCを掛ければ
nAB2+mAC2=(m+n)AP2+mnm+nBC2nAB2+mAC2=(m+n)AP2+mnm+nBC2

 点PPが辺BCBCの中点であるとき、BP=CP, BC=2BPBP=CP, BC=2BPとなるためスチュワートの定理の式は
BPAB2+BPAC2=2BP(AP2+BP2)AB2+AC2=2(AP2+BP2)BPAB2+BPAC2=2BP(AP2+BP2)AB2+AC2=2(AP2+BP2)
となり、中線定理の式となります。

 線分APAPBACBACの二等分線であるとき、スチュワートの定理から線分APAPの長さを求める式をつくることができます。
三角形の内角の二等分線と比の性質よりBP:CP=AB:ACBP:CP=AB:ACが成り立ち、これを変形するとCPAB=BPACCPAB=BPACとなります。
スチュワートの定理の式を変形します。
CPAB2+BPAC2=BCAP2+BCBPCPBCAP2=CPAB2+BPAC2BCBPCPCPAB2+BPAC2=BCAP2+BCBPCPBCAP2=CPAB2+BPAC2BCBPCP
ここで、CPAB=BPACCPAB=BPACより
BCAP2=BPABAC+CPABACBCBPCP=(BP+CP)ABACBCBPCPBCAP2=BPABAC+CPABACBCBPCP=(BP+CP)ABACBCBPCP
BP+CP=BCBP+CP=BCより
BCAP2=BCABACBCBPCPAP2=ABACBPCPAP=ABACBPCP(AP>0)BCAP2=BCABACBCBPCPAP2=ABACBPCPAP=ABACBPCP(AP>0)
となります。

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