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2025年3月20日

平行四辺形の成立条件

 四角形が以下の5つの中のいずれか1つの性質をもつとき、その四角形は平行四辺形となります。
  1. 2組の対辺がそれぞれ平行
  2. 2組の対辺の長さがそれぞれ等しい
  3. 2組の対角の大きさがそれぞれ等しい
  4. 1組の対辺が平行かつ長さが等しい
  5. 対角線が互いの中点で交わる
これらの四角形の性質のことを平行四辺形の成立条件といいます。
上記のいずれかの性質をもつ四角形が本当に平行四辺形となるかを確かめてみます。

1. 2組の対辺がそれぞれ平行

2組の対辺がそれぞれ平行な四角形
 2組の対辺がそれぞれ平行である四角形というのは平行四辺形の定義そのものです。
したがって、この性質をもつ四角形は平行四辺形となります。

2. 2組の対辺の長さがそれぞれ等しい

2組の対辺の長さがそれぞれ等しい四角形
 「2組の対辺の長さがそれぞれ等しい」というのは平行四辺形のもつ性質です。
逆にこの性質をもつ四角形が平行四辺形となるのかを確かめてみます。
△ABCと△CDA
 AB=CD,AD=BCである四角形ABCDに対角線ACを引きます。
△ABC△CDAに着目すると
  • 仮定よりAB=CD
  • 同様に仮定よりBC=DA
  • 共通の辺なのでAC=CA
3組の辺がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから∠BAC=∠DCA,∠ACB=∠CADです。

2直線AB,CDにおいて∠BAC,∠DCAは錯角なので、∠BAC=∠DCAよりAB//CDであることがわかります。
同様に、2直線AD,BCにおいて∠ACB,∠CADは錯角なので、∠ACB=∠CADよりAD//BCであることがわかります。

したがって、四角形ABCDは2組の対辺がそれぞれ平行なので平行四辺形となります。
すなわち、2組の対辺の長さがそれぞれ等しい四角形は平行四辺形となります。


3. 2組の対角の大きさがそれぞれ等しい

2組の対角の大きさがそれぞれ等しい四角形
 「2組の対角の大きさがそれぞれ等しい」というのも平行四辺形がもつ性質です。
逆にこの性質をもつ四角形が平行四辺形となるのかを確かめてみます。
 ∠A=∠C,∠B=∠Dである四角形ABCDを考えます。
四角形の内角の和が360°であることより
\begin{equation}\angle A+\angle B+\angle C+\angle D=360°\end{equation}
が成り立ち、仮定より∠B=∠D,∠C=∠Aなので
\begin{align*}\angle A+\angle D+\angle A+\angle D&=360°\\[0.5em]2\angle A+2\angle D&=360°\\[0.5em]2(\angle A+\angle D)&=360°\\[0.5em]\angle A+\angle D&=180°\tag2\end{align*}
となります。
内角∠Aと内角∠Dの外角∠ADEは等しくなる
また、辺CDの頂点Dの側を延長し、その延長上に点Eをとると、
\angle ADE+\angle D=180°\tag3
が成り立ちます。

(2),(3)より∠A=∠ADEです。
2直線AB,CDにおいて∠A,∠ADEは錯角なので、AB//CDであることがわかります。

(2)を導いたのと同様にして、(1)と仮定∠C=∠A,∠D=∠Bより
\angle A+\angle B=180°\tag4
となります。
内角∠Aと内角∠Bの外角∠ABFは等しくなる
また、辺BCの頂点Bの側を延長し、その延長上に点Fをとると
\angle ABF+\angle B=180°\tag5
が成り立ちます。

(4),(5)より∠A=∠ABFです。
2直線AD,BCにおいて∠A,∠ABFは錯角なので、AD//BCであることがわかります。

以上より、四角形ABCDは2組の対辺がそれぞれ平行なので平行四辺形となります。
すなわち、2組の対角の大きさがそれぞれ等しい四角形は平行四辺形となります。


4. 1組の対辺が平行かつ長さが等しい

1組の対辺が平行かつ長さが等しい四角形
 「1組の対辺が平行かつ長さが等しい」というのは、平行四辺形の性質「2組の対辺がそれぞれ等しく、かつそれぞれ長さが等しい」を弱めたものです。
この性質をもつ四角形が平行四辺形となるのかを確かめてみます。
△ABCと△CDA
 AB=CDかつAB//CDである四角形ABCDに対角線ACを引きます。
△ABC△CDAに着目すると
  • 仮定よりAB=CD
  • AB//CDより錯角が等しいので∠BAC=∠DCA
  • 共通の辺なのでAC=CA
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから∠ACB=∠CADです。
2直線AD,BCにおいて∠ACB,∠CADは錯角なので、AD//BCであることがわかります。

したがって、四角形ABCDは2組の対辺がそれぞれ平行なので平行四辺形となります。
すなわち、1組の対辺が平行かつ長さが等しい四角形は平行四辺形となります。


5. 対角線が互いの中点で交わる

対角線が互いの中点で交わる四角形
 「対角線が互いの中点で交わる」というのは平行四辺形がもつ性質です。
逆に対角線が互いの中点で交わる四角形が平行四辺形となるのかを確かめてみます。
四角形ABCDの対角線AC,BDが互いの中点Pで交わる
 四角形ABCDについて、対角線AC,BDの交点をPとしたときPA=PB,PC=PDが成り立つ場合を考えます。
△PABと△PCD
△PAB△PCDに着目すると
  • 仮定よりPA=PB
  • 同様に仮定よりPC=PD
  • 対頂角は等しいので∠APB=∠CPD
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから∠ABP=∠CDPです。
2直線AB,CDにおいて∠ABP,∠CDPは錯角なので、AB//CDであることがわかります。
△PADと△PCB
今度は△PAD△PCBに着目すると
  • 仮定よりPA=PB
  • 同様に仮定よりPD=PC
  • 対頂角は等しいので∠APD=∠CPB
2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので合同であることがわかります。
このことから∠ADP=∠CBPです。
2直線AD,BCにおいて∠ADP,∠CBPは錯角なので、AD//BCであることがわかります。

以上より、四角形ABCDは2組の対辺がそれぞれ平行なので平行四辺形となります。
すなわち、対角線が互いの中点で交わる四角形は平行四辺形となります。


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